第61回全日本吹奏楽コンクール 平成25年10月27日(日)/名古屋国際会議場センチュリーホール |
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高校・前半の部 |
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1 | 東関東 千葉県 柏市立柏高等学校 (指揮/石田修一) ※2年連続24回目 |
3/ファントム・ドゥ・ラムール −幻影ー (天野正道) | |
朝一番から東関東の名門バンドが登場。近年、朝早い出番が続いていますね。自由曲「ファントム〜」は神奈川県のグラールWOによる委嘱作品。グラールが2007年に全国大会で演奏して以来、6年ぶりの登場。市立柏が天野作品を取り上げるのも今回が初となります。同校は93年(銀賞)、96年(金賞)、09年(銅賞)に続いて4回目の朝一番となりました。今年はこれまで金賞12回、銀賞10回、銅賞1回を受賞しています。 | |
2 | 九州 鹿児島県 原田学園鹿児島情報高等学校 (指揮/屋比久勲) ※2年連続5回目 |
2/幻想交響曲より 第5楽章 (H.ベルリオーズ/淀彰) | |
過去4回は全て後半に出場、今回初の前半でしかも朝2番となりました。前半では唯一の課題曲2です。自由曲「幻想交響曲」は屋比久先生は93年に福工大附属城東高でも取り上げて全国金賞を受賞されています。グループ表彰制以後、高校部門での「幻想交響曲」は7回演奏されていますが、唯一の金賞は93年の城東高のみ、つまり屋比久先生だけです。これまで金賞2回、銀賞2回を受賞しています。3年連続金賞なるでしょうか? | |
3 | 関西 大阪府 大阪桐蔭高等学校 (指揮/梅田隆司) ※3出休み明け6回目 |
1/エニグマ変奏曲 (E.エルガー/杉本幸一) | |
某局の「吹奏楽の旅」の取材もあり、同校の層の厚さや環境の素晴らしさを伺い知ることができました。高校で唯一の課題曲1は貴重な存在。自由曲エニグマはこれまでソニー(01年/スローカム編曲)、名取交響吹(12年/近藤久敦編曲)の2回のみです。今回の編曲者・杉本幸一氏は、1988年の課題曲「カーニバルのマーチ」の作曲者で、編曲作品としては「ラ・マンチャの男/屋根の上のバイオリン弾き/マイフェアレディ」のミュージカル作品がNEC玉川によって全国大会で演奏されています。休み前は3年連続金賞でしたが、その勢いのままエニグマでの初金を取れるでしょうか。これまで金賞3回、銀賞2回を受賞しています。 | |
4 | 東京 東京都 東海大学菅生高等学校 (指揮/加島貞夫) ※5年ぶり4回目 |
3/ウインドオーケストラのためのマインドスケープ (高昌帥) | |
東海大高輪台の3出休みの中、激戦の東京支部を抜けました。過去3回はアレンジ作品でしたが、今回初の吹奏楽オリジナル作品での出場です。「マインドスケープ」はA-Winds奈良アマチュアウィンドオーケストラによる委嘱作品で2006年に初演されました。07年の相模原市民吹奏楽の全国大会初演を皮切りに全国に流行し、今年も各支部大会で19団体が演奏するなど、自由曲の定番作品としての地位を確立しました。これまで銀賞1回、銅賞2回を受賞しています。 | |
5 | 北陸 福井県 福井県立武生商業高等学校 (指揮/植田薫) ※初出場 |
5/エスカペイド (J.スパニョーラ) | |
初出場ですが、指揮の植田先生はかつて武生東高を指導されて8回全国出場されています。NTVの「笑ってコラえて:吹奏楽の旅」でも有名になった先生です。武生商業に移られてからはB部門で活躍され、09〜11年は東日本学校吹奏楽大会に出場。昨年からA部門に出場し、支部大会初出場で金賞、今年は全国出場を決めました。エスカペイドは2001年NBA主催のWilliam D Revelli記念吹奏楽作曲賞を受賞した作品。04年(川崎医療福祉大)以来9年ぶりの登場で高校部門では初登場です。 | |
6 | 北海道 札幌地区 東海大学付属第四高等学校 (指揮/井田重芳) ※2年連続31回目 |
4/ラッキードラゴン〜第五福竜丸の記憶 (福島弘和) | |
アメリカによるマーシャル諸島沖のビキニ環礁で水爆実験を行った際に、被爆してしまった第五福竜丸を題材に描いたもので、2009年に春日部共栄高が取り上げて以来、人気曲となりました。今年も全国の各支部大会で13団体によって演奏されましたが、唯一、東海大第四高が全国出場を決めました。これまで金賞16回、銀賞12回、銅賞2回を受賞しています。 | |
7 | 四国 高知県 高知県立高知西高等学校 (指揮/中山直之) ※3年ぶり5回目 |
3/パガニーニ・ロスト イン ウィンド (長生淳) | |
毎年個性的な選曲で注目していますが、今年は難曲パガニーニ・ロスト。この曲は「2本のアルトSAXとピアノのための作品"パガニーニ・ロスト"」が原曲でその吹奏楽版になります。SAX奏者に高い技術を要する作品として有名ですが、どのようなパフォーマンスとなるか注目したいですね。これまで銅賞4回を受賞。3年ぶりの出場でステップアップできるか期待。 | |
8 | 西関東 埼玉県 埼玉県立伊奈学園総合高等学校 (指揮/宇畑知樹) ※3年連続15回目 |
4/ミュージカル「レ・ミゼラブル」より (C.M.シェーンベルク/森田一浩) | |
毎年、森田氏による委嘱編曲作品で新曲開拓をしている伊奈学園ですが、今年は意外な選曲「レ・ミゼラブル」でした。昨年はハリウッド映画、今年は舞台ミュージカルにおける新演出が話題になりましたが、歌の無いミュージカル作品をどれだけドラマティックに表現できるか期待したいですね。伊奈学園と春日部共栄がそれぞれ森田氏・福島氏の編曲で登場するのは興味深いです。それぞれのバンドを良く知った編曲者によってレミゼは注目でしょう。全国大会初演となります。これまで金賞11回、銀賞2回、銅賞1回を受賞しています。 | |
9 | 中国 岡山県 明誠学院高等学校 (指揮/稲生健) ※4年ぶり6回目 |
3/バレエ音楽「青銅の騎士」より (R.グリエール/石津谷治法) | |
2002年に初出場で初金賞という華々しい全国大会デビューとなりましたが、意外にも今回は4年ぶりの出場。同校の自由曲といえば鈴木英史アレンジのオペレッタセレクションという印象が強いですね。今回取り上げた自由曲は、ロシアの詩人プーシキンによって1832年に書かれた長編叙情詩「青銅の騎士」を原作に作られた全4幕からなるバレエ音楽で、市立習志野高の石津谷氏による編曲です。これまで金賞1回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
10 | 東北 福島県 福島県立磐城高等学校 (指揮/根本直人) ※3出休み明け14回目 |
5/相馬流山の主題による変奏曲 (福島弘和) | |
今年の東北代表は福島勢が独占という結果になりましたが、その先陣を切って名門バンドの登場です。自由曲は昨年の東北支部大会での特別演奏でも披露されていますが、福島県吹奏楽連盟創立50周年記念の委嘱作品で全国大会初演となります。「相馬流山」とは福島県相馬地方の民謡で野馬追い行事に歌われる歌で、題名は相馬中村藩祖のふるさと「流れ山」(今の千葉県流山市)の地名にあやかったものです。 これまで金賞5回、銀賞8回を受賞しています。 | |
11 | 東海 愛知県 愛知工業大学名電高等学校 (指揮/伊藤宏樹) ※3出休み明け36回目 |
4/エディソンの光 〜メンロパークの魔術師 (八木澤教司) | |
36回出場は高校部門最多。「エディソンの光」は同校による委嘱作品で全国大会初演であり、しかも八木澤作品が高校部門で演奏されるのも今回が初めてとなります。「エディソン」とはその名の通り「発明王エディソン(エジソン)」のこと。エジソン研究所の所在地(ニュージャージー州メンロパーク)に因んで、彼は「メンロパークの魔術師 (The Wizard of Menlo Park)」 とも呼ばれたとのこと。これまで金賞15回、銀賞16回、銅賞1回を受賞しています。 | |
12 | 東関東 千葉県 千葉県立幕張総合高等学校 (指揮/佐藤博) ※2年ぶり2回目 |
5/白磁の月の輝宮夜 (樽屋雅徳) | |
前回は初出場で金賞という快挙を成し遂げました。連続出場はなりませんでしたが、今年の常総学院の3出休みに代わって代表に返り咲きました。「白磁の月の輝宮夜」は同校による委嘱作品で全国大会初演。樽屋作品は06年以来7年ぶりの登場ですが、高校部門においては初登場になります。昨年は東関東代表から金賞無しという意外な結果に終わりましたが、今回の復活を金賞で飾れるか期待です。 | |
13 | 中国 島根県 出雲北陵高等学校 (指揮/原田実) ※3年連続8回目 |
5/トッカータとフーガ ニ短調 (J.S.バッハ/P.デュポン) | |
「トッカータとフーガ」は60年代に全国大会に登場して以来、自由曲の定番曲として長く親しまれてきました。高校部門での金賞は99年(伊奈学園総合高)を最後に出ていません。編曲者のデュポンは、フランスのギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の第6代楽長(1927〜1944年)です。楽団のために管弦楽編曲を手掛けており、日本では交響組曲「寄港地」が一番有名でしょうか。記録として残っている限り、「トッカータとフーガ」のデュポン版は全国大会初登場のようです。これまで金賞2回、銀賞3回、銅賞2回を受賞しています。 | |
14 | 西関東 埼玉県 春日部共栄高等学校 (指揮/都賀城太郎) ※2年連続9回目 |
5/ミュージカル「レ・ミゼラブル」より (C.M.シェーンベルク/福島弘和) | |
例年福島氏による吹奏楽作品を自由曲に持ってくるのが定番でしたが、今年は福島氏編曲によるミュージカル作品での出場。同じ西関東の伊奈学園と共に意外な選曲で驚きました。「レ・ミゼラブル」は日本を始め世界中で人気の高いミュージカル作品であり、今年の日本公演では新演出が話題にもなりました。伊奈学園総合高とともに全国大会初演となります。春日部共栄が全国大会で編曲作品を取り上げたのは、初出場の2000年(ローマの祭り)のみ。オリジナル作品以外での出場13年ぶりです。これまで金賞5回、銀賞3回を受賞しています。 | |
15 | 東北 福島県 福島県立平商業高等学校 (指揮/藤林二三夫) ※9年ぶり3回目 |
3/交響曲より (矢代秋雄/篠崎卓美) | |
9年ぶりの出場です。指揮の藤林先生は平商業を2010年から指導。これまで勿来工業高(2回)、磐城高(3回)、湯本高(6回)を全国大会に導いています。平商業高は2010〜2012年の支部大会金賞に続いて、今年は見事全国出場を決めました。これまで4つの高校を全国大会に導いていらっしゃいます。自由曲も東北バンドらしい選曲で期待大。これまで銀賞1回、銅賞1回を受賞しています。 | |