第61回全日本吹奏楽コンクール 平成25年10月27日(日)/名古屋国際会議場センチュリーホール |
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高校・後半の部 |
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1 | 東海 静岡県 浜松海の星高等学校 (指揮/土屋史人) ※2年連続2回目 |
3/いにしえの時から (J.ヴァン=デル=ロースト) | |
昨年の初出場に続いての連続出場。しかも支部大会ではグランプリ(朝日新聞社賞)を取っての代表でした。「いにしえの時より」は元々2009年のヨーロピアン・ブラス・バンド・チャンピオンシップの課題曲として作曲され、この吹奏楽版は2010年にTADウィンド・シンフォニーによって日本初演されました。演奏時間18分半・グレード6という大曲です。全国大会初演となります。支部大会グランプリの実力に期待したいです。 | |
2 | 中国 山口県 山口県立防府西高等学校 (指揮/野上慎二郎) ※2年ぶり2回目 |
3/交響詩「ローマの祭り」より (O.レスピーギ/佐藤正人) | |
2011年の初出場の後、昨年は支部大会金賞止まりでしたが、再びの代表返り咲きです。今年は桑山中、防府吹とともに防府市内の3バンドが全国出場を果たしました。「ローマの祭り」は、1982〜2009年の28年連続で全国大会で金賞が出ていた作品ですが、2010年で連続金賞記録が切れた途端、2011、2012年と金賞バンドが出なくなりました。高校部門では07年(与野高)が最後の金賞です。これまで銅賞1回を受賞しています。 | |
3 | 東京 東京都 東京都立片倉高等学校 (指揮/馬場正英) ※3出休み明け10回目 |
3/バレエ音楽「中国の不思議な役人」より (B.バルトーク/甘粕宏和) | |
3出明けも貫禄の代表。今の東京支部ではもっとも安定感のあるバンドといえるでしょう。「中国の不思議な役人」は05年(銅賞)、09年(金賞)に続いて3回目の選曲で、4年に一度とまるでオリンピックのようです。過去2回は小澤俊朗氏の編曲でしたが、今回は甘粕版での登場ですね。これまで金賞4回、銀賞2回、銅賞3回を受賞しています。10回目の全国を金賞で飾れるでしょうか。 | |
4 | 北陸 石川県 石川県立金沢桜丘高等学校 (指揮/安嶋俊晴) ※2年連続3回目 |
5/楽劇「サロメ」より 七つのヴェールの踊り (R.シュトラウス/小澤俊朗) | |
初の連続出場。昨年は「ローマの噴水」で初の金賞に輝きましたね。「サロメ」は毎年のように全国大会で演奏されている定番中の作品ですが、北陸代表による演奏は04年(鯖江中)以来9年ぶり、高校部門においては91年(武生東)以来22年ぶりの登場です。これまで高校の北陸代表で連続金賞の経験があるのは、富山商業と高岡商業の2校のみですが、桜ブラスはどうなるでしょうか? 金賞1回、銀賞1回を受賞しています。 | |
5 | 九州 沖縄県 沖縄県立コザ高等学校 (指揮/金城敦子) ※4年ぶり2回目 |
4/シダス (T.ドス) | |
前回の初出場の後、2010〜2012年に支部大会金賞止まりでしたが、再びの代表復活です。「シダス」はラテン語で「星、星座」を意味します。全国大会ではこれまで大学と一般バンドにしか披露されていません。高校部門では今回は初登場となります。トーマス・ドスはオーストリア出身の作曲家で、オーストリアやオランダで研鑚を積んだ後、アメリカに渡り、ロサンゼルスのユニバーサルスタジオにてジョン・ウィリアムズのスタッフとして活動していました。映像音楽を彷彿とさせる作風が印象的です。これまで銅賞1回を受賞してます。 | |
6 | 東関東 千葉県 習志野市立習志野高等学校 (指揮/石津谷治法) ※2年連続27回目 |
2/歌劇「イーゴリ公」より 出陣の合唱、ポーロヴェツ人の踊り (A.ボロティン/石津谷治法) | |
後半で唯一の課題曲2です。自由曲「イーゴリ公」は70年代〜80年代にかけて自由曲として人気の高い作品でした。高校部門では2001年(福工大城東)以来12年ぶりの登場です。昔は「ポーロヴェツ人」ではなく「ダッタン人」という表記が主流でしたね。昨年は会場を大いに沸かせた演奏ながらも銀賞で、東関東代表から金賞無しという結果に終わりました。是非ともリベンジを期待したいところです。これまで金賞20回、銀賞6回を受賞しています。 | |
7 | 西関東 埼玉県 埼玉栄高等学校 (指揮/奥章) ※3出休み明け22回目 |
5/歌劇「タイス」より (J.マスネ/宍倉晃) | |
3出休み明けも貫禄の代表復活。大滝先生が西関東吹奏楽連盟の理事長に就任されたことにより、今年から奥先生がA部門での指揮をされているようです。自由曲「タイス」は「タイスの瞑想曲」で良く知られているオペラです。これまでマスネ作品は「ル・シッド」や「絵のような風景」が多く演奏されており、02年(ウェルテル/札幌白石高)以来11年ぶりの登場で、「タイス」は全国大会初演です。前回出場の2011年は栄にとって初めての銅賞という結果でしたが、復活を金賞で飾れるでしょうか? これまで金賞16回、銀賞4回、銅賞1回を受賞しています。 | |
8 | 北海道 札幌地区 札幌日本大学高等学校 (指揮/木田恵介) ※2年連続2回目 |
5/交響曲第5番より 第4楽章 (D.ショスタコーヴィチ/C.ライター) | |
1960年代から自由曲として根強い人気を誇る交響曲第5番。ショスタコーヴィチの作品の中でも、特に著名なものの一つです。ロシア革命20周年に初演された作品で、日本では商業用の副題として「革命」と表することが多いですが、ショスタコーヴィチ自身はそのような名付はしていません。全国大会ではこれまでにのべ23団体に演奏されていますが、そのうち約半分の11団体が高校バンドです。高校部門でのこの曲での金賞は天理高(90年)、福工大附属高(97年)の2団体のみです。これまで銀賞1回を受賞しています。 | |
9 | 関西 大阪府 近畿大学附属高等学校 (指揮/小谷康夫) ※2年連続2回目 |
3/宇宙の音楽 (P.スパーク) | |
激戦支部ながら昨年の初出場に続いての出場は見事。「宇宙の音楽」は2005年のNBAレヴェリ作曲コンテスト最優秀賞受賞作品。もともとはブラスバンドのための作品ですが、作曲者本人の手により吹奏楽に改訂され、吹奏楽版は05年6月に大阪市音楽団によって世界初演されました。高校部門での「宇宙の音楽」は精華女子(07年・11年)、駒澤大学高(12年)の3回で全て金賞バンド。近大附属もこの波に乗りたいところでしょう。これまで銀賞1回を受賞しています。 | |
10 | 東海 愛知県 光ヶ丘女子高等学校 (指揮/日野謙太郎) ※3年連続12回目 |
5/サンタ・カテリーナ 〜キリストとの出会い〜 (田村文生) | |
自由曲「サンタ・カテリーナ」は今年度の光ヶ丘女子高の創立50周年記念の委嘱作品で、2013年3月の同校定期演奏会にて初演されました。田村氏にとっては初の宗教を題材にした作品とのことで、今回が全国大会初演となります。題名のとおり「聖カテリーナ」をテーマにした作品であり、古今の美術作品に表れたキリスト像を元に書かれています。「受胎告知」「降誕」「変容」「磔刑」「昇天」と続き、最後は「シエナのカテリーナ」を象徴して終曲します。これまで金賞2回、銀賞7回、銅賞2回を受賞しています。 | |
11 | 東北 福島県 福島県立湯本高等学校 (指揮/橋本葉司) ※3年連続9回目 |
5/バレエ音楽「ヨゼフ伝説」より (R.シュトラウス/高木登古) | |
「ヨゼフ伝説」は、旧約聖書創世記39章の「ヨセフの物語」に着想を得てホフマンスタールとケスラー伯爵が共同執筆した脚本に基づく1幕もののバレエ作品です。同校は「ピアノ三重奏曲」「ローマの噴水」「ヨゼフ伝説」と3年連続で高木氏の編曲作品での出場となりました。高木氏は2007年課題曲『マーチ「ブルースカイ」』の作曲者であり、多くの管弦楽作品の吹奏楽編曲を手掛けていらっしゃいます。これまで金賞2回、銀賞4回、銅賞2回を受賞しています。 | |
12 | 四国 愛媛県 愛媛県立北条高等学校 (指揮/池田努) ※2年ぶり5回目 |
3/交響詩「ローマの祭り」より (O.レスピーギ/佐藤正人) | |
「ローマの祭り」は、1982〜2009年の28年連続で全国大会で金賞が出ていた作品ですが、2010年で連続金賞記録が切れた途端、2011、2012年と金賞バンドが出なくなりました。コンクールでは定番中の定番であり、やはりコンクールでは是非とも聞きたい作品の一つです。四国代表は過去に伊予高(91年)、土佐女子高(98年)の2校しか金賞が出ておらず、全国大会ではいまひとつ元気がありません。これまで銀賞1回、銅賞3回を受賞しています。 | |
13 | 九州 福岡県 精華女子高等学校 (指揮/藤重佳久) ※3年連続18回目 |
4/フェスティバル・ヴァリエーション (C.T.スミス) | |
女子高には失礼ながら、「九州の雄」と呼ばせていただきます。支部大会では朝早い出演順ながら代表入り。「フェスティバル・ヴァリエーション」は言わずと知れたスミスの難曲ですが、同バンドは08年以来2回目の選曲。05年からはスミス作品とスパーク作品しか演奏していませんが、連続で金賞受賞中です。今最も勢いのあるバンドかもしれません。女子高らしからぬ重厚なサウンドと機動力のある音楽で会場をわかせて欲しいですね。これまで金賞8回、銀賞9回を受賞しています。 | |
14 | 関西 大阪府 大阪府立淀川工科高等学校 (指揮/丸谷明夫) ※3年連続34回目 |
4/大阪俗謡による幻想曲 (大栗裕) | |
淀工がトリとなりました。大阪俗謡は今回で8回目(過去7回は全て金賞)の選曲。95年以降、ラヴェル作品(スペイン狂詩曲、ダフニスとクロエ)と大栗作品(大阪俗謡)しか演奏していませんが、目下14回連続で金賞受賞中。トータル25回金賞は高校部門では最多記録となります。指揮者は今年、全日本吹奏楽連盟の理事長に就任された丸谷先生。この大会の主催元のトップが指揮をする演奏に審査員はどういった評価をするのか興味深いところです。これまで金賞25回、銀賞7回、銅賞1回を受賞しています。 | |
※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。 |