第61回全日本吹奏楽コンクール 平成25年10月26日(土)/名古屋国際会議場センチュリーホール |
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中学・前半の部 |
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1 | 東北 福島県 南相馬市立原町第一中学校 (指揮/阿部和代) ※12年ぶり6回目 |
4/アルプス交響曲より (R.シュトラウス/森田一浩) | |
12年ぶりの出場。来年、生誕150年を迎えるリヒャルト・シュトラウスの作品「アルプス交響曲」は、単一楽章形式の交響曲で演奏時間は約1時間近くにもなる大曲。92年の常総学院高が全国大会8分ほどのハイライト版を全国大会初演して以来、自由曲のシュトラウス作品レパートリーとして定着してきました。中学部門では03年(厚別北・失格)と08年(国府・銅)の2回しか登場しておらず、5年ぶりの登場になりますが期待したいと思います。金賞3回、銀賞2回を受賞しています。 | |
2 | 東海 静岡県 浜松市立開成中学校 (指揮/加藤幸太郎) ※初出場 |
2/交響詩「モンタニャールの詩」 (J.ヴァン=デル=ロースト) | |
静岡県からの出場は07年(富士宮第一)以来6年ぶり、加えて浜松市からの出場は1997年(高台中)以来16年ぶりという快挙となりました。前半の部では唯一の課題曲2は貴重。自由曲の「モンタニャールの詩」は北イタリアのフランス語を話すヴァル・ダオスタ(アオスタの谷)地方にある吹奏楽団「オルケストル・ダルモニー・ドゥ・ヴァル・ダオスタ」の委嘱で作曲され、1997年1月26日に作曲者の指揮で初演された作品です。中学部門では今回が初登場となります。 | |
3 | 九州 鹿児島県 鹿児島市立谷山中学校 (指揮/岩井田万里子) ※2年連続4回目 |
4/アルプスの詩 (F.チェザリーニ) | |
「アルプスの詩」は1999年にR.シュトラウスの没後50周年を記念して氏の「アルプス交響曲」へのオマージュ作品として書かれたものです。曲は「霧/哀愁/思いがけない光/精神的活動(心の動き)/高原の牧場/ 嵐/神の国」という七つの部分から成り、ノーカットで演奏すると約20分にも及ぶ大曲。2001年に埼玉栄高と精華女子高が全国大会で演奏して以来、自由曲として定番となった作品です。これまで銀賞3回を受賞しています。 | |
4 | 関西 兵庫県 加古川市立浜の宮中学校 (指揮/中原淳子) ※2年連続6回目 |
4/シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」 (福島弘和) | |
今や関西代表の常連となった浜の宮。昨年は悲願の初金賞に輝き勢いに乗っています。今年は関西代表3枠を全て兵庫県勢が独占しましたが、その先陣を切っての出場です。「祈りの鐘」は春日部共栄高による委嘱作品で、2010年の初登場以来爆発的に全国で流行しています。今年も各支部大会で17団体が演奏し、和名ヶ谷中と浜の宮中、福井ブラスアカデミーの3団体が全国に進出してきました。これまで金賞1回、銀賞4回を受賞しています。 | |
5 | 北海道 札幌地区 札幌市立啓明中学校 (指揮/田中義啓) ※4年ぶり3回目 |
3/ピエトロ・モンタージュ (鈴木英史) | |
前回出場から3年間支部大会で金・銀・金と足踏みしていましたが、見事代表復活です。「ピエトロ」とはチャイコフスキーのファーストネーム「ピョートール」のイタリア語読み。ラフマニノフ作品をコラージュした「セルゲイ・モンタージュ」の続編で、題名のとおりチャイコフスキー作品を題材とした作品です。佐川聖二氏の依頼により、三重県立上野高、栃木県立宇都宮南高、中央大学、パストラーレシンフォニックバンドの共同委嘱により2011年に作曲されました。全部門通じて全国大会初演となります。これまで銀賞1回、銅賞1回を受賞しています。 | |
6 | 西関東 山梨県 甲斐市立敷島中学校 (指揮/田中誠) ※3年ぶり7回目 |
3/歌劇「トスカ」より (G.プッチーニ/鈴木英史) | |
2011年・2012年と支部大会金賞止まりでしたが、見事代表復活です。「トスカ」は全三幕から成るプッチーニの代表的なオペラ作品であり、全国大会にこれまで20回以上演奏されているものの、金賞バンドは東海大四高(98年)、アンサンブルリベルテ(99年)、鎌田中(02年)の3団体のみにとどまっています。2000年以降、西関東支部では最も安定した成績を残している敷島中ですが、7年ぶりの金賞といけるでしょうか。これまで金賞2回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
7 | 北陸 石川県 津幡町立津幡南中学校 (指揮/奥泉清人) ※初出場 |
3/大いなる約束の大地〜チンギス・ハーン (鈴木英史) | |
津幡南は全国大会常連校として有名な「津幡中」から1999年に分離・新設された中学校であり、A部門での支部大会出場は2010年、2011年に続いて今年がまだ3回目。昨年の県大会敗退の雪辱も果たして見事に全国初代表を勝ち取りました。指揮の奥泉先生はかつて、内灘中を指導され全国大会に1回出場経験があります。自由曲「大いなる〜」はリヴィエール吹奏楽団(東京)と三重県立上野高等学校吹奏楽部の共同委嘱により2007年に発表された作品で、以来、主に中学部門で人気の高い作品です。 | |
8 | 中国 広島県 広島市立安佐中学校 (指揮/岡田正文) ※初出場 |
4/吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より (高昌帥) | |
支部大会では既に常連バンドでしたが、ついに悲願の全国出場を達成しました。「陽が昇るとき」は「衝動、情緒、祈り、陽光」の全4楽章から成り元々は別々の4団体の委嘱作品を一つの組曲として完成させたものです。それぞれの委嘱団体は「衝動:創価学会関西吹奏楽団」「情緒:ウィンドアンサンブル一期一会」「祈り:関西大学応援団吹奏楽部」「陽光:宝塚市吹奏楽団」です。中学生にとってはかなりグレードの高い作品だとは思いますが、期待したいですね。 | |
9 | 西関東 埼玉県 越谷市立北中学校 (指揮/田中秀和) ※3出休み明け4回目 |
4/歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤洋) | |
休み明けも安定した演奏で代表返り咲き。これまでの「フェドーラ(09年)」「カヴァレリア(10年)」「トスカ(11年)」、そして今年の「トゥーランドット」とオペラ作品は十八番でしょうか。「トゥーランドット」はフランソワ・ペティ・ド・ラ・クロワが1710年〜1712年に出版した『千一日物語』の中の「カラフ王子と中国の王女の物語」に登場する姫の名前であり、プッチーニを代表するオペラ作品。自由曲のレパートリーとしても2000年以降に急速に広がりました。これまで銀賞3回を受賞しています。 | |
10 | 中国 山口県 防府市立桑山中学校 (指揮/中村武司) ※2年連続9回目 |
3/セルゲイ・モンタージュ (鈴木英史) | |
昨年の「大いなる約束の大地」に続く鈴木作品での登場。この作品は佐川聖二氏による委嘱でありラフマニノフ作品をコラージュした作品です。中学部門では今回が初登場となります。今年は防府市内の3バンド(桑山中、防府西高、防府吹)が揃って全国出場を決めるなど、防府が盛り上がっていますが、この勢いにのって2年連続金賞と行きたいところですね。これまで金賞5回、銀賞3回を受賞しています。 | |
11 | 四国 徳島県 徳島市国府中学校 (指揮/藤本澄代) ※2年連続5回目 |
1/トリトン・デュアリティー (長生淳) | |
毎年中学生離れした選曲で、個人的に注目しているバンドです。課題曲1は今年全部門で5団体のみ、国府の演奏は貴重ですね。自由曲「トリトン・デュアリティー」は、東邦音楽大学の学園創立70周年記念委嘱作の『トリトン』全3楽章から、2楽章の一部と1楽章の大部分に、若干の新しい部分を加えて序奏とアレグロ的な形に再構成された作品です。中学部門では今回が初登場。これまで金賞1回、銅賞3回を受賞しています。 | |
12 | 東京 東京都 羽村市立羽村第一中学校 (指揮/玉寄勝治) ※2年ぶり7回目 |
3/交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」より (A.ハチャトゥリアン/玉寄勝治) | |
支部大会では朝1番ながら見事代表に返り咲きました。「シンフォニーポエム」は、1947年ロシア革命30周年記念のために書かれた単一楽章形式の交響曲です。原曲は15本のソロ・トランペットやパイプオルガンを要する超大編成オーケストラのための作品ですが、84年に秋田・花輪高が取り上げて以来、吹奏楽コンクールでは根強い人気を保っています。ハチャトゥリアン生誕110年の今年、羽村第一にとっては2010年に続いて2回目の選曲です。これまで金賞2回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
13 | 東海 長野県 長野市立裾花中学校 (指揮/山岸浩) ※2年連続3回目 |
3/バレエ音楽「青銅の騎士」より (R.グリエール/石津谷治法) | |
ロシアの詩人プーシキンによって1832年に書かれた長編叙情詩「青銅の騎士」を原作に作られた全4幕からなるバレエ音楽です。「青銅の騎士」とは、1703年にサンクト・ペテルブルクを創建したピョートル大帝の騎馬像のことで、元老院広場の端にネヴァ川に向かって立つ街の観光名所の一つです。吹奏楽コンクールでは1997年に中央大学(林紀人版)と福岡第一高(仲田守版)の2団体が全国大会で初演して以来、人気の高い作品となりました。これまで銀賞1回、銅賞1回を受賞しています。 | |
14 | 東関東 千葉県 松戸市立和名ヶ谷中学校 (指揮/上村二三子) ※2年連続7回目 |
4/シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」 (福島弘和) | |
「祈りの鐘」は春日部共栄高による委嘱作品で、2010年の初登場以来、全国で流行しました。今年も各支部大会で17団体が演奏し、和名ヶ谷中と浜の宮中、福井ブラスアカデミーの3団体が全国に進出してきました。95年の関東支部の分離以降、東関東代表から金賞が出なかったのは2002年のみ。2003年以降昨年まで10年連続で金賞バンドが出ています。連続金賞記録を11年に更新できるでしょうか。これまで金賞3回、銀賞3回を受賞しています。 | |
15 | 東北 福島県 会津若松市立一箕中学校 (指揮/小野香織) ※初出場 |
1/スペイン狂詩曲より T. 夜への前奏曲、W. 祭り (M.ラヴェル/森田一浩) | |
一箕は「いっき」と読みます。会津若松市からの出場は同校が初ですね。2011年に「ローマの祭り」で支部大会初出場で金賞、2012年「ダフニスとクロエ」の支部金に続いて今年は初の全国出場を勝ち取りました。「スペイン狂詩曲」は「夜への前奏曲、マラゲーニャ、ハバネラ、祭り」の4曲から成る作品で、コンクール自由曲としては「ダフニスとクロエ」に次ぐ人気の高い作品です。中学部門での登場は09年(小平三中)以来4年ぶりの登場です。 | |