第65回全日本吹奏楽コンクール 平成29年10月22日(日)/名古屋国際会議場センチュリーホール |
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高校・後半の部 |
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1 | 東北 福島県 福島県立平商業高等学校(指揮/藤林二三夫) ※3年ぶり5回目 |
1/シャコンヌ ホ短調(D.ブクステフーデ/篠崎卓美) | |
前半後半通じて唯一の課題曲1です。これを逃すとスケルツァンドは聞けません。自由曲シャコンヌは、デンマーク出身の作曲家でオルガニストのディートリヒ・ブクステフーデのオルガン曲です。毎回新しい作品の開拓をしてくる福島勢には目が離せませんね。今回のシャコンヌももちろん全国大会初演です。平商業は2013年より5年連続で篠崎卓美氏の編曲作品を取り上げています。同氏はいわき市出身の読売交響のバストロンボーン奏者です。これまで銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
2 | 東海 静岡県 浜松聖星高等学校(指揮/土屋史人) ※3年連続5回目 |
3/吹奏楽のための協奏曲(高昌帥) | |
今年4月「浜松海の星高」から学校名が改称すると同時に共学高となりました。「吹奏楽のための協奏曲」は大阪音楽大学創立100周年記念の委嘱作品として2016年3月に初演されました。昨年、春日部共栄高と創価学会関西吹が全国大会初演を行った後、今年は各支部大会で7団体が演奏し、そのうち4団体(浜松聖星、北海学園大、東京隆生、藤原大征」が全国出場を果たしました。聖星はバラッド(15)、エッセイ(16)と3年連続での高昌帥作品での出場となります。これまで銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
3 | 西関東 埼玉県 埼玉県立伊奈学園総合高等学校(指揮/宇畑知樹) ※7年連続19回目 |
2/「ノートルダムの鐘」より(A.メンケン/森田一浩) | |
前半では唯一の課題曲2ですね。自由曲「ノートルダムの鐘」はヴィクトル・ユーゴー原作の1996年公開のディズニー映画です。2016年からは劇団四季によるミュージカルも始まり、今年は東京・京都で公演、来年は横浜での公演も予定されている作品です。毎回新しい自由曲レパートリーを開拓する姿勢には感服するばかり。1997年から続く伊奈学&森田一浩アレンジのカップリングも20年目を迎えました。もちろん全国大会初演となります。これまで金賞14回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
4 | 中国 岡山県 明誠学院高等学校(指揮/稲生健) ※2年連続8回目 |
4/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より(M.ラヴェル/真島俊夫) | |
今年はラヴェルの没後80年にあたる年です。「ダフニスとクロエ」は1994年から必ず全国大会に登場してくる定番曲ですが、今年は同校の他に淀川工科高、川越奏和の合計3団体が演奏します。奇しくも3団体とも全て違う編曲者であるのも興味深いですね。明誠学院は2002年の初出場のときが最初で最後の金賞受賞となっており、これまで金賞1回、銀賞5回、銅賞1回を受賞しています。 | |
5 | 東関東 茨城県 常総学院高等学校(指揮/本図智夫) ※2年連続19回目 |
3/アルプス交響曲より 日の出、悲歌、嵐の前の静寂、雷雨と嵐、下山、夜(R.シュトラウス/本図智夫) |
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アルプス交響曲は92年以来2回目の選曲です。この60分近い大曲を約10分の1に抜粋し自由曲レパートリーにした火付け役は、常総学院高です。2010年を最後に金賞から遠ざかっており、昨年はまさかの初の銅賞に終わりました。金賞復活と共に名古屋国際会議場との相性の悪さを払拭してほしいですね。これまで金賞14回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
6 | 東京 東京都 東京都立片倉高等学校(指揮/馬場正英) ※5年連続14回目 |
5/吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より(高昌帥) | |
「陽が昇るとき」は「1.衝動、2.情緒、3.祈り、4.陽光」の全4楽章から成り元々は別々の4団体の委嘱作品を一つの組曲として完成させたものです。それぞれの委嘱団体は「衝動:創価学会関西吹」「情緒:ウィンドアンサンブル一期一会」「祈り:関西大学」「陽光:宝塚市吹」です。2014年を最後に東京代表は金賞を逃しています。これまでこれまで金賞5回、銀賞5回、銅賞3回を受賞しています。 | |
7 | 四国 愛媛県 愛媛県立伊予高等学校(指揮/長谷川公彦)※4年連続24回目 |
3/歌劇「アラベラ」より(R.シュトラウス/田村文生) | |
1932年に作曲され、1933年に初演された3幕からなるオペラ作品。アラベラとは主人公の女性の名前です。伊予高は、エレクトラ(2015)、影のない女(2016)、アラベラ(2017)と3年連続で田村氏編曲によるシュトラウス作品を取り上げ、全国大会初演をしています。毎年新しいものに挑戦する姿勢は聴衆も楽しませてくれますね。1991年の金賞が同校にとって唯一の金賞です。金賞1回、銀賞3回、銅賞19回を受賞しています。 | |
8 | 九州 福岡県 精華女子高等学校(指揮/櫻内教昭) ※2年連続21回目 |
4/アウディヴィ・メディア・ノクテ 〜我は聴きぬ、真夜中に〜(O.ヴェスピ) | |
昨年、見事は代表返り咲きを金賞で飾りました。しっかりと連続代表になってくるところは流石です。「アウディヴィ〜」は2011年ヨーロピアン・ブラスバンド・チャンピオンシップでの指定課題曲作品で20分近い大曲です。2013年に吹奏楽版が発表されました。今年は支部大会で精華女子、浜松商業高、名取交響吹の3団体が演奏し、精華女子と名取が代表を獲得。今回が全国大会初演となります。これまで金賞11回、銀賞9回を受賞しており、2005年以降の出場は全て金賞という成績を残しています。 | |
9 | 北陸 福井県 福井県立武生商業高等学校(指揮/植田薫) ※5年連続5回目 |
5/メトロポリス 1927(P.グラハム) | |
「メトロポリス」はグラハムの今年の新作。1927年に公開された、100年後の未来都市を描いたSF映画「メトロポリス」を見たグラハムが映画から受けたイメージを作品にしたものだそうで、映画音楽ではなくグラハムのオリジナル作品です。昨年の自由曲も「メトロポリス」でしたが、こちらも同じ映画を題材にしたA.ゴーブの作品でした。管理人は同校の支部大会の演奏を聞かせていただきましたが、非常に変化に富んだ作品で、引き込まれました。曲中のデキシーバンドも面白いパフォーマンスでした。これまで銀賞1回、銅賞3回を受賞しています。 | |
10 | 東京 東京都 東海大学付属高輪台高等学校(指揮/畠田貴生) ※4年連続12回目 |
4/交響的狂詩曲(福島弘和) | |
交響的狂詩曲は同校の委嘱作品で全国大会初演。同校が自由曲で委嘱作品を取り上げるのは初めてではないでしょうか。また、邦人作品での全国大会出場も初となります。金賞常連といった印象が強いのですが、2012年に名古屋国際会議場に会場が固定化されるようになってからは、初年度は金賞だったものの、それ以降は銀賞止まりとなっています。これまで金賞7回、銀賞4回を受賞しています。 | |
11 | 関西 大阪府 大阪府立淀川工科高等学校(指揮/丸谷明夫) ※7年連続38回目 |
4/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り(M.ラヴェル/立田浩介) | |
1995年以降の出場は全て金賞というスーパー高校バンド。指揮者は全日本吹奏楽連盟の理事長でもあります。2005年以降は「ダフニスとクロエ」と「大阪俗謡」を交互にローテーション選曲でしたが、今回は2年連続での「ダフニスとクロエ」で、9回目の選曲です。金賞29回、銀賞7回、銅賞1回を受賞しています。 | |
12 | 北海道 札幌地区 札幌日本大学高等学校(指揮/木田恵介) ※6年連続6回目 |
5/歌劇「アラベラ」より(R.シュトラウス/田村文生) | |
1932年に作曲され、1933年に初演された3幕からなるオペラ作品。アラベラとは主人公の女性の名前です。2008年以来9年ぶりに「サロメ」が登場しないのも珍しいですね。昨年の「影のない女」に続いて2年連続でのシュトラウス作品での出場です。今年は伊予高も同曲を選曲しており、揃っての全国大会初演です。これまで銀賞4回、銅賞1回を受賞しています。 | |
13 | 東関東 千葉県 柏市立柏高等学校(指揮/石田修一) ※6年連続28回目 |
4/パラフレーズ・パァ「スタティック・エ・エクスタティック」 アヴェック・プロローグ・エ・レピローグ(天野正道) |
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川崎市立東橘中学校吹奏楽部委嘱作品で『パラフレーズ・パァ「スタティック・エ・エクスタティック」アヴェック・レピローグ』という曲名でしたが、2016年に土気シビックWOが新たにレコーディングする際、「プロローグ」が追加されました。今回が全国大会初演です。柏高は2013年から「ファントム・ドゥ・ラムール」「ラ・フォルム〜カレイドスコープ」「天雷无妄」「シネマ・シメリック」と天野作品で4年連続金賞を受賞しています。今回金賞となれば、88〜92年のヤマハ浜松(田中賢作品)以来、同一作曲家作品での5金となります。これまで金賞16回、銀賞10回、銅賞1回を受賞しています。 | |
14 | 東海 愛知県 光ヶ丘女子高等学校(指揮/日野謙太郎) ※7年連続16回目 |
5/前奏曲とフーガ ニ長調BWV532(J.S.バッハ/O.レスピーギ、仲田守) | |
自由曲はバッハの初期のオルガン曲といわれており、全国大会では初演となります。光ヶ丘女子も毎年新しい作品に挑戦しレパートリー開拓に一役かっている貴重なバンドの一つだと思います。毎回、どこからこんな作品を探してくるのだろうと感服ですね。2014〜2016年は3年連続で支部大会・朝日新聞社賞(グランプリ)を受賞しての全国代表を射止めていますが、全国大会では惜しくも金賞に届いていないのが残念です。これまで金賞2回、銀賞11回、銅賞2回を受賞しています。 | |
15 | 西関東 埼玉県 埼玉栄高等学校(指揮/奥章) ※5年連続26回目 |
3/歌劇「トスカ」より(G.プッチーニ/宍倉晃) | |
「トスカ」は数多く全国大会でも演奏されていますが、金賞に至っては東海大四高(98)、アンサンブルリベルテ(99)、鎌田中(02)の3団体のみとなっています。常勝バンドというイメージが強いですが、2009年以降は連続金賞の実績がないのも意外ですね。高校部門のトリを金賞で締めくくれるでしょうか。これまで金賞18回、銀賞6回、銅賞1回を受賞しています。 | |