第71回全日本吹奏楽コンクール 令和5年10月21日(土)/名古屋国際会議場センチュリーホール |
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中学・前半の部 |
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1 | 東海 長野県 松本市立梓川中学校(指揮/妹尾圭子) ※初出場 |
2/シンフォニエッタ第1番「大地の詩」(福島弘和) | |
初出場おめでとうございます。指揮の妹尾先生は筑摩野中、鎌田中を指導されて5回の全国大会経験のある名指導者です。自由曲は数多くの作品が演奏されている福島作品。2000年に作曲した「シンフォニエッタ」を、2022年に川勝和哉ファミリーウインドオーケストラの委嘱によりシンフォニエッタ第1番「大地の詩」として改訂されたものです。シンフォニエッタシリーズとしては「2番/祈りの鐘」「3番/響きの森」「4番/憶いの刻」「5番/火焔の鳥」が有名ですが、その第1作目が登場します。全国大会初演です。 | |
2 | 中国 島根県 出雲市立第一中学校(指揮/坂根伸哉) ※3年連続50回目 |
2/ル・シャン・ドゥ・ラムール・エ・ドゥ・ラ・プリエール(愛と祈りの歌)(松下倫士) | |
今年の中国代表3枠は全て出雲市の学校で独占するという快挙となりました。3校の先陣を切って超名門・一中が登場します。出場50回は中学部門最多出場、22回金賞受賞も中学部門最多です。自由曲「愛と祈りの歌」は大阪・精華高の第10回定期演奏会記念の委嘱作品で2018年に発表され、2019年以降広く演奏されるようになりました。2016年を最後に金賞から遠ざかっています。これまで金賞22回、銀賞13回、銅賞4回を受賞しています。 | |
3 | 東京 東京都 小平市立小平第三中学校(指揮/澤矢康宏) ※3年連続17回目 |
2/夜の来訪者 〜J.B.プリーストリーの戯曲に基づいて (松下倫士) | |
自由曲は大阪・精華高による委嘱による管打8重奏作品が原典。イギリスの劇作家J.B.プリーストリーの戯曲「夜の来訪者」を題材としており、新たに吹奏楽曲として改訂されました。吹奏楽版の初演は、同じく大阪・精華高で、2021年の同校第13回定期演奏会において披露されました。全国大会では今回は初演となります。これまで金賞11回、銀賞5回を受賞しています。 | |
4 | 西関東 埼玉県 朝霞市立朝霞第一中学校(指揮/清水亜樹) ※3年連続7回目 |
2/ミュージカル「レ・ミゼラブル」より(C.M.シェーンベルク/森田一浩) | |
今年から顧問が変わりましたが、連続出場を果たしました。現在9大会連続で西関東代表3枠を埼玉勢が独占しています。「レ・ミゼラブル」は今では自由曲レパートリーとして広く演奏されていますが、全国大会の中学部門に登場するのは2018年以来2回目になります。このミュージカルは日本で1987年の初演以来、幾度となく再演され、来年2024年にも上演が決定しています。2018年を最後に西関東代表から金賞は出ていません。これまで金賞2回、銀賞4回を受賞しています。 | |
5 | 東関東 千葉県 松戸市立小金中学校(指揮/須藤卓眞) ※4年ぶり5回目 |
2/シンフォニエッタ第5番「火焔の鳥」(福島弘和) | |
4年ぶりの代表返り咲きです。須藤先生は以前は和名ヶ谷中、酒井根中、松戸第四中を指導され全国大会は今回で14回目の出場です。以前の指導校では金賞10回、銀賞3回を受賞されています。「火焔の鳥」は2022年の東海大高輪台高の委嘱によるもので、戦禍の地を舞う不死鳥をイメージして書かれたとのことです。かなりグレードの高い作品で中学部門では初登場となります。これまでに金賞1回、銀賞3回を受賞しています。 | |
6 | 東海 静岡県 日進市立日進中学校(指揮/伊藤夕子) ※7年ぶり7回目 |
2/喜歌劇「天国と地獄」序曲(J.オッフェンバック/鈴木英史) | |
2018〜2022年は支部大会で金賞に留まっていましたが、7年ぶりの代表返り咲きです。伊藤先生は2017年より前任の大竹先生から引継ぎ、悲願の全国復活を果たしました。「天国と地獄」オッフェンバックの有名なオペレッタですが、2006年の安城学園高以来、17年ぶり、中学部門としては初登場ですね。東海代表は2017年(日進西)を最後に金賞が出ていません。これまで金賞4回、銀賞2回を受賞しています。 | |
7 | 西関東 埼玉県 さいたま市立土屋中学校(指揮/浅井加奈子) ※2年連続2回目 |
4/歌劇「マノン・レスコー」より(G.プッチーニ/宍倉晃) | |
名指導者のもと昨年の初出場から連続出場を果たしました。現在9大会連続で西関東代表3枠を埼玉勢が独占しています。「マノン・レスコー」はプッチーニの3作目にあたるオペラ作品で1893年に初演されました。全国大会では「トゥーランドット」や「トスカ」がメジャーで、「マノン・レスコー」は2000年に大麻高が全国大会初演して以来、埼玉栄高(10)、大相模中(16)、朝霞第一中(18)、出雲大社中(22)の5団体のみとかなりレアな作品です。2018年を最後に西関東代表から金賞は出ていません。これまで銀賞1回を受賞しています。 | |
8 | 九州 鹿児島県 鹿児島市立武岡中学校(指揮/内田貢) ※3年連続4回目 |
1/交響曲第3番より 第1,3,4楽章(J.バーンズ) | |
昨年は24名、今年も28人という小編成での連続出場です。交響曲第3番は、アメリカ空軍軍楽隊の委嘱を受け1994年に作曲されました。バーンズ自身の第1子の死の悲しみ、第2子の誕生への喜びの感情が作品に反映されています。特に第3楽章には「ナタリーのために」という副題がつけられています。軍楽隊による初演演奏会が中止になったため、大阪市音楽団によって1996年に世界初演されました。超大編成向けの大曲ですが、この作品を30人足らずの編成でどのように演奏するのか楽しみです。これまで金賞2回、銀賞1回を受賞しています。 | |
9 | 東北 宮城県 仙台市立向陽台中学校(指揮/佐藤啓子) ※3年連続7回目 |
2/いにしえの時から(J.ヴァン・デル・ロースト) | |
2019年から4大会連続で代表3校が同じ(向陽台・上野・山形六)、しかも3校とも女性指揮者です。昨年は3校とも同じ自由曲(ドラゴンの年)という珍しい事象でしたが、今年は3校とも違う曲に分かれました。「いにしえ…」はもともとブラスバンド作品で、2010年に吹奏楽版が日本で世界初演された作品です。ヴァン・デル・ロースト作品は「スパルタクス」や「モンタニャール」が人気ありますが、本作品は全国大会では全部門通じて過去5団体しか演奏しておらず、中学部門では2015年(小平第六)以来8年ぶりの登場です。金賞はまだ出ていません。これまで金賞2回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
10 | 北海道 旭川地区 旭川市立永山南中学校(指揮/山口清司) ※3年連続12回目 |
4/管楽器と打楽器のための交響曲第2番より(J.B.チャンス) | |
チャンスの交響曲第2番は全三楽章から成り、1972年に米ノースダコタ州・マイノット州立大学ウインドアンサンブルによって初演されています。チャンスは1972年8月に亡くなっているため、自身の遺作となってしまいました。死後5年経った1977年に出版されましたが、非常に難易度の高い作品でコンクール自由曲としての登場もそう多くはなく、1991年(東海第一中)以来、実に32年ぶりの登場です。50代以上の世代にとっては懐かしい作品です。これまで金賞4回、銀賞6回、銅賞1回を受賞しています。 | |
11 | 北陸 福井県 鯖江市中央中学校(指揮/田鳥真澄) ※2年ぶり4回目 |
1/吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より(高昌帥) | |
「陽が昇るとき」は全4楽章から成り、元々は別々の4団体の委嘱作品を一つの組曲として完成させたものです。田鳥先生は2019年から鯖江中央中を指導されていますが、それ以前に2016年(鯖江市東陽中・B部門)、2012年(鯖江市鯖江中・A部門)に「陽が昇るとき」を自由曲として取り上げて支部大会に出場しており、同曲についてはかなり掌握されているようですね。さて、北陸代表からは2013年(津幡南)を最後に金賞が出ていません。また福井県のバンドに限れば1984年(鯖江)が最後の金賞です。これまで銀賞1回、銅賞2回を受賞しています。 | |
12 | 九州 福岡県 福岡市立姪浜中学校(指揮/松田さや香) ※5年ぶり5回目 |
3/黎明のエスキース(阿部勇一) | |
2018年まで4年連続で全国出場していましたが、5年ぶりの復活です。松田先生指導になり復活に向けて着実にステップアップしてきました。自由曲は大津シンフォニックバンドによる委嘱作品で2017年に発表されました。「黎明」とは「夜明け」、「エスキース」は絵画などを制作するための着想や構想、構図などを描きとめた下書きのことを言います。非常に難曲ですが中学部門では初登場となります。これまで金賞1回、銀賞2回、銅賞1回を受賞しています。 | |
13 | 東関東 千葉県 市川市立第三中学校(指揮/善木健仁) ※初出場 |
2/吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より T.衝動 U.情緒 W.陽光 (高昌帥) | |
初出場おめでとうございます。指揮の善木先生は2017年から同校を指導され、2022年に支部大会初出場で金賞、ついに今年は全国出場を果たしました。市川市の学校は関東支部が東西分離する前の2校(83年:市川第一中、90年:市川第五中)のみで、全国出場は実に33年ぶりの快挙です。「陽が昇るとき」は「1.衝動、2.情緒、3.祈り、4.陽光」の全4楽章から成り、元々は別々の4団体の委嘱作品を一つの組曲として完成させたもので、「衝動」は創価学会関西吹、「陽光」は宝塚市吹による委嘱作品です。 | |
14 | 四国 香川県 高松市立古高松中学校(指揮/木村一裕) ※初出場 |
2/ブリュッセル・レクイエム(B.アッペルモント) | |
初出場おめでとうございます。木村先生は2018年から同校を指導され、6年目にしてついに全国出場を果たしました。自由曲は2016年のブリュッセルを襲った連続爆破テロ事件を題材にした作品で、「罪もなく」「冷酷に」「追悼」「新たな日」の4つの部分からなります。2017年にブラスバンド作品として発表され、その後吹奏楽版が出版されました。四国代表は2009年(国府)を最後に金賞が出ていませんし、2010年以降も2015年(国府)を除いては銅賞のみという厳しい結果になっています。四国バンドの奮起を期待しています。 | |
15 | 関西 大阪府 大阪市立鯰江中学校(指揮/南由賀) ※2年連続2回目 |
1/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り(M.ラヴェル/佐藤正人) | |
昨年は初出場で金賞という華々しいデビューを飾りました。その勢いも十分、連続代表ですね。しかも今回は「ダフニス」ということで期待も高まります。ダフニスは自由曲としては既に定番の作品ですが、意外にも中学部門では1999年の太田市立城東中を最後に金賞が出ていないです。24年ぶりの金賞となるか注目です。これまで金賞1回を受賞しています。 | |