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                  基礎・基本の確実な定着のために

1 算数の基礎・基本は学習指導要領に記述されている内容全てであり、それは二つの意

 味で捉えられます。一つは学習指導要領解説算数編p5にあるように、「日常生活などに

 必要になる」という意味においてであり、二つ目は「算数の新しい考え方を生み出したり、

 問題解決などの方法をつくったりするために必要である」という意味においてです。

  まず一つ目の基礎・基本を確実に定着させることを考えてみます。基礎・基本を小学校

 6年間の一連の授業の中で考えると基礎・基本とは子どもが学習を行う上で、拠り所とす

 る学習方法やものの見方、考え方、関心・意欲・態度、表現・処理、知識・理解等と考え

 られます。

  この基礎・基本は学習指導要領に各学年ごとに示されています。ただ、算数科のように

 系統性の強い教科では、現在の学習内容が次の学習の基礎・基本になるということを考え

 れば、基礎・基本の「キソ・キホン」と言うべきものがあり、それを明らかにする必要があり

 ます。この「キソ・キホン」を考えるヒントは学習指導要領解説算数編p16にあります。

  その内容は「基礎的な知識であるとして公式などを意味理解を伴わないままに暗記させ

 たり、基礎的な技能であるとして計算などを形式的に処理するような習熟のみに力を入れ

 るような指導が見られる。これでは知識や技能の価値は半減するであろう。・・中略・・

  また、計算の技能を生かすためには、その意味や用いられる場面をよく理解しておくこ

 とが求められる。」とあります。計算に絞って考えれば、以下の3点が大切です。

  ○計算の意味を理解する。

  ○計算の仕方を考える。

  ○計算に習熟し活用する。

  このことから「キソ・キホン」を考えると以下の点が重要と思われます。

 (1)一つ目の基礎・基本の「キソ・キホン」とは何か

   @一桁のたし算、ひき算 → 10までの数の補数 例.10は7と3、6と4等

    8は2と6、1と7,5と3等(特に、10は特別な数との意識を持たせる。)

   A乗法九九 → ただ暗記ではなく、最初は乗法の意味や量感を捉えさせながら。

              あとは、すぐにぱっと言えるように。

   B十進数の構造 → 教材の工夫 例.タイル、お金等

   C具体的な量としての思考 → 量感を捉えさせる。

   D補助計算 → 考える筋道を明らかにすることにより、考える力を培う。

   以上のことが、基礎・基本の「キソ・キホン」として低学年の内から身に付けることが出来

  れば、中学年や高学年の基礎・基本も確実に定着させることができると思われます。

 (2)二つ目の基礎・基本について

   @二つ目の基礎・基本は一つ目の基礎・基本が確実に定着された上で、培っていかれる

    ものであり、今回の指導要領改訂の目玉だと思います。(憶えるものは厳選されたが、

    考えるものは多くなった。)

    A二つ目の基礎・基本の意味は「算数の新しい考え方を生み出したり、問題解決などの

    方法をつくったりするために必要である」ということですが、それは学習指導要領解説

    算数編p2にあるように「創造性の基礎」と考えられます。算数・数学における

    「創造性の基礎」を培うのは「数学的な考え方」と捉えられます。

    二つ目の基礎・基本については後日、詳しく述べていきたいと思います。

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