クラーク博士の言葉

2009年7月24日発行 学校便り「ひつじがおか」巻頭言

 今日で1学期が終わります。
 過日プリントでお知らせしましたが、1年生が交通事故に遭ってしまいましたが、おかげさまで順調に回復し、本日は登校予定です。ご家族の皆様と共に、無事に学校に復帰できましたことを、皆で喜び合いたいと思います。本当に良かったです。
 また、運動会、遠足、町内会との花苗の移植、農業研究センターでの田植え、修学旅行、滝野宿泊学習等の各行事も、まずまず天候に恵まれて予定通りに実施することができ、ホッとしております。保護者の皆様のご協力に、心より感謝いたします。
 さて、赴任以来何度か「子供たちがあこがれる大人に」ということを訴えてきました。そこで今回は、開拓期の北海道人にあこがられ、今も羊ヶ丘展望台でその勇姿が見られるウィリアム・S・クラーク博士の言葉を紹介したいと思います。
 クラーク博士といえば、「少年よ大志を抱け」が有名ですが、この続きは、あまり知られていないようです。そのため、「大志」を「有名になること」や「お金持ちになること」なのだと思っている人もいると聞きます。実は、クラーク博士の言葉は、次のように続きます。

少年よ大志を抱け
それは金銭に対してでも 自己の利益に対してでもなく
また世の人間が名声と呼ぶ あの空しいものに対してでもない
人間が人間として備えていなければならぬ あらゆることを成し遂げるために
少年よ 大志を抱け


 また、私の大好きなエピソードに、次があります。
 ある日、札幌農学校で学生を指導する係の人がクラークのところにやってきました。
 あまりにもバンカラで問題を起こす学生が多かったので、その人は、学生たちの生活のための規則を作ったのです。「先生、こんなものを作りました。いかがでしょう」
 見ると、何をしてはいけない、こういうときはこうしなさいと、こまごまと書いてあります。
 クラークは首を横にふって言いました。「人間は、規則によってできあがるものではありません。規則を作るのなら、これで十分です」そう言って、紙に書いたのは、
Be gentleman! (紳士たれ!)
の一言でした。こういう大人が、子供に「かっこいい!」と思われるのだと思います。
 明日からの夏休み、ご家族や地域の皆様が、子供たちから「かっこいい!」と思われ、幸せな時間をたくさん過ごせますように、と祈ります。
 私たち教職員も、夏休みにしっかりと研修して、2学期に備えます。どの子も元気で2学期を迎えられますように。

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