子供たちがあこがれる大人に
2010年4月6日発行 学校便り「ひつじがおか」巻頭言
新しい年度が始まりました。新しい出会いと環境の中、新しい目標に向かって、今日歩き始めました。今年も、私たち羊丘小の教職員は「子供たちがあこがれる大人」であるよう、努力することをお約束します。そんな大人だけが、本当に子供たちを成長させられことができるのですから。
子供はどんな大人にあこがれるのでしょう。ひとつのエピソードで考えてみましょう。
古代の町。通りかかった旅人が、レンガを積んでいる3人の男に出会い、「何をしているのか?」と聞きました。
1人めの男は顔も上げずに「レンガを積んでいるんだ」と答えました。
2人めの男は肩をすくめて「食うためにこうして働いているのさ」と答えました。
3人めの男は明るく顔を上げて「後世に残る大聖堂を造っているんだ」と答えました。
子供があこがれるのは、夢が明るさと強さとなってあふれている3人目でしょう。
時代の変化の中で、子供たちが夢を語らなくなったと言われます。3人目のように考える子が少なくなり、1人目のようにしか答えられない子も珍しくなくなりました。何とも悲しいことです。
こういう時代だからこそ、私たち大人は、夢をもって明るく強く子供たちの近くに立ち続けたいと思います。大人は、子供にとって成長のモデルなのですから。
今年も、子供たちの夢や自分への自信を育てる授業や指導の実現を目指します。カリキュラムを整備し、知的好奇心を満足させ、学力を高める授業、一人一人が学級に確かに所属していることを実感できる学級経営を目指します。一人一人の達成状況をこまめにチェックして、どの子にも基礎的な学力をきちんと身につけさせるような工夫をしていきます。実物投影機を導入するなどの環境整備に努めます。行事や縦割りの活動の中でのふれ合いも、より温かで楽しいものにしていきます。教室の配置を変えたのも、そういう意図の表れです。高学年の委員会活動も、思い切って子供たちにどんな委員会を作りたいか、というところからゆだねることにしました。
この1年間、至らないところがたくさんあると思いますが、そのことへのご指摘も含め、本校職員が子供たちにとって価値ある大人になれるよう、まずは保護者や地域の皆様には信頼を寄せ、後押しをしてくださいますようお願いします。私たちはそれに甘えることなく、力量を高め、明るく強く子供たちの前に立ち、自分が大好きな子、友達や学校が大好きな子に育つよう努力いたします。
また、保護者や地域の皆様も、私たちと共に子供たちがあこがれる大人になるよう、手を携えてよい子を育てるという夢に向かって一緒に進んでまいりましょう。