日常授業の一コマから

2010年5月31日発行 学校便り「ひつじがおか」巻頭言

 今年度は、日常授業に関しては、次のことに特に力を入れようと職員全員で確認しました。
 ○年間のカリキュラムをしっかりと作成すること(先日の参観日には、各学年の教育計画表を配付しました)
 ○小刻みな評価を大事にして、分からないまま先に進むことがないようにすること
 ○学習のルールや学習規律を確立すること
 ○ネームプレートを活用するなどして、一人一人を授業に位置付けること
 ○ノート指導に力を入れること
 ○子供たちがしっかり声を出せるよう、音読や話し方の指導を大事にすること
 ○環境を整備すること(言語環境も含む)
 ○ICT(特に実物投影機)を活用すること
 ○地域の素材や人材を効果的に活用すること
 これらが、少しずつ形を見せつつあります。今回は、「声を出すこと」のエピソードをお知らせします。
 毎日、学校を回って歩きます。授業中の教室に入ると、子供たちが「おはようございます。」「こんにちは。」と明るく挨拶をしてくれます。温かな気持ちになります。
 ある日、4年生の学級に入ると、国語の教科書にある『春のうた』の学習中でした。

 春のうた
                             草野 心平

かえるは冬のあいだは土の中にいて春になると地上にでてきます。
そのはじめての日のうた。

ほっ まぶしいな。
ほっ うれしいな。

みずは つるつる。
かぜは そよそよ。
ケルルン クック。
ああいいにおいだ。
ケルルン クック。

ほっ いぶのふぐりがさいている。
ほっ おおきなくもがうごいてくる。

ケルルン クック。
ケルルン クック。

 すると、担任が、
「あっ、校長先生がいらした。みんなの群読を聞いてもらいましょう。」
と言い、子供たちが「いいよ−!」とリズムに乗って読み始めました。しかし、練習したてだったらしく、途中で止まってしまいました。
 そこで、「もう少し練習をして、また聞かせてね。」と教室を後にしました。 その2日後、朝の交通指導で立っている私に、にこにこ顔の女の子が「校長先生、『春のうた』できました!」と声をかけてくれました。
 そこで、さっそく教室に行き、聞かせてもらいました。担任の手拍子に合わせ、子供たちは生き生きと群読をしてくれました。全員で読むところ、ソロの子が読むところ。強く読むところ、押さえて読むところが実に心地よいリズムで流れます。
 私は、とってもうれしくなって大きな拍手を送りました。
 こうやって、明るい気持ちで声を出すことは、学習内容の理解をたすけるだけでなく、心も身体も健康にし、仲間意識をも育みます。これからも、こういう明るい取り組みを全校で続けていきたいと思っています。

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