学級を回って

2010年10月29日発行 学校便り「ひつじがおか」巻頭言

 私は、毎日数回各学級を回って歩きます。
 それは、日々の学級の様子を把握し、学校経営を小刻みに改善するためです。しかし、それ以上に、子供たちとふれ合えることや担任へのちょっとした手助けができることは、私にとって大きな喜びです。

 教室に入ると、「おはようございます!」と子供たちから挨拶をしてくれる教室が増えました。
 中には人使いの荒い担任もいて「校長先生、この子、通分が今ひとつなのでお願いします!」と、個別指導を任命されてしまうこともあります。私は、張り切って指導します。

 ある学級で、担任が廊下で一人の子を諭していました。そこで、臨時に私が授業を交代。音楽だったので、「今習っている曲(リコーダー)を聴かせてね。」とリクエスト。なかなかきれいに吹けていたので、すぐに校長室に戻ってギターを持ち出し、即興で子供たちとコラボレーションしました。その後、ギターで歌を歌っていると、話し終えた担任と子供も戻ってきて、みんなと一緒に楽しく歌いました。

 またある学級では、「未」と「末」の漢字が黒板に書かれていて、子供たちがしーんとしてノートに練習をしていました。
 「未」では「未完成、未来…」、「末」では「週末、末っ子…」。
 そこで、担任に「この2つの漢字の成り立ちは教えましたか?」と聞きますと、「まだです。」とのこと。そこで、1分だけ時間をもらって指導させてもらいました。

 両方の漢字に共通して入っている漢字は何? そう『木』ですね。この木の上の横棒は、おいしい木の実をあらわしています。でも木の実が小さいうちは、まだまだ食べられません。だから、横棒が短い『未』は『まだ』をあらわしますよ。『未完成』はまだ完成していない、『未来』はまだ来ない…。それで、その木の実がどんどん大きくなりますよ。おいしいうちに採ると良かったんだけれど、採りそこなって大きくなりすぎると、『末』、つまりもうおしまいです。だから『週末』は週の終わり、『末っ子』は、最後に生まれた子となります。

 こんな話を、「な〜るほど!」と顔を輝かせて聴いてもらえると、本当にうれしくなります。
 さあ、また各学級を回って歩きましょう!

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