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「こんな総合を目指したい〜あふれる思いから」
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■ 子供の声から始まる活動
「気をつけ! これから総合の勉強を始めま〜す。」
「は〜じ〜め〜まあ〜す!」なんていう形式的で義務的な声のことではない。
「先生,この間残した問題ね,家で調べてみたら…」こういう実質的で主体的な声。
「先生,今日,こんなもの持ってきた。」
「この間まで,〜だと思っていたけれど,考えが変わった。だから,作戦を変更してもいい?」誰に指示されるでもなく,黙々と取り組みが始まっているというのもいいなあ。その姿から,内面の声が確かに響いてくる。
こういう声からその日の活動を始めたいと,私は思う。
■「みんなに聞いて欲しいことがある。」
「さあ,これから活動したことについて発表しましょう。最初は,誰に言ってもらおうかな?」教師がこう言うと,子供たちがそっと顔を伏せる。いやだなあ,こんなの。
新たな気づきを得た子は,その喜びを必ず誰かに伝えたくなる。
「みんなに聞いて欲しいことがある。」
子供がこう言った時(あるいは,心の中でつぶやいた時),ごく自然に始まる表現活動,発表こそが子供を育てる。そういう表現に,他の子の目や耳も自然に集まり,必然性のある交流が生まれる。
■あふれる思いから
活動も交流も,子供のあふれる思いがあってこそ命をもつ。あふれる思いからの活動や交流は,自然につながりふくらんで,また新たな思い,活動,交流を生み出す。そんな展開をしている時,子供たちの姿には無駄がなく,しかしゆったりとしている。個々がくっきりと存在しながら,互いの思いやりがあり集団としてのエネルギーに満ちている。
私は,そんな総合を目指している。道は遠いけれど。