ミニネタシリーズ 13

 音楽鑑賞は題名を伏せて 【全学年共通・音楽・鑑賞指導】

音楽鑑賞の指導では,「これから聴くのは,アンダーソンという人
が作った『踊る子猫』という曲です。子猫が踊っている様子を感じ
ながら聴きましょう。」などと指導するのが一般的なようです。し
かし,子供の描くイメージはもっともっと広がりがあります。です
から私は題名を伏せて聴かせます。その際は,低学年であれば自分
のイメージを絵に,中学年以上であれば詩画に表現させます。その
多様なイメージの広がりには,いつも驚かされます。

例えば,「踊る子猫」を聴いた1年生は,
・私は広い草原の上を落ち葉に乗ってスイスイと飛び回る。草原に
はきれいな花が咲いていて,ミツバチが挨拶に来る。猫や犬が私を
見上げて…

「ます」を聴いた5年生は,
・広い海をヨットで進む。港を抜けて広い海に出ると,遠くの白い
船の煙が見える。私のヨットに並んでイルカが泳いでいる。気持ち
よさそうに,波の間をジャンプしながら…

などと表現するのです。表現活動には,ある程度の時間がかかりま
す。自分のイメージを表現する子は,必ずといっていいほど曲が終
わると「先生,もう一度かけて」と要求します。結果,何度も聴く
ことになります。

みんなが一通り表現できたら,小さく曲をかけた中でみんなの表現
を見合い,聴き合います。「みんな違って,みんないい」鑑賞会に
なります。

中学年以上なら,一応作曲者名や題名を知らせます。しかし「答え
合わせ」にならないように配慮しなければなりません。
「一応作曲者や,その後の人々はこんな題名をつけたようだけれど,
今みんなが感じた聴き方をこそ大切にして欲しいと思っています。」
というメッセージを添えるのをお忘れなく。

           

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