ミニネタシリーズ 56
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|☆| 余ったテストでマップづくり  【全学年】
             横藤雅人@日本教育ミニネタ研究会
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テストをしたら,採点しますね。
それを,どうしていますか?
点数をエンマ帳に写して返却。これがオーソドックスでしょうか?

他に,
・やり直しをさせて,全員100点に。
・ファイルに閉じさせ,学期末などにまとめて見直し。
など,いろいろな工夫があることと思います。

私は「テストマップ」を作ります。次のようなものです。

【準備】
余ったテスト(あるいはそのコピー)を1枚用意。
それと3色ボールペン1本。
テストは,「100点」「95点から50点」「それ以下」などと
得点で分けておくと作業は速くなります。(分けなくてもできます)

【作業】
(1) 余白に,100点だった子の名前を黒ペンで記入。
  100〜タカシ,キョウコ,シンイチ,トシツグ,…
  この子たちのテストは,これでもう用なしです。
  「おめでとう!」と,横にどけます。
(2) 次に,10〜3,40点止まりだった子のテストを見ます。
  さっき100点の子を書いたテストの設問の場所に,青ペンで
  できた子の名前とコメントを記入。
  例えば,「【2】マサト…はじめてできた!」のように。
(3) 残りは,50〜95点の子たち。
  一人一人の間違えた問題はどこなのかを,設問の場所に記入し
  ます。
  【4】ナナコ,カズオ,ミキオ,サトミ…
  【6】ナオキ,コズエ,ヒトミ,ナナコ,…
  その際,気づいた傾向などがあれば,これもコメントを小さく
  メモをしておくと良いでしょう。

ここまでで作業は終了。30人前後ですと,通常5分で出来ます。

【活用】
この作業によって,余ったテスト1枚の上に,子供の間違いの分布
マップが完成します。
「おや,【6】の問題は,ずいぶんと間違いが多いぞ。これは,似
た設問で,少し全体のドリルをしよう。」
「【2】を間違えたのは4人だけか。でも,いつもは成績のふるわ
ないマサトが正解している。よくやったなあ!みんなの前で紹介し
てやろう」
「ナナコは,記号問題には強いけれど,記述は弱いなあ。少しノー
ト指導に力を入れよう。」
などと,このマップからいろいろな対策を考え出すことができます。

このテストマップは,綴じ込んでおきましょう。

懇談の際には,何枚かのマップを連続して見ておくことで,
「最初は,『どうしてですか?』という設問に対していつも『〜か
ら』という大事な言葉を抜かしていたんですが,テストの3枚目か
らは確実にそういうところも書けるようになりましたよ。」
などという具体的な話もできるようになります。
(ただし,他の子の名前などを特定の保護者や他の子に見せること
がないようにご注意を!)

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