推手(と内功)をめぐって・2

本当に,私には太極拳の神様がついているのではないかと思います。2002年夏,またまた,推手と内功を教わる機会が次々に4回も降ってわきました。


まず,6月。北京に在住のkurenyanさんからにメールをいただきました。kurenyanさんは,北京で馮志強老師に学ばれている日本人の方です。何通かメールをやりとりしているうちに,私が東京に出かける際,落ち合って内功法をご指導いただけるということになりました。
そこで,ちょうど7月の同じ時期に東京に行っていた函館のSさんと一緒に,夢の島体育館へと行きました。

そこで,教えていただいたのは馮志強老師が創始した,心意混元太極功です。以前,やはり馮先生のお弟子さんから教わったものと,微妙に違ってはいましたが,今回は通訳を通さなくても良い分,細かいところまで質問をさせていただき,かなり理解が進みました。そして,何よりもやっていてとても気持ちが良かった!身体の中がきれいになったような気がしました。

内功だけでなく,推手も教えていただきました。やはり,まだゆるまない私の身体は,kurenyanさんに易々と崩されてばかりいましたが,数度だけフッと肘や肩から力が抜けて,身体の奥(丹田)から自然にかわし,反撃する動きが(少しですが)出たのにはびっくりしました。直前に内功をしていたせいだと思います。

その後,場所を変えて,またKさんのお弟子さん2人を加えて飲みました。酔うほどに話がはずみ,楽しいひとときでした。
太極拳をしている人は,年代差や住んでいる地域を飛び越えて,すぐに仲良くなれるということを,また強く感じました。

kurenyanさんのサイトは, http://www.geocities.co.jp/Athlete-Crete/4193/ (明珠庵)です。 ここには,内功のことがとても詳しく解説されています。オススメです。


次に,やはり7月,古武術を研究されている松聲館の甲野善紀氏の恵比寿稽古会に参加できたことです。たまたまネット上で知り合いの小学校教師の方が,この稽古会に参加していて,誘っていただいたのです。井桁の原理で,真剣を信じられないはやさ(単なるスピードでなく)で切り返すところを目の当たりにし,びっくりしました。別の方に,ナンバ歩きを教えて頂いたりもしました。(太極拳の原理に近い!)

そして,とても幸運だったのは,稽古が終わってから,新顔の私を見て甲野先生が「中国武術ですね?少し私と推手をしましょう。」と声をかけてくださったことです。約10分以上にわたって,手を合わせていただきました。びっくりしたのは,私が推しこんで,甲野先生の上半身が後ろに倒れたかに見えるところから,甲野先生が「で,こうなってもね…」と言いながら,腰をゆるやかに組み替えて(井桁の原理?)推し返してこられたことです。
以前,札幌でのYさんの講習でも,「推手は形ではなく,あくまでも身体内部が崩れているかどうか」と教わりましたが,古武術でも同じことのようです。


東京体育館での全国大会の合間に,通路で大分のHさんと手を合わせていただいたことも忘れられません。Hさんは,空手もされている方で(3段です),陳式,楊式,孫式,総合,形意拳と幅広く活躍されていらっしゃいます。一緒に昼食もとりながら,2日間にわたって,やはり内功法から「重い推手」まで教えていただきました。

腰を低くしての平円単推手で,崩し合いをしました。ある時は軽く,ある時は重く,またある時はスピーディに,あるときはゆったりと手を合わせていただき,噴き出す汗もとても心地よかったです。

さらに,私もかつて空手をしていましたので,太極拳と空手の違いや練習方法などについてもいろいろと話が弾みました。今年私は総合太極拳に出場しましたが,その中の発勁動作が,どうも空手風になってしまいます。その話をしましたら,内蔵をゆるめ,下腹部からねじこむように上半身と腕のテンシを生み出していく内功法を教えてくださいました。そのときはしてみても,ついつい肩が動いてしまいました。その後,ホテルに戻っても,また札幌に戻ってきてからも繰り返していますと,このごろ少し肩が動かなくなってきたように感じています。Hさんのおかげと感謝しています。


最後は,気功修業者のSさんです。Sさんは,太極拳はほとんどされないそうで,中国で気功を習ってきたそうです。一緒にスワイショウを楽しみました。手を前後に振るスワイショウでしたが,これまで私はせいぜい20分もするとやめていましたが,何とSさんは,30分を過ぎてもやめようとはしません。目を閉じてとても気持ちよさそうです。仕方がないので,私もおつき合いしていましたら,40分を過ぎた頃,フッと背中の下の方が軽くなっていくのがわかりました。

タントウにしても,つい気持ちが急いて,「15分立ったからいいかな」とやめてしまいがちな私ですが,Sさんの悠々とした,そして気持ちよさそうな気功の姿を見て,心のありようを考え直さなくてはと感じました。


このように,思いもかけず貴重な機会が連続して訪れた夏でした。ありがたいことです。

  太極拳のページへ  トップページへ