ペルーの旅2日目(11月20日=月)

リマには20日朝7時前ごろ到着。時差はマイアミと同じ、日本と14時間。この時、日本は20日21時ごろだから、丸1日飛行機に乗りつづけていたわけで、さすがに疲労が募る。しかし、飛行機はここでひとまず終わりと言うわけではない。私の立てた計画では、この日朝、そのまま、ナスカの地上絵を見る飛行機ツアーに飛び立つことになっているのだ。これに遅れてしまうと、日本で予約した代金の4万円がパー。飛行機の遅れに気をもんでいたのは、実はこういう予定になっていたから。何としても間に合ってもらわねばならなかったのだ。

リマの気温は、日本だと4月のようだった。赤道に近く、これから夏に向かうだけにもっと暑いのかとも思っていたが、半袖でいるとちょっと寒いという感じだった。

ナスカへの飛行ツアーの出発は9時30分。飛行機の遅れでやきもきしたけれども、それでも2時間の余裕があり、ツアーのチェックインは1番。リコンファームをしていなかったが大丈夫。安心して空港でコーヒーをいただく。やっと普通のコーヒーを飲めたという感じ。さて、ツアーは東京のOL2人組と、シカゴから来たという上品そうな老婦人2人組、アメリカ青年の計6人。セスナ機に乗り込み、ナスカへと向かう。ナスカはリマから400キロ以上離れているというから、日本の新幹線にたとえれば東京−米原間に相当する。飛行時間はおよそ1時間、まずイカに着陸。日中になってきたせいかも知れないが、リマよりは暑いか。ここで、博物館のような観光施設に連れてこられて、英語と日本語を操るオヤジの説明を聞き、ビデオを見せられる。その後は、そこで飼っているコンドルの子ども=写真=を見せてもらう。かわいらしいといえばかわいらしいが、首のあの毛の丸い付きかたはやはりなんか変。中をのぞいてみたいような気もしたが。

 

別のセスナに乗り込み、いよいよ地上絵見学。乗り込む時に先を譲っていたら、一人だけ窓際に座れなくなった。まあ仕方あるまい。イカからナスカまでは150キロ、飛行時間は地上絵上空も含めて、約45分らしい。街を飛び立つと、しばらくは一面白っぽい砂漠の大地に、道が数本さらに白い線として見えるのみ=写真(わざと白く加工してあるわけではありません)。やがて地上絵上空。まず<宇宙飛行士>。といわれても、最初は一体どこにあるのかよほど注意してみないと分からない。予想ほどは大きくないし、そんなにくっきり見えるわけでもない。たとえていえば、よく子どものころにやった、石にくぎで引っ掻き傷をつけたようなあんな感じの白い線が大地に見えるだけ。ほかにも無規則な線はいっぱいあるから、それらの中から探しださなければならない。飛行機は、<手><オウム><クモ>などの上を次々と飛んでいく。「最初は右側の窓の人」急旋回して「じゃあ今度は左側の窓の人の番ね」といった感じで、かなりの曲芸飛行。東京のOLのうちひとりは、酔ってしまった感じでハンカチを口に当てだした。私も事前にそう聞いていたため酔い止めの薬を飲んでいたが、そうでなければちょっと危なかったかもしれない。そんなに乗り物酔いする方ではないんだけどね。地上の絵は、一般によく知られている<コンドル><サル>、そして<ハチドリ>。これらになると模様の密度も濃いため、見つけるのも比較的簡単。しかし、素人が窓ガラス越しに写真を撮るのは、光の反射もあるので相当難しいことに思われる。というわけで、何枚か試みはしましたが、ここでの写真のアップはありません。申し訳ございません。飛行機は、「もう一度ハチドリの上を飛んでくれ」とのアメリカ人青年の要望に応えてから引き返した。

着陸後は、レストランで食事。私は魚料理とビールをいただく。おいしかった。酔ったOLは元気を回復したものの、まだ食欲はない感じで、スープを注文しただけだった。その後、街の博物館みたいなところを見学、再びセスナに乗ってリマに戻った。

リマの空港では、自称観光ガイドあるいはタクシー運転手らの攻勢にさらされる。朝ついた時も「これからナスカに行くからいい」と言っているのに随分付きまとわれた。空港の建物を出たところで、タクシーを拾う。予約してあるミラフローレス地区のホテルまで料金交渉。ガイドブックに書いてある最低料金の7ドルで行ってくれるというので乗り込む。走り出すと運転手は、日本のどこから来た、何歳だ、と結構おしゃべり。街の景色を見ていたいのに、そのうち、あっちのホテルはどうだ、こっちは豪華で安いぞ、とか言い出した。言った通りのホテルに行ってくれればいい、と若干気色ばんだ口調で断るとそのあとは一転沈黙。そんなにわかりやすい態度を取られてもねえ。若干強い口調で言いすぎたかなあとも思い、ホテルに着いてチップを1ドルだけ。基本的にペルーではチップは不要と書いてあったけど。

ホテルでは、やっとふろに入れてのんびり。食欲は、機内食の連続の影響もあり、それほどでも。それよりもここまでの長旅の疲れをとにかく癒したくて、すぐベッドに入る。

 

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