ペルーの旅3日目(11月21日=火)

未明3時ごろ起床。パンとコーヒー、牛乳だけではあったが朝食をいただき、タクシーを呼んでもらって空港に。いくらか尋ねてもスペイン語で答えられると分からんし、要領を得ないので、早朝ということで確か40ソル(約12ドル)渡したら、運転手は結構喜んでいた。朝6時の飛行機でインカの古都クスコへ。窓の外、アンデスの峰峰が朝日に輝いて見えるのはなかなか壮観。果たしてこんなに高い山の間に町があるのかなという感じ。ガイドブックによると標高3360メートル。

飛行は1時間。空港にある旅行会社の窓口に。クスコならびに周辺の観光地の共通チケットBolletosを買うためだ。窓口にいたのは中年(というとちょっと失礼か。30−40歳代と思われるが、外国の人の年齢はよう分からん)のケバイ女性。町の中にある唯一のチケット売り場に、タクシーで連れていかれる。チケットさえ手に入ればあとは日本語が通じる旅行会社にでも行こうと思っていたのだが、その女性はなおも別のところへ私を連れていく。裏通りのホテル。「どうせクスコに何泊かするんだろうし、マチュピチュに行くんだろう。だったらうちで手配してあげるから申し込みなよ」というわけだ。彼女の名前はリリアナ。この旅、これ以降の宿などの手配はすべて彼女の差配に委ねることになる。

ホテルでコカ茶をいただく。コカの葉がそのままグラスに入った大胆なお茶。昨日のOL2人組は「おいしいね」と言っていたが、私の感想は葉っぱをかじる毛虫になった感じ。緑臭くて閉口。自分から金を出して飲むことは今後絶対ありえないと思った。ホテルの部屋は、1泊48ドル。フロントのにいチャンは「ストーブも完備しているのでいいよ」と売り込む。ということは、夜はそんなに冷えるのか? シャワーだけなのが物足りないが、清潔そうであったので、即決定。翌日のマチュピチュ行きのツアーも予約する。

10ドルチケットは、半日のクスコ近郊観光か、ほぼ一日のクスコ市内ならびに郊外観光かを選べる。午後からの半日観光を選び、午前中はチケットで入れる残りの観光地をひとつでも多く巡ろうと、町中を歩き回る。カテドラル(大聖堂)の建つアルマス広場から坂道を上り、宗教芸術博物館。かみそりの刃も通さないという12角の石というのは良く分からなかった。更に坂道を上りサン・ブラス教会へ。広場に戻りラ・メルセー教会・修道院、サンタ・カタリナ博物館。何か宗教画がたくさんあったなあ、という印象。カテドラルの西側をまた上り、考古学博物館へ(これはチケット外)。更に中心から少し東に離れたサント・ドミンゴ教会に行くが、これは「午後からの半日ツアーの対象になっているので、またおいでなさい」ということだった。町は狭いが、坂が多く、また、暑くなってきたので結構疲れる。昨日の昼食から余り食べてないので、おなかも空いてきた。カテドラルの西横のレストランで、トマトスープ(けっこう濃厚)とミートソースパスタをいただく=写真はカテドラル前の広場。

午後からのツアーでは、外国人十数人に日本人ただひとり。英語のガイドがつくが、例によって何を言っているのか分からず、ガイドブックが頼り。カテドラルの内部、サント・ドミンゴ教会、そして郊外に出てサクサイワマン=写真、ケンコー、タンボマチャイの各遺跡。何か岩がいっぱいあったなあ、という感じ。風が異常に強く、岩に上るとすごく寒かった。最後、タンボマチャイなどは夕闇も迫ってきたしバスの外に出るのもおっくうという感じだった。郊外から帰ってくる時は、行く時はそれほど気がつかなかったが、結構高低差があり、カーブの多い道で、後ろの席の若いにいちゃんは完全に酔ったらしく大胆にもバスの窓を開けてゲロ出し。道を歩いている人にかからなかったかしらん。私もなんだか胸がむかむかしてきた。

ホテルに帰ると、なんだか頭が痛くなってきた。バスに酔ったというのとはまた違う。ガンガンするとかいうのではなく、鈍痛。あたまの首すぐ上から脊髄にかけて異物が通っているという感じ。食欲もない。リリアナからあさって以降のプランの提案があったが、もうどうにでもしてよ、と考える気力もなくなってきて適当に答える。これが高山病か。午前中安静にしていればよかったのに、張り切って歩き回ったのがどうやらよくなかったようだ。気分転換にシャワーを浴びてみるが、なかなか湯は出ず、ブルブル震えたまま。ガイドブックによれば、睡眠をとって呼吸のペースが落ちてしまうよりも、起きて普通に座っている方が回復にはいいように書いてあるが、頭が重くて気分的には横にならないわけには行かない。眠りは浅い。真夜中、気分が悪くて目がさめ、ついに戻してしまう。きたない話で申し訳ないが、昼の食事が全然消化されないまま。消化機能が全然働いていなかったようだ。最悪。

 

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