堆肥と厩堆肥の違いについて考える
一般的な誤解として堆肥と厩(きゅう)堆肥(牛糞・豚糞・鶏糞堆肥等)を同一視しております。
どちらも土壌改良材、バクテリア資材(菌体肥料)として使われているが、土壌改良効果も有用バクテリアの多さでも、堆肥に勝るものはありません。
厩堆肥はバクテリア資材としては糸状菌が多く、かえって土壌を劣化させるし、病菌を持ち込むので、連用するといや地現象を起し、土壌消毒をしなければならなくなります。
厩堆肥は、化成肥料の入手が困難な時代に、安価で養分を供給する事が出来ると云う考えで造られたもので、熟成期間が短く(1年以内)、窒素などを出来るだけ多く残す様なつくり方をしたものであります。
一方完熟堆肥は、高温(60〜80℃)で且つ熟成期間が長く(3年以上長い程良い)、窒素を出来るだけ飛ばして、大気中からのバクテリアを多く取り込む考えから、切り返しを多く(完熟まで20回以上)すると云う方法で製造しております。
従って完熟堆肥は養分は少ないが、土壌改良とバクテリアの補給及び微量要素の供給をすると云う事では最高の製品です。
バクテリアは糸状菌と細菌から成り、糸状菌は病原菌の因になりやすく、細菌は主に放線菌が多く、土壌中の糸状菌を溶菌する働きがあります。放線菌を増殖させるためには、切り返しを多くして大気中のバクテリアを取り込む事と、キトサン(カニ殻)を加える事で達成出来ます。
特に放線菌は、フザリウム菌やリゾクトニア菌を溶菌しますので、連作障害を緩和します。従って地力を維持するためには、10a当り毎年1t以上の完熟堆肥を投入しておりますと、土壌消毒なしで連作障害をなくすことが出来る様になります。完熟堆肥1tは未熟堆肥5tに相当しますが、未熟堆肥は多く入れると堆肥の効果はなく、むしろ土を悪くしますので、未熟堆肥は使わない方が土壌のためには良いのです。



(イ)土壌改良効果が期待出来る。厩堆肥は土壌改良効果は少なくむしろ害になります。

(ロ)有効バクテリアの補給に最適。糸状菌の多い堆肥は完熟堆肥ではない。農業の基本は土作りにあり、それには完熟堆肥しかありません。

(ハ)完熟堆肥を使用すると、有効バクテリアによって根株やサッチを分解し、土壌病菌の比率を低下させ、敢えて土壌消毒は必要としない。

(ニ)完熟堆肥の養分としては天然の微量要素補給と保肥力を高めることだと考えれば良い。

(ホ)有効バクテリアは、土壌中の有機物(根株・枯死根など)を分解したり、光合成細菌や窒素固定菌が増殖して地力向上に役立つ。

(へ)土壌施用後農作物に障害を与えないようなものが完熟堆肥と云える。完熟堆肥は
多く入れる程良い結果が出るものでなければならない。

(ト)完熟堆肥は施用効果が短期間(1作毎に)で判明されるものでなければならない。
連続的に使用すると地力が向上し、病虫害の被害も少なくなる。

鹿沼化成工業株式会社
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