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9/6 Thu. 続・勇気を出して ---オストログ修道院編 [2] |
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礼拝堂をあとにして復路側を進むと、右手に入口があった。修道院の本館ともいえる、はるか下方から仰ぎ見た建物内部に通じる口だ。ここから内階段を上がると、もうひとつの教会へ行くことができる。その聖十字架教会は、さきほどの聖ワシリエの礼拝堂よりさらに100年以上古く、1665年につくられたという。凹凸のある洞窟の壁面にフレスコ画が描かれ、殉教者の腕などといった宝物が置かれているのだが、中は撮影禁止だ。
外階段に戻って、さらに下る。途中、また別の部屋へ通じる口があった。皆さん入っていくようなので立ち寄ってみると、中では誰もが備え付けの用紙に何かを記入して提出している。まとめて祈祷でも捧げてもらえるのだろうか。あるいは巡礼の証明書でも発行されるとか? 結局、訳が分からないまま外に出た。
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外階段にも聖画 |
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パーキング近くの教会 |
すでに1時近い。帰りは下りだから休憩なしにサッサと歩き、20分ほどで車を停めたあたりに到着。
そばにあるSt Stanko the Martyr教会 (Crkva Sv Mucenika Stanka) も見学した。
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グレーの太線は車道。写真ではよく分からないが、徒歩道はうっすらと細い線で描かれている。 |
こちらは外観も内装も比較的新しく、特筆するものはなかったように思う。
右マップの、この教会と思しき位置に赤丸をつけてみた。ただし、いかんせん表記がキリル文字だけだから、真偽のほどは不明・・・。
少し右奥に進めばオストログ修道院の下院もあるようだ。でも上院ほど見応えはないかな~と勝手に推察し、パスすることにした。
というのも、一段下、観光バスが駐まっているパーキング周辺には、巡礼者目当ての土産物屋が並んでいて、すでに私の興味はそちらに移っていたのだ (笑)。
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土産物屋の店頭 |
2軒まわって、絵葉書や、聖ワシリエのイコンをプリントしたカード、それに会社の同僚たちにと、いくつかブレスレットを購入した。
ブレスレットといっても、それはこちらの勝手な用途であって、本来は数珠の類だろう。カラフルなプラスチック製ビーズをゴムに通した安っぽいものなのだが、間にひとつ聖母子像の十字架が組み込んである。
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ブレスレット風数珠 |
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レストランが2軒並ぶ |
その後、向かいにあった食堂へ。
外の席につくと、服装も動作も表情も・・・純朴を絵に描いたようなウエイトレスが出てきた。
英語で 「何か食べるものはある?」 と聞いたが通じない。アクションを交えてイタリア語で言ってもダメ。通じないのか食事はできないのか・・・。
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カーヴァ (トルコ式) |
さほど空腹でもなかったから、食べ物は諦めることにした。
「カフェ、カーヴァ」
こういう時はヘタに他の言葉を付け加えないに限る。
「ネスカフェ?」
「ネ (No)、エスプレッソ」
なんとか通じて、コーヒーにはありつけた。トルコ風の粉が沈澱するタイプのコーヒーは、なんと0.25ユーロ。安っ!
コーヒーを一口飲んで、ホッと一息ついたときだ。斜め前の席にいた老人が歌い出した。どうやら数珠をくりながら、連れの若い女性に聴かせているらしい。ちょっとエキゾチックな "御詠歌 (巡礼歌)" といったところだろうか。録音しようと、あわててデジカメを動画モードに切り替えた。
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↑上の画像をクリックすると、動画が開きます。遠くからの録音なので、状態は良くありません。ボリュームを最大にすれば、かろうじて老人の歌声が聴けるかも・・・。 |
カメラを止めてからは歌声をBGMにまったり。気がつくと時刻は2時を大きくまわっていた。
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14:24 来た道を引き返す途中 |
本日の最終目的地まであと100km強はあるはずだ。ざっと見積もって2時間半。でも3時間半はみておくべき? それに明るいうちに到着したいのはもちろんのこと、夕暮れが迫ると焦りそうだ。ということで、到着目標は夕方6時。逆算すると2時半にはここを出なくちゃいけないわ!
大急ぎで車に戻り、さあ、ふたたび出発だ!