■9/12〜13 チンクエテッレ→ジェノバ 2泊
起きたら珍しく雨だったがチェックアウトの頃には止んだ。スーツケースをガラガラ引いて駅へ向かう。駅前には到着時に乗ったかわいいミゼットのタクシーが2〜3台、客待ちしていた。
ジェノバまでの所要時間は列車によって違う。私たちは約1時間20分で東のブリニョーレ駅に着いた。それほど大きくはない (田舎から戻った目には大きい) が風格のある駅だ。

9/12 ジェノバ市街 

見所は徒歩圏内だから西のプリンチペ駅近くのホテルを出て東南へ歩くことにした。

海洋王国として地中海に君臨したジェノバは質実剛健という言葉がぴったりする。バルビ通りは特に重厚で威圧的だ。
その中ほどにある18世紀のバルビ家の王宮は2階の一部が美術館になっていて豪華なパラッツォだったことが偲ばれる。テラスからイタリア最大の港を眺めるとクレーン、倉庫、高速道路‥‥ここがイタリア?って思う。
学生が颯爽と入っていく大学宮殿をのぞきこみ、カイローリ通りを経てパラッツォが13も並ぶガリバルディー通りへ。多くは市庁舎、商工会議所、銀行として使われている。



サン・マッテオ教会→
赤の宮殿(1677)、白の宮殿(1548/再建1712) は美術館だが午前中だけなので (午後だけのこともあるからとりあえずチェック。インフォメーションやホテルで聞くより確実だ) 中庭まで入れるドーリア宮(1507) などを見た。
ちょうど両替したかったから、広場のカフェでパニーニを食べながら昼休みが終わるのを待ってナポリ銀行 (カンビアーソ宮/1560) に入ってみた。銀行になってからも長いようで期待を裏切らないシックな内装だった。

←ナポリ銀行のエントランス


街の中心フェッラーリ広場ドゥカーレ宮殿 (旧・総督公邸)、ロマネスク・ゴシックのサン・マッテオ教会 (華麗さを競いあう12〜15世紀のドーリア家の宮殿に囲まれている) などを見ながらサン・ロレンツォ教会(Duomo) へ。正面のモザイク装飾がそれは見事!

それにしてもこの街は日本人どころか観光客が少ない。横道に入っていくと観光客が二人、小さな教会から出てきたので入ってみた。1冊のガイドブックだけに出ていたサンタ・キアラ教会だと思う。ドームのフレスコ画も壁の絵画も思いのほか素晴らしかった。しばらく周辺を散策していたら、いい感じのトラットリアが開店準備中‥‥もう1日あったら此処に来ただろう。
それからソプラーナ門をくぐる。通りまで出てしまい、戻ってくると井戸端会議(?)中のオジサンたちが 「そこ、そこ」 と教えてくれた。コロンブスの生家は門の掃除置き場と見まがうほど意外な場所にあった。そばに11世紀の回廊もある。

夕方はフェッラーリ広場から東の九月二十日通りでショッピング。ブルーノ・マリ、マックス・マーラはあったが他のブランドはどうだったかな。街並みが培ったセンスなのか、ジェノバ市民は渋好みだ。カジュアルな店でカーディガンを買った。ミラノで着よう!


9/13  ジェノバ市街とペグーリ 

きれいな庭があるというプリンチペ駅の西南のヴィラ、ドリア・プリンチペ宮殿を探していたら小高いところの巨大なオンボロ屋敷が気になった。地図にないけど何? 坂を上って裏に回ったら、映画のセットみたいに何もない。この街はパラッツォやヴィラが腐るほどあると思ったがホントに腐っている(?) とは。そのあと見つかったプリンチペ宮殿は工事中だったので外から庭をのぞいた。
それからタクシーでガリバルディー通りへ直行。昨日入れなかった白の宮殿、赤の宮殿を見学。
ビアンコのほうは2階の庭が、ロッソのほうは騙し絵の廊下がステキ! ルーベンス、ヴァン・ダイク、カラヴァッジョ、F・リッピなどの絵がある。フランドル絵画は気のせいかベルギーの空気で見るのと印象が違う。市庁舎 (トゥルシ宮/1575) も中庭まで入った。さすがにここは壁も塗りかえてある。

午後はペグーリのパラヴィツィーニ庭園へ行くのだ。出発直前に荒俣宏氏・著の 「ヨーロッパ・ホラー紀行ガイド」 で知った奥の深〜い庭だ。場所や行き方はジェノバに着いてから調べた。プリンチペ駅の片隅、ちょっと離れたホームから西へ向かう通勤電車(?) に乗る。
ペグーリは高級ベッドタウンといった佇まいの町。入口がわからず閑静な住宅街や海沿いをウロウロしてしまった。駅のすぐ横の建物で入場券を買ってから線路を越えるのだが、広大な敷地と思っていたので最初から意表をつかれた。荒俣氏が 「天国と地獄に通じる庭園」 と称するここは広大な敷地を順番に歩いていくと人生劇場を体験できるというもの。グロテスクではない。詳細は本でどうぞ。ただし本に書かれている全てが公開されてはいない。


【 食事 】 

初日の夕食は軽くしたかった。で、さんざん歩き回っても気に入った店がなくて友人はご機嫌ナナメ。あきらめて駅のそばのカフェテリアで妥協したので私もガッカリ。あー、ちゃんとトラットリアへ行けば良かった。

2日目の昼はバルビ通りにあるテイクアウトの店で焼きたてのファリナータ (ピザの台のような形) を2種類と缶紅茶を買ってホテルで食べた。
夜はトラットリアDa Genioに行った。どのガイドブックにも出ているジェノバ郷土料理の店で、客は地元の人ばかりだった。そもそもジェノバは観光客をあてになんかしていないのだ。リングイネのジェノベーゼソース、フンギのソテー、干鱈の煮込み(ジェノバ名物) にワイン、お腹がいっぱいなのでソルベットとカフェ。評判通り美味しかった。
ジェノバ一だろうゼッフィリーノはシェフのベローニ氏がたまに来日してくれるから、このDa Genioはオススメ!


【 ホテル 】 

Agnello d’Oro★★★
17世紀の建物。地下の部屋と、窓から壁のはげた建物群や海が見える部屋とを見せてもらって上の部屋にした。ご主人もお嬢さんも親切だしジェノバのボロ・アパートって感じで私は好きだ。1泊ツイン14万リラ。

   住所:Vico delle Monachette 6,16126 Genova  TEL:(010)262084  FAX:(010)561124


■9/14 ジェノバ→ミラノ 1泊

9:22発の列車でリグーリアをあとにする。
ミラノ 10:50着。あとはお買い物!



■9/15〜16 ミラノ→成田 機内泊



忙しい日本人の私としてはこんなハードな日程でもけっこうリゾートした気分でした。でも、
あれも見たかった、食べたかったという心残りはいつものことです。1ヶ月ぐらいは居たいですよね‥‥。


<おわり>



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  ちょこっと立ち寄りました。
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Ufak Ev


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