2004年04月前半の日々の雑記

2004.04.01.(木)
■雑想
 
 今日はエイプリルフールなんで、僕も一つ嘘をついておきます。

 「『実は僕はパンダではない』…この文は嘘である」

●3月の読了
 5冊でした。先月が6冊。ギリギリ週一ペースは保ってるけど、問題は今月はこの他に専門書等も全然読まなかったということ。やっぱ卒業、引っ越しはかなり時間を食ったということで言い訳。未読購入本を全部消化して新生活を迎えるという計画だったんだけど、見事に撃沈。まだ15冊くらいあるよー。この調子ではいつになったら「マリア様がみてる」シリーズに入れることか。つー感じで最近の読了は↓の三田誠広『愛って何』
 
■三田誠広『三田誠広女性対談 愛って何』/河出書房新社
 
 「も…もう一度教えてくれ 鳳…愛とは…愛とは何だ?」

 無償のやさしさではないか…

 とりあえずビートエックスの名場面を引用ー。ビートエックスで扱った愛はかなり広い人類愛みたいなものでしたが、この対談集で扱ってる愛はもう少し小さな男女の愛、恋愛ですな。

 別に僕が愛について困ってるとか悩んでるとかいうことはないんだけど、とりあえず三田誠広は本全部読もうと決めてかかってる作家なので読破。つーか刊行昭和53年って古いな。僕生まれてないし

 対談相手は尾崎亜美、五輪真弓、落合恵子、高橋靖子、中島梓、三田夫人の6人。わ、分らない……尾崎亜美と五輪真弓くらいしか。それぞれの人との恋愛談義なんですけど、まあ恋愛観なんて一番人それぞれでイイ部分だと思うんでホント様々。そんな中でやっぱし興味あるのは三田誠広の言動でしょうか。イデアの愛を信じてるみたいな発言をしています。高校の倫理の授業くらいで出てくると思いますけど、イデアっつーのはプラトンという大昔の哲学者が言っていた観念的な理想世界のことですな。そんな、現実には無いような愛。コレは分る気がする。刊行当時はまだ『いちご同盟』は書いてないと思うんだけど、アレに出てくる良一と直美の愛なんかはそんな感じがする。恋愛にも至ってないような愛なんだけど、アレには幼くともどこか観念的な愛が描かれていたように思う。三田誠広は埴谷雄高が大好きなんで、その方向の愛の形を押し進めていくと『死霊』の三輪与志と津田安寿子の抽象恋愛になるんじゃないかとちょっと思った。現実はともかく、文学で描く愛としては、そういうの、イイんじゃないかと思う。ブッチャけた言葉で言えばスーパーピュアな愛。そういうのもイイ。そのあたり、三田誠広、奥さんとの恋愛は本当かどうかかなりピュアに語ってます。これは『高校時代』という三田誠広の私小説を読むと良く分るんですが、普通のようでどこか物語的な恋愛譚があった模様です。
 

2004.04.02.(金)
■雑想
 
 本日購入。

 和月伸宏『武装錬金』2巻

 やっぱ斗貴子さんはイイなー。

●新年度です
 新社会人の皆さんは元気でしょうか。フライング5月病でしょうか。僕も、そろそろギア入れていかねばな。
 
■和月伸宏『武装錬金』2巻/WJコミック
 
 背表紙パピヨンなのかよ!1巻が主人公(カズキ)は当然として、普通2巻はヒロイン(斗貴子さん)だろ!敢えてパピヨン!のっけから雄度が高いゼこの2巻。

 もう、なんつーか、全2巻完結でも十分名作ですぜ、コレは?

 何度も言ってるんだけど本巻収録のラスト3話、「黒く 熱く 甘く」、「黒死の蝶」、「FADE TO BLACK」が最高。ラストの、結局全員救済の理想が貫けなかったカズキに残る「せめて斗貴子さんだけは…」という願い→その願いを繋ぐタイミングで現れるブラボー→フィナーレの夜明けのシーン…の流れは感涙モノ。イヤ、この辺りはもう余り語らないでおこう。WJ感想とかこことかで大分語ってるし。やっぱ単行本で特筆すべきは相変わらず面白い作者書き下ろしコメントかなー。

●鷲尾〜蝶野戦の流れの変更

 当初は鷲尾戦からそのまま蝶野戦に向かい、全てが終わってまひろらの下に帰ったカズキは戦士の顔に…みたいな流れだったらしいんだけど、それを鷲尾戦の不評を受けて変更したとのこと。不評の原因を「読者はまだカズキ達に日常を離れて欲しくないのでは?」と作者と担当編集でセルフ分析したとのことなんだけど、それはまったくその通りだと思う。連載開始当初WJ感想で書いたような気がするんだけど、僕が武装錬金好きなのは魅力的な日常守り型物語だからって点が大きいんで。この時の軌道修正が今も効いてるのか、現在連載は最終決戦前にカズキに戦士の顔が見えてくるんだけど、それでも日常に帰還する約束を胸に闘いにおもむくという流れになっている。日常から遊離していかない展開、それがイイのだと思う。2巻当初の話のレベルでカズキが戦士となって旅立ち、バトルでGOのWJ漫画展開だったらここまで好きにはならなかったと思う。ホント軌道修正してくれて良かった。コレ、当初の予定通り行ったら最高のラスト3話が変わってたってことでしょ?まひろら日常の友人の励ましで立ち上がるカズキと誰にも認識されなかった蝶野の対比とかも描かれなかったってことでしょ?良かったー。コレは技ありの軌道修正だと思う。

「蝶野、パンツ一丁で覚醒(中略)流石にコレはマズいかなと黒崎先生に相談。すると『面白いと思ったコトは全てやるべし!』と非常に漢らしいアドバイス。この一言でパピヨンが完成したと言っても過言ではありません」

 イヤ、黒崎先生女性だから…というか黒崎先生!あなたか!パピヨンをあんなにしたのは!なんてグッジョブなんだ!

「(鷲尾の)翼が二の腕から生えているのは、いわゆる天使状態のデザインが死ぬほどキライだから。女の子に白鳥の羽根などはホンットにもう・・・。“醜の中にある美”もしくは“美の中にある醜”こそが異形の魅力なのでは?」

 ワツキのこうげき!ヤブキは999のダメージをうけた!ヤブキはしんでしまった!

 なんか他にも言いたいことありそうですが。なんで信念があるハズなのに第1話で思いっきり人銃殺してんの?とか、つーか俺の漫画の設定パク……とか。
 今週号では掲載位置下からツートップで争ってますからな。結構デットヒートしてるのかも。もちろん和月氏を応援していますが。ついにアンケートも出したし。ゲームボーイアドバンスSP狙いで。

 あとは本編では鷲尾戦のカズキの台詞かなぁ。

 「だけどオレも蝶野も人間なんだ だから 死んでもやっちゃいけないコトと 死んでもやらなきゃいけないコトが あるんだ!!」

 このシーンが連載当初も今もかなり好き。この台詞がある種の正しさを秘めた蝶野にカズキが敵対するバックボーンになってると思う。正しいも悪いも人それぞれ感が漂う世の中ですが、それでも共有しなけりゃならないやっちゃいけないことはやっぱある。よく言った和月氏。ブラボーだ。
 

2004.04.03.(土)
■雑想
 
 胃がもたれてます。あー、ツライ。

●対戦ぱずるだま
 ぷよぷよの3つで消えるバージョンみたいな落ちモノパズルゲーム。まったく初プレイでしたが7面くらいまで行けました。R.P.G以外のゲームだと僕はストUからの格闘ゲーム世代ですが、個人的なゲーム史では落ちモノパズルゲームの比重がデカイです。ドクターマリオ、テトリス、ぷよぷよとか、そのあたり。今日はこのゲームで、久々に先の方まで計算して連鎖を積み上げる快感を思い出しました。この感覚イイな。家庭用ゲーム機でも何か買ってしまおうか。ぷよぷよとか、今どうなってるんだろう。そんなに大きな投資をせずとも手に入りそう。ばよえーん。

 ゲーセンなんぞも行きましたし、今日は一日遊びほうけてました。少々自分に罪悪感。もう、院始まる前に自部屋の整理完了するの無理っぽいし。  
 

2004.04.04.(日)
■第11話「各々の居場所」/仮面ライダー剣(ブレイド)感想
 
 「おあーっ」(剣崎)

 剣崎くん轢かれました。つーか橘さん轢きました。絶好のタイミングで助けにきたとみせかけて轢きました

 のっけから最高のギャグで心を鷲づかみにされたワケですが、今週は良かったですな。何と言っても、ついに後半5分で変身→BGM「覚醒」→必殺技(ライトニングブラスト)で締め…という特撮文法が見られたのが良かった。やっぱりコレを欲して見てるんだよなー。今日は本当久々にビデオでバトルシーン見直しました。

●バトル
 剣崎くんがカッコ良かった。「疾いッ!」「そこか!」「もらった!」あたりの短文の台詞が緊迫したバトル中って感じで良かったです。バックジャンプ斬りつけ燃え。

●橘さん
 操られてます。今はちょっと普通の状態じゃないんだということで、通常の状態とは演じ分けなければならない役者さんが大変そうです。でも、上手く普段よりテンパッた演技になってたと思います。

●カテゴリーエース
 雑誌等で設定を事細かにチェックするほどには気合いを入れて観ていないので、今ひとつエースが何を意味するのか分ってないんですが、とりあえず蜘蛛アンデットは1レベル強いアンデットの模様。ヒョウアンデットビビってたしね。しかし蜘蛛アンデットは造形がカッコイイですな。クジャクもカッコいいし、ヘラジカとかシマウマは愛嬌があったしで、ブレイドはモンスターのデザインが素敵です。

●仁、始
 「俺らじゃない奴らが作った世界なんかブチ壊して、俺たちだけの世界を作りたい」はそんなにネガティブなニュアンスじゃないみたいですな。僕としては自分に不満があるからって、世の中の方を壊そうなんていう発想はまったくもっていただけないと思ってるんですけど、作中ではサブタイ通り居場所の無い二人が頑張っていくためのスローガンみたいな感じで、そんなに悪い意味の台詞では無いという印象を受けました。まあ、すぐ意味合いが裏返るかもしれないですけど。

 前々回の始と橘さんがすれ違うシーンがやはり暗示だったのか、始はアンデットサイドから人間サイドへ、橘さんは人間サイドからアンデットサイドへとシフトしてきています。しばらくはこの二人に交互に視点が当たっていく感じなんでしょうか。どうにも主人公の剣崎くんの影が薄いです。そろそろ1クール終了でレンゲル(クローバー)も出てくると思うので、ますます剣崎くん食われそう。
 
■第10話「ほのか炸裂!素敵な誕生日」/ふたりはプリキュア感想
 
 「開けたら閉める」(ゲキドラーゴ)

 この人好きだ。実際そんなに悪いことやってないしね。バカゆえに。こんなに個性的なキャラを序盤で出しちゃっていいんでしょうか。果たして残りの幹部達にこれほどの個性が出せるかどうか。

●今週のポイント
 ・ほのか父。初登場コマで眼鏡を印象づけさせて、何、ちょっと冷たい仕事人間パパなの?とミスリードさせといて、実際はただの親バカパパという流れが楽しかったです。
 ・強盗。エラク良心的な強盗です。中学生に励まされて改心してるし。どうして強盗するんですか?
 ・「お父さんとお母さんが言ってた 人生はイイことと悪いことが半分づつなんだって」…でもって強盗を改心させた台詞がコチラ。親バカ両親が結構思慮深いこと言っていたというギャップがイイです。
 ・ヒーロー登場のなぎさ。ヒロインふたりだけど、OPのなぎさがほのかの手を引いて立ち上がるシーンなんかからも、なぎさ=ヒーロー属性、ほのか=ヒロイン属性って感じです。

 たぶんだけど、ドツクゾーンが闇、メップル達の世界が光、そしてこの世界の名前が「虹の園」。さらには変身時の虹色のエフェクトに、今週の色とりどりの宝石が力を貸すという演出。なぎさは黒でほのかは白。このあたりがやんわりと顕在化してきている作中テーマの暗示かと。

 まあその辺りはまだ置いといて、またまたイラスト貰ったんで紹介。

 以前白熊ラクスを描いてくれた都古さんから、こんどはプリキュアパンダイラストを頂きました。何か動物を入れなきゃという崇高な意志があるみたいです。

ぶっちゃけパンダ

 うん、白と黒って言ったらパンダしかないよね。

 そして、ほのかの「熊よ!!」は名台詞ですな。

 うん、まあ、熊じゃなくてぶっちゃけパンダなんですが。

 都古さん、素敵なイラストありがとうございました。

 当サイトでは、常時、閲覧者の皆様からのイラストを募集しています。ヨロシク。
 

2004.04.05.(月)
■19号/WJ感想
 
●テニスの王子様
 不二はたぶん頭脚人間です。未確認少年ゲドーリスペクトで、首から上と首から下が別の生物。なんで、上の不二の目が見えなくても、下の不二が頑張るから赤也と互角に戦える。下の不二、シャツの一番上のボタンはずれてるあたりから目を光らせてるんじゃないでしょうか。分身、入れ替わりと盛り上げてきた今のこの漫画のテンションなら、それくらいイケる。

●BLEACH
 恋次、雛森、イヅルと副隊長が動き出しました。星と野良犬のようなイイ話エピソードが挿入された上に、敗北してゼロになった男が心理的な成長とともに再び戦線に復帰というのは主人公以上に感情移入できる燃えシチェーションだし、雛森はなんつーかホント好きだし(また凛としたバージョンを見たい)で、さらに面白くなってきました。イヅルなんぞはどういう役回りになるんだろうか、侘助なんてもはや戦闘力としてはショボそうだし。次週のジャンプインジャンプも副隊長話ということでかなり楽しみです。
 卍解するには具象化と屈服ということで、具象ってあたりが気になる。マユリちゃんの卍解は具象化した地蔵が巨大化してましたが、みんなあんな感じなんだろうか。つまり、オッサンが巨大化するんだろうか。第一バトルは普通に戦って、第二バトルは巨大化というのは、戦隊モノとかウルトラマンのノリっぽくて燃えます。

●桐野佐亜子と仲間たち
 良くある能力者モノですが、キャラ立ちのせいか最近の読切の中ではかなり面白い方だと思いました。全部後半で主人公の魅力を演出するために他が作られてる感じ。能力者バトルにキャラウケ指向ということで、ジャンプではウケそうかなと思います。

●ごっちゃんです!!完結編
 赤マルジャンプにてキマシタ。コレは買うしか。

●DEATH NOTE
 コレ読んで無性にコンソメ味のポテチが食いたくなって買ってきました。それはどうでもいいんですが、リュークがエラく可愛いです。この漫画、読者が感情移入、というか好きになるキャラとしてはリュークを設定しているのかもしれない。最初の方こそライトが悪でLが正義みたいなアオリとかついていたけど、Lにしても読者が感情移入して正義気分に浸れるようなキャラとしては描かれていない。むしろ、この前の南空ナオミさんの「あなたにはLに似たもの…近いものを感じました」を裏返してネガティブに捉えたり、今週の「奴…限度ってものを知らない!!」って台詞なんかから考えると、Lもライトも属性としては同じで、そんな二人が対立してる構図を外から眺めてるリューク=読者視点…という気がしてくる。これは、ライト、L共倒れで死神独り勝ちなんて展開もあるかなぁ。
 それにしても今週のライトの情報処理能力は非人間的にスゴいです。テレビ見て、ポテチ食って、名前書きながら、ちゃんと計算問題も解いてるんでしょ。ちょっと普通の人には無理。

●無敵鉄姫スピンちゃん
 「マリア様が見てました!」にバカウケ。口からビーム吐くマリア様かよ。相変わらずだけどこのネタ小学生層には分からないだろ。
 あとは背中にうさぎちゃんを背負ってるスピンちゃんが可愛かったです。

●いちご100%
 新ヒロインに新脇役男と出てきて、どうも本格的に新しい受験編が始まる具合なのかな。でもその新路線歓迎です。三年時もまた映画つくって云々では飽きがきそうなので。
 新ヒロインはエロさがアタリです。ちなみや外村妹はもちろん、唯やさつきよりも話が作りやすそうなので、コレは長く出てくるキャラになるかも。このまま東城に向井さんを絡めた受験恋愛絵巻になっていくなら応援します(たぶん)。

●BLACK CAT
 バトル面白い。屋根へバトルの場が移動したりするのも飽きないし、何より絵に動きがあってイイ。見開きで技名叫んでバトル終了の車田展開よりも俄然好きです(黒猫の爪のとことか、この漫画も車田展開多かったけど)。こういうの描いてほしいですよ、ホント。

●銀魂
 今週号のベストはコレかなー。すげー完成度の高さを感じた1話です。はじめと終わりが神楽とおじちゃんの会話からなるパラレルな構成とか、ぎゅうぎゅうに圧縮された話の密度とかすばらしいし、言いたいこと、伝えたいこともちゃんと入ってる。さらにギャグの味付けもアリで、ちょっと質が高い1話だったんじゃないかと。コレは来週カラーになるのも分かるワ。
 「日本の夜明けまで」にかなり笑った。

●武装練金
 そのまんまだ!>ムーン・フェイス。
 舞台を学校に移しての最終決戦。てっきりるろうにの志々雄編みたいに敵アジトで敵を倒しながら先に進んでいく展開になると思ってたんだけど、学校、最終決戦の場としてはこれ以上ふさわしい舞台は無いよな。カズキの守ベき日常の象徴でかつ斗貴子さんの過去と同じ舞台。そして誰も蝶野のことを認識しなかった学校。ナウシカのOPの巨神兵チックな敵雑魚兵(推定)がワラワラ出てきて盛り上がる中、浮いてるバタフライとラスボスの彼に、気になるパピヨンの動向。最終戦、大盛り上がりで加速しています。
 

2004.04.06.(火)
■雑想
 
 研究生生活1日目。研究室の先輩、第一印象としては良さ気。コレはなんとかやっていけそうな気がする。僕の方をどう思ったかは知らんが。

 入学式もあったんで一応行ってきたけど、今回はめぼしい収穫は無し。エラい先生方の話もエラく普通で特に感銘を受けたとかありませんでした。学部生と合同の式だから、学部生用に簡単な話にしてるのかもしれませんが。後半のオリエンテーションに至っては、アルコール中毒に気をつけろとか、人間関係は大事とか、すこぶるコレまで幾度と無く聞いた原則話に終止していたので、コレはもういいかなと途中で退席。入学式の唯一の収穫は、早く会場に到着したので、式開始までの待ち時間でイイ感じに集中して一冊読了できたこと。そんな感じで本日の読了は三田誠広『空は終日曇らず』

●通学時間は
 自転車で片道25分。丁度いい運動で理想的。雨の日をどう乗り切るかのみがとりあえずの課題。車通学は許されず。うーむ。
 帰り道、ゲーセンとか本屋とかいっぱいあるんで、「何曜日は〜に寄って帰る」とか自分ルール作って楽しもうかな。そんな余裕無いかな。

●理想の生活は
 9時〜17時と研究室に常駐して、勉強、研究はその時間に終わらせ、家帰ってからは趣味の時間にって感じかなー。様子見てみないと出来るか分からないですけど。研究室、研究関係以外の本も読んでていいのかなー。でもそれを自分ルールとして許してしまうとホント普通に小説とか読み出しそう。しまいにはジャンプとか読み出しそう。
 
■三田誠広『空は終日曇らず』/集英社文庫
 
 「まだ可能性は残されている。オレには能力がある。能力のある人間が、努力をいとわず、すべてをなげだして仕事にとりくもうとしているのだ。負けるはずがない。ぜったいに負けるものか……。」

 自信家で上昇志向で出世街道ばく進中だったエリートサラリーマンの主人公が、懇意な上司の失脚のためにいきなり田舎へと左遷される話。左遷先でも上昇志向を失わずに、本社復帰を目指して孤軍奮闘する話。あらすじとしてはそんな感じ。

 コレが少年漫画的なノリだとしたら、左遷先から本社への返り咲きという作中の目標が序盤に提示され、それに向かって努力努力。起承転結ありーの、画期的なアイデアありーので、最後は見事本社に戻ってフィナーレ……といった物語が想像されますが、残念ながら三田誠広の小説なんで、そういう風にはなりません。エリートサラリーマン→田舎への左遷という変化、挫折を前に、主人公は自分というものを捉え直さずにはいられなくなるという、自分って何?なんでこんな目に?そもそも僕って何?な部分に焦点があてられます。もう、コレは三田誠広小説なんでしょうがない。相変わらず学生運動にコミットしてたキャラが出てきて主人公に(自分というものを)問いかけてくるなんてあたりも三田誠広小説です。

 で、主人公、上記の台詞みたいに、強気でいささか傲慢です。こういうキャラが描かれると、昔ならこんなキャラ好きになれんとイラだちながら読んだり、あるいは主人公の勝ち気にコミットしてこっちもノリノリで読んだりと、まっすぐに中身に主観全開で没入して読んだりもしてたんでしょうが、さすがに感想サイトなんかやりながら本読みを続けているんで、今回は初期からこの強気、傲慢はあとで裏返される、つまり強気は挫かれ、傲慢は反省されるという展開へのタメなのだろうと気づきました。そういう構成によって作者は何を伝えたかったのか、そのあたりまで考えながら最初から読めました。もう、言っちゃいますけど、この強気、傲慢は最後の最後にやっぱり裏返されます。その時に主人公が感じるのは何か?そのあたりを予想しながら読み進めるのが本書の楽しみでした。でもまあ、読後感を述べれば、最後に主人公が感じたものはそれほど作品的に大事じゃない感じ。そのあたりは最後の最後に主張の核を持ってきたりする少年漫画とはやっぱ違います。三田誠広作品としては、やっぱり最後に主人公が何かを感じ取るまでに、主人公は自分自身の「僕って何」の部分に目を向けさせらていた。その部分が大事なんだと思います。

 最後は自分話ですが、この主人公からは色々感じるものがありました。僕も結構上昇志向でポジティブシンキングの人じゃないかと思ってるんですが、目的持ったり努力したり、確かにイイことなんだけど、ちょっとズレちゃうと端から見ていて痛々しいのな。バランスに、常に気を配らねば……なんてことを思いました。
 

2004.04.07.(水)
■雑想
 
 研究生生活2日目。この生活は結構イイ。今までより疲れもするが、充足感もある。

 今日はNHK教育で再放送の「ふしぎの海のナディア」第1話をビデオに録りました。超懐かしい。話も好きなんだけど、とにかく歌が記憶に残ってます。OP、ED共に最高。特にED。僕の人生の中の初期応援ソングです。

●森川美穂「ブルーウォーター」/ふしぎの海のナディアOP

 「言葉は永遠のシグナル」

 何気に、僕が初めて「言葉」についてちょっと深く考えたのはこの歌を聴いてじゃないだろうか。あー、やっぱ超覚えてる。「いーまーきーみのめにー」の所で鳥が飛んでくる絵とかアリアリと浮かぶわ。

●森川美穂「Yes!I Will…」/ふしぎの海のナディアED

 「Try慰めの言葉なんて 心に届かない風 抱え込んだ不安だけ大きくなるけど 自分で決めたことだから多分ひとりでも平気さ つまづいても 迷っても 明日があるから」

 このフレーズは完璧に頭に焼き付いています。それくらい聴きまくった。ちょっと切ない応援ソング。好き。ナディア、未見の人は歌だけでも。

 あとNHKで再放送して欲しい昔見てたアニメっつーと「秘密の花園」。「メアリーチャチャチャ、メアリーチャチャチャ」って言うやつ。あー、アレも無性に見たい。やってくれんかのう。
 
■雑想2
 
 『DEATH NOTE』1巻が爆発的に売れて、それを追う『武装錬金』2巻。『銀魂』1巻はどうなの?それに比べて『ごっちゃんです!!』の3巻は…なんてWJコミックスネタが飛び交う今日この頃ですが、同時発売で話題にすらあがらないコミックが一冊。そう、『サラブレッドと呼ばないで』2巻だ!

●長谷川尚代・藤野耕平『サラブレッドと呼ばないで』2巻

 終わった時WJ感想で書いたように、ラスト近辺のしみじみとした良さを読み返すと生き残らせて欲しかったなーと改めて思う。でも個人的には好きでも、やっぱWJサバイバルで生き抜く力としては、現在の新連載のゲドーやスピンちゃんと比べても互角かそれ以下くらいかなー。うーむ面白かったんだが。
 書き下ろし特別編は須藤先生の家庭訪問話。さらっと登場人物のその後も描かれてファンのツボを狙ってきます。他、赤マルジャンプに掲載された読切も収録。こっちは第01話の別ヴァージョンみたいな感じ。こんな話だったんだー。
 
■雑想3
 
 「イヤ、君らはそのPCの可能性の10%も使っていない。どうせなら、使いこなせる人が使った方がよい」と強引に説得してPCを親のと取り替えました。オオ、格段に環境アップ。ついにDVDが使えます。これでクラナドも…ゲホゲホ。TVも見れてどうやら録画もできそう。勘だが、ちょっと頑張ればVHSをDVDにするという作業もできそう。収納効率アップか!?週末の休みに色々いじってトライしてみます。
 

2004.04.08.(木)
■雑想
 
 睡眠時間が減少し、かつ通学のために運動量が増えたせいかイイ感じで痩せ始めてる気がする。

 読書など趣味のために捻出できる時間は1.5時間/DAYって感じですな。別に時間の使い方も自分ルールだから増やすこともできるけど、その程度に自分を縛っておかないと色々後悔しそう。そんな感じなんで月〜金の更新はあんまし期待しないように。ネタが無いときは動物の話でもしておけばイイんですが、生活の変化はじめでこの文章書く時には既に気力ゲージが減少してるんで動物ネタすら思いつきません。あー、体力温存するために馬で通学したい。馬任せで大学までつれてってくれる馬募集。
 

2004.04.09.(金)
■雑想
 
 開放感アリ。やっぱり月〜金と時間、空間的に自分を縛ってこそ、金曜の夜の開放感、土日のありがたさというのが分かりますな。

 今日は帰宅後新PCのTV機能を色々と観察。うむ、録画できそう。コレは日曜のライダー&プリキュアから導入してみたい。いきなり試すのは怖いから、明日手頃な番組で実験してみよう。

●WJ感想
 どうしようか。やっぱし月曜中にUPしたいモノ。月曜はなるたけ早起きして、研究室に行く前にUPという方向で頑張ってみたい。週初めはジャンプから。感想で燃え尽きてその日は一日なにもできなかったりして。笑えん。

●マリア様がみてる
 今猛烈に読みたいのはコレですよ。読んでないのにデスクトップの壁紙今コレになってますよ。されど読み始めるまでには未読本をあと14冊読破しなくては…週2ペースで読んでも読み始められるのは2ヶ月先くらいですか。土日にやる気出して読もむ方向で。
 

2004.04.10.(土)
■雑想
 
 PC環境を整えるための諸々を買いにヨドバシへ。4k円ほど消費。結構かかっちまった。
 で、準備完了。TV→HD→DVDorVHS→HD→DVDのコンボが可能に。さっそくこの前VHSに録ったナディアをHDに録ってみる。オオ、PCでVHS映像が、コレはかなり嬉しい。よし、コレからしばらく休みの日は今まで録ったVHSビデオテープをDVD化するという作業に打ち込もう。目指せ収納効率アップ。とりあえずプリキュアから行ってみようかな。

●第01話「エッフェル塔の少女」/ふしぎの海のナディア
 超絶に面白くて超絶に密度のある第1話。伝説級。
 ナディア、ジャン、グランディス、サンソン、ハンソンら物語の中心人物のキャラ紹介がバッチシ決まってます。そして「ナディアを空へ」という後々まで引っ張るジャンの目標もさらっと入ってて上手いです。コレ、ジャン第1話から言ってたんだ。コリャ、何話か忘れたけど、ジャンとナディアが飛ぶシーンはそりゃグっときますよ。
 さらに第1話はダブルクライマックスです。エッフェル塔でのナディアVSグランディス一味のシーンだけでも大盛り上がりなのに(ナディアが跳躍するシーン好きだー、音楽も好きだー)、後半、冒頭から仕込まれてた人力飛行機でジャンがナディアを助けに来るところはそれを超えるテンションで大燃えです。ジャン、ナディアの境遇とか知っても関係無いのな、一目惚れしたからには空でも飛んで助けに行く、カッコいいー。そんなジャンを見て「あなたのこと知らないの」なんてファーストコンタクトでは距離を置いていたナディアが「ありがとう」なんて言っちゃう、その変化もイイ。ジャン最高。思うに、視聴当時、今のように物語りの構造がどうとか伏線がどうとかいった見方ができるはずもなかった僕は、ひたすらジャンに感情移入して見ていたような気がします。ジャン好き。
 あとはやっぱ曲ですな。曲それ自体がイイのは勿論、ノスタルジーが入って引き込まれます。とりあえず、『ふしぎの海のナディア オリジナルサウンドトラックVOL.1』は擦り切れるほど聴いた名盤。
 

2004.04.11.(日)
■第12話「カテゴリーA」/仮面ライダー剣(ブレイド)感想
 
 「あいつは 仁は 自分を知ることが 才能の無さを知ることが怖いんだ 誰の力も借りないと言いながら結局アンタみたいな仲間を作る むれる 甘えているんだ 一人で立つのが怖いんだ」(お父さん)

 ここ2話は仁君の話のウェイトがデカいです。仁君の物語はこのお父さんの捉え方が観てる人の年齢層によって分かれそう。ノリノリの低年齢向け物語とかだったら、このお父さんは敵役にしてラスボスで、ラストはお父さんの束縛を断ち切り仁はミュージシャンとして成功…なんて結末になりそう。一方もう少し大人向けの物語だったら、仁は自分の才能の無さを(色々あった上で)受け入れ、父親と協力して新たな自分に合った道(船上LIVEを計画とか、仁君は裏方に回った方が向いてそうな気がする)で頑張っていくなんて結末になりそう。
 で、結局仁物語は結末が描かれないままとりあえず終了。最後、始と入れ替わりにお父さんが近づいてくるシーンは、やっぱしお父さん側に行く結末なのか……と思わせられましたが、ラストは黒こげのギターを抱えながら「まだまだコレから」、まだ諦めない。その後仁君はどうなったのか、後の方で描かれるのかもしれないし、視聴者にお任せでコレで終了なのかもしれない。

●始
 人間の敵と戦いながら、人間には拒絶される。とっても仮面ライダーな役回りをやっています。

●蜘蛛アンデット強い
 ちゃんと格闘技やってる人みたいな動きをします。コレは強い。

●橘さん
 剣崎くんを撃ち過ぎ。「橘さーん」→「ダンダンダン(銃声)」のコンボはコントのお約束みたいになってきました。

●カリスの変身
 今週かなりカッコよかった。組み合って一回転すると既に変身してるとかカッチョいい。
 
■第11話「亮太を救え!ゲキドラーゴ・パニック」/ふたりはプリキュア感想
 
 「これはカレイじゃなくてヒラメよ」(ほのか)

 海洋生物ネタ満載でステキな1話でした。ジュゴンとかイイ。海洋生物もただ登場したワケじゃなく、最後はゲキドラーゴに吸収されて敵になる…って感じでちゃんと物語に組み込む無駄の無さは相変わらずです。ステキ。

●今週のポイント
 ・なぎさの家庭はほのぼの家族。コブラツイストと言うものはなー。
 ・敵艦部ではハゲの人がエラそう。この人が5番手かな。
 ・マグロと一緒に泳ぐゲキドラーゴ。最後までギャグ姿勢は崩さず。
 ・鮫、マンタ、ウツボという微妙なセレクトに思わず「キ、キモイ…」と二人がもらす絵は可愛い。

 怒れるなぎさお姉さんがひたすらステキでした。連続蹴り燃え。ほのかの合気投げでアシスト燃え。
 プリキュアは2話に1度はバトルシーンで歌無しのOPテーマが入るのがイイですな。ラスト5分はバトルでテーマソング。この文法はやっぱり燃える。今週のなぎさが蹴り込むところで「プリキュア♪プリキュア♪」の所の曲が始まるとこなんかスゴくイイ。

 今週でゲキドラーゴは退場で、次週はさっそく女幹部のポイゾニーがやって来る模様。やっぱし5〜6話に一人づつ敵幹部を倒していく構成なんだろうか。それだと25〜30話くらいで終わってしまうんで、その後の展開が楽しみですな。後半、イイ感じの転機が待ちかまえてる予感。
 
■雑想
 
 ライダーとプリキュア、ちゃんとPCで録れてました。この調子で前の話も移行していこう。平日も1日1話くらいを目標にやっていきたいですな。
 

2004.04.12.(月)
■20号/WJ感想
 
●BLEACH−逸れゆく星々の為の前奏−/ジャンプインジャンプ
 期待通り面白かったっス。
 一番のヤマはやっぱし雛森が戻る所。か弱く描いておいて、ここ一番の凛とした強さで魅せる。ギャップで燃えさせる構造は藍染殺害の回のブチ切れ雛森くんと同じです。惚れる。すぐさま恋次とイヅルが続くのもイイ。いきなり助けにはいかない辺りも、心に弱さを持ってる二人っぽくてらしい。以下箇条書き。
 ・幼日番谷。雛森より年下なの?コレは、日番谷メインの番外編も是非描いてもらわねば。
 ・檜佐木。僕的に傷がある副隊長としか認識していなかった人の傷エピソードも兼ねてました。結構スゴい人だったんだ。
 ・市丸。ヒュージホロウを貫いたのは神槍か。久々に登場だけどカッコよい。
 ・道が別たれる暗示で締め。また交わる展開にならんものかのう。

●次回ジャンプインジャンプ
 小畑ボーボボに澤井DEATH NOTE。この企画、最初に思いついた人間をマジ尊敬する。

●BLEACH
 死んだままでいた方が絶対話としては美しかったんですが、やちるを見た瞬間、ああ、剣八も生きていて欲しいと思う自分がいました。大ゴマで復活燃え。テンションまかせでアオリも「復活!更木剣八ィ!!!!!」と「ィ!!」のあたりが板垣漫画のテンションになってます。たしかに板垣漫画ベクトルの復活シーンかも。どんどん一護サイドに来るなー。

●DEATH NOTE
 「キラの精神は既に神の域に達している」
 頭脳戦メインのエンタメ色が強かった最近ですが、今週は倫理、哲学の部分がチラっと入りました。最後まとめるにはそういう方向の話もやっぱ入れて欲しいな。コレも以下箇条書き。
 ・リュークが逆立ちしちゃってる。このコマ今週号で一番笑った。
 ・そろそろ親父さんがヤバそう。利用されて消されそうな意味でのヤバさも勿論ですが、「えっ?」って言ってるコマあたりの目もヤバそうです。
 ・大学篇も視野に入ってきてる?短期決戦の物語という雰囲気が随所に出てたと思うんですが、今週はライトの大学への言及+L受験という展開が。これは一体どうなるんだ。

●未確認少年ゲドー
 ああ、何か面白い。新連載3つ。コレは生き残るかな。
 被害者キャラの讃良ちゃんが魅力的です。ほんとさんざんなヒロインです。
 そして、今話は「ヒロインは一人でもサービスシーンは描けるんだぜ?」という河下先生への挑戦でもあります。岡野先生応援したくなってきた。

●桐野佐亜子と仲間たち
 ここ最近の読切の中ではかなり好きになれました。重力法則無視の見せ方がカッコよかったのと、最後の「いいじゃない 色んなトコに正義の味方がいたってさ」の話に共感できたのが好印象でした。

●いちご100%
 こずえちゃんはキャラが立ってます。今週号のジャンプヒロインは讃良かこずえかって感じです。

●BLACK CAT
 次週のカラーは、最近よくある(連載終了間際の)はなむけカラーではなかろうか。

●武装錬金
 ありませんでした。やっぱり定期的に休載をはさむんですね。なんで今週はハガキ出さないでおきます。何にも書かないのもなんなんで、1、2巻の話なんぞを書きましたんで読む人は下へ↓。
 
■『武装練金』1、2巻の雑想/死、認識、記憶/和月伸宏『武装錬金』
 
 「死者に礼を尽くすのは悪いコトでは無いと思うが」(斗貴子)

 この何気ない斗貴子さんの台詞あたりから、蝶野篇の深みは始まっているように思う。この後、蝶野、鷲尾との第一次接触を経て、カズキの「これ以上一人の犠牲も出さない」という信念(理想)を聞いた斗貴子さんは、カズキが礼を尽くそうとする犠牲者に対して、「私も一緒に行こう」とカズキと共に手を合わせる。

 死者に手を合わせ礼を尽くすということは、当人が死んだ後もその人のコトを記憶し、覚えているということであると思う。最近、過去など知らん今が大事と、過去との関係性をカッコ悪いものとして切り捨てる刹那主義が中々に蔓延しているような気がしないのでもないのだけれど、そういった最近の風潮、視点からすると、こういった死者を尊び、故人と記憶で関係性を持とうという行為は、それほど尊いことではないということになるのかもしれない。だけど、『るろうに剣心』でとことん過去の咎を見つめながらそれを乗り越えていく主人公の物語を描いた辺りから推測すると、和月先生はきっとそんな感じの今ある風潮はあんまし好きじゃないのだと思う。かなりの程度、和月先生という人は過去との関係性を大切に描く人なのだ。その辺りが和月信念とでも呼べる部分じゃないかと思うんだけど、そういうのが上のシーンにはサラッとだが滲み出ていると思う。

 そして、その辺りがサラッと描かれた後に、物語は自分自身を「透明な存在」とする蝶野にスポットが当たる。この「透明な存在」というのは、とりあえず蝶野自身が自分が誰からも認識、記憶されていない状態を比喩的に表した言葉だろう(透明で見えない人っていう意味)。この誰からも認識されず、誰の記憶にも残らないというのが、蝶野の負の行動の一番のバックボーンになっているように思う。そこが上のシーンとも関わる部分で、カズキと斗貴子さんは人をしっかりと(例え死んでいても)認識し、記憶し、尊ぶ人なのに対して、蝶野の回りにはそのように蝶野を認識、記憶してくれる人が誰もいなかった。後の場面で明らかになることだが、親に弟、黒服の使用人まで、家族からすら蝶野は認識されていないのだ。この辺りから非常に微細な描写で微細な蝶野の心理が描かれるんだけど、蝶野というキャラの目的は他人を犠牲にしてでも自分は生きるというもので、蝶野自身もそれが自分の目的だと認識してホムンクルスを作り、実際に人命を奪っているのだけれど、実は蝶野自身も気づいていない無意識のレベルで、蝶野はそれ以上に「誰かに認識して欲しい、記憶して欲しい」ということを願っているキャラとして描かれている。
 その辺りが分るのがカズキの最後の説得の部分で、「今のままだったら死んでもずっとひとりぼっちだぞ」から始まる説得の中で、カズキは死んだ後に誰の記憶にも残らない寂しさを伝え(逆に言えばもし残るならば例え死んだとしても…という話)、「もしオマエが犠牲者に償うと誓うならオレがー」と呼びかけるのだけれど、それに対して蝶野は「それがどうした」「死んだ後のコトなど関係ない!」と必死に心の中で反論しながら、実際には大粒の汗を流しながら「それ…が」「ど…」と言葉を詰まらせる。コレが、蝶野の一番奥底にある、自分を認識、記憶してもらいたいという願いが、カズキのキレイ言を否定しきれずにいる場面ではなかろうか。
 そこでカズキのキレイ言を受け入れれば話はまとまったのだけど、結局次郎の乱入により蝶野はホムンクルスになってしまう。ホムンクルスになった後も「オレと次郎と見分けがついた者は助けてやろう」と、どこかで見分けがつく(認識してくれる)ことを願っている片鱗を滲ませる蝶野。そして訪れる怒濤のクライマックス。カズキはカズキをしっかり認識してくれている(恐らくはカズキが死んだ後もカズキのことを記憶していてくれるであろう)友の励ましで立ち上がり、同じく死者に手を合わせてくれる斗貴子さんの心も使ったW武装錬金を発動させ、一方蝶野は「誰も蝶野公爵を必要としなかった世界だ 全て燃やして焼き尽くしてやる!」と誰も自分を認識してくれなかった世界に対して憎悪を燃やす。この対比が圧倒的に上手い。ここで、あー、もう単行本買おうと強く思った次第です。

 そして、和月先生自身も2巻のコメントで「一番好きなシーン」という決着のシーンは言わずもがなの名場面です。切なカッコいいです。「一人の犠牲も出さない」と理想を掲げたカズキだけれど、蝶野を殺さなければ斗貴子さんは助からない。必ずしも理想を貫けない現実、なされる命の選択(このシーンがあったからこそ、後の早坂姉弟篇の理想を完遂できた結末がよりグっときたりもするのだけど)。そんなカズキが蝶野を突く時にかけた言葉が、死者に礼を尽くし、最後まで記憶に残らない寂しさを伝え説得するカズキだからこそかけた言葉が、「すまない蝶野公爵」。心のどこかで認識、記憶してもらいたいと願っていた蝶野を世界でただ一人名前を呼び認識してくれたのは、蝶野を撃つカズキだけ……撃たれる蝶野に一瞬よぎる「嗚呼ー俺の名前……」。お墓のシーンから積み上げてきた、死んだ後も記憶に残るということ、他者から認識されるということ、そもそも死ということ、etc、ここは物語の中で積み上げてきたものがギュっと凝縮された名場面です。
 そして、陽光に精神的な夜明けと武装錬金の名前の伏線までをかけた非常に美しいエンディングも相成って、読後に残るのは圧倒的な完結感。ホント、全2巻でも名作ですぜ、コレは。

●補
 でも、結局このあと蝶野はより変態さを増して復活するんで、死んだ後の記憶云々のあたりはちょいとばかり重みが無くなってます。スッゲー美しく死んだのに次の週には「蝶・サイコー!」で復活ですよ。そのはっちゃけぶりがまたステキなんですが。その当時のWJ感想にも書いたけど、蝶野の話引き延ばした分、現在間近っぽい再び蝶野が絡むであろう最終章の結末に期待ですな。
 
■雑想
 
 今朝は早起きしようと昨晩は9時頃に寝たんですが、1時頃にはバッチリ目が覚めてしまい失敗しました。どうしても眠れないんでそのまま勉強→明け方からWJのコンボでした。あー、今日研究室どうしよう。
 

2004.04.13.(火)
■雑想
 
 忙しくなってきました。ちょいとばかし部屋に帰ってきてからも活動しなければならないほどに。今週は週末も研究室行こう。

 僕のSupervisorの先生の授業を初めて受けたのだけれど、超面白い。去年1年を試験勉強に費やしてここに来た甲斐があったと思えるほどに。ニューロサイエンス最高。

●angela「明日へのbrilliant road」/アルバム『ソラノコエ』

 「羨む事に慣れてしまったら 誇れる自分が遠ざかってゆく」

 この曲でノれる時は精神状態が前向きで高ぶって良好な時です。今、そんな感じ。こういう時はイケイケで活動するに限ります。
 

2004.04.14.(水)
■雑想
 
 ナディア録画失敗。HD録画はまだ慣れぬ。日曜のライダー&プリキュアだけでも失敗しないようにせねば。

 部屋帰ってきて10分、15分仮眠するつもりが気がつけば日付が変わる時刻に。今日何もやってないや。明日は研究室の花見に合わせて遅く家を出る予定なのでコレからちょっと活動しようかな。

●ネギま
 じーん。刹那は何らかのマイノリティなのであろう描写はずっとあっただけに。赤松先生の日記によるとあと3話で京都篇完結の模様。盛り上がってるなぁ。

●ツバサ
 「もし今まで知らなかったものを探せたとしても まだまだおれが見たことも聞いたこともない不思議なものがたくさんある 少しづつでもそれを知ることが出来るのがすごく嬉しいんだ」

 イイこと言うなぁ。学者だよ、小狼くんは。
 

2004.04.15.(木)
■雑想
 
 体内アルコール度数が高いためまた明日。

 飲み会でした。コミュニケーションは良好。この調子でいきたい。
 


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