(2002年1月〜4月)
Sorry,Japanese Only.



4月27日(土)
福島県喜多方市・吉の川酒造店
「吉の川(よしのがわ) しぼりたて生酒原酒」
 下手なウンチクや能書きを、一蹴されるほどの有無を言わせぬ飲み心地がある。酒は頭で飲むものではなく、あくまでも、舌で味わうものと言われているようだ。全体から受ける印象は、とてもパワフルで、米焼酎をストレートで飲んでいる感じさえする。緩んだ気持を、シャキッとさせてくれる、うれしい酒。


4月22日(月)
山形県寒河江市・月山酒造
「純米吟醸酒 銀嶺月山(ぎんれいがっさん) 月山の雪」
 華やかな香りがあり、飲み口は軽やかでとても優しく落ち着いた味がする。米の味わいもさることながら、水の良さが冴えており、のどが渇いていれば、ゴクゴクと飲んでしまいそうな爽快感がある。しみじみと飲んでいると、雪を頂いた月山が、青い空を背に悠然としている姿が目に浮かんでくる。


4月21日(日)
宮城県古川市・宮城ふるさと酒造
「純米酒 湖醉(こすい)」
 ふっくらした香り。かすかな酸味と渋みが味を引き締めている。辛口の白ワインを飲んだような後味があり、全体の印象が、しっとりとしている。麹の風味も活きており、余計なものは何もいらないといった純米酒ならではの、潔さが感じられて、とても飲み心地が良い。シンプルイズベスト、これにつきる。


4月13日(土)
山形県米沢市・小嶋総本店
「吟醸酒 東光(とうこう)」
 すっきりとした辛口の酒。飲み口はまろやかでクセがなく、なによりも、とても優しい味がする。澄んださわやかさと、でしゃばらない控えめな自己主張があり、からだと心にしっくりとなじむ味わいがある。米の味がしっかりとしており、大切に丁寧に造られた酒といった感じがする。


4月9日(火)
山口県玖珂郡周東町・旭酒造
「純米吟醸50 獺祭(だっさい)」
 芳ばしい米の風味が、酒にとけ込んでいる。口に含んだ時に、香りが違和感なくそのまま味に変わっていく。輪郭がはっきりしているためか、あっさり、こってり、にかかわらず、どんな料理にも惑わされることのない一貫した味がある。高精米歩合とは思えない重さと、味について騒いでいるこちらの様子を涼しげな表情で眺めているような雰囲気があり、独特の個性を持っている酒だと思う。


4月7日(日)
新潟県豊栄市・越後酒造場
「純米酒 越乃八豊(こしのはっぽう)」
 しっかりとした米の味が、酒の力強さになっているというか、真ん中に一本芯が通っている感じがする。苦にならないほどの雑味があるが、それさえも味わいのひとつになっている。あくまでも日本酒は日本酒らしくといった姿勢が伝わってきて、昔ながらの酒という印象がある。
 一口飲んだだけで、「あー、新潟の酒だなー」と思ってしまいました。


4月6日(土)
宮城県塩釜市・麹屋酒造店
「純米吟醸酒 しおがま」
 山田錦を55%磨いているとあって、とても洗練された雰囲気がある。飲み口は柔らかで穏やかな余韻があり、全体に上品な佇まいと気品が漂う。あくまでもきれいな味を追求した酒なのだろうか?雑味がない味わいは、とにかく清らかという他はない。


4月1日(月)
山形県酒田市・酒田酒造
「本醸造 辛口 上喜元(じょうきげん) 生酒」
 辛口の酒と銘打った酒は数多いが、この酒からは、辛さのみにとどまらない非凡な味が感じられる。生酒ならではの初々しい香りに包まれた米の旨味とコクが、辛さのなかに単調ではない深い味わいを造りだしており、かなり飲みごたえがある。美味しいのに、威張ったところがなく、全体的に落ち着いた雰囲気があり、「大人の酒」という感じがする。
 じっくり味を確かめながら、飲みたい酒。



3月31日(日)
山形県東置賜郡高畠町・後藤康太郎酒造店
「本醸造 羽陽錦爛(うようきんらん) 生貯蔵酒」
 美味しい水を飲んでいるような、爽やかさがある。やや甘さを感じるが、しつこくなく、後味は軽やかで、クセがない。少し冷やすと味が冴えるようなので、これからの季節、風呂上がりのビールも捨てがたいが、冷やっこなんかをつまみながら飲んだら、ぴったりはまりそうな酒だと思う。


3月27日(水)
宮城県仙台市若林区・森民酒造本家
「純米吟醸しぼりたて生酒 森乃菊川(もりのきくかわ)」
 すっきりとした飲み口だが、後からじわじわと旨味と力強さが押し寄せてくる。ほのかな吟醸香と米の風味が心地よい。重くなりすぎず、かと言って軽くはない絶妙のアルコール度数が、酒の味を引き立たせるポイントになっていると思う。
「研ぎ澄まされた」という言葉が、似合うような、きれいな味わいがある酒。


3月24日(日)
岩手県二戸市・南部美人
「特別純米酒 南部美人(なんぶびじん)」
 わき立つような香りがあり、米の優しい自然な甘さと、後味として残る旨味がとても良い。純米酒でありながら、きれいな味わいからは、吟醸酒のような高貴な雰囲気さえ感じられる。香りの良さが味の確かさに通じている、とでも言おうか、とても洗練された酒。


3月21日(木)
新潟県三島郡越路町・朝日酒造
「千寿 久保田」
 舌にからまるような米の旨味とコクがある。辛さが味の主体だが、味うんぬんにとらわれない、どっしりとした存在感がある。落ち着いた深さというか、多くを語らないが、自然に人柄がにじみ出てくる人のような雰囲気もあり、良い酒とは、どのようなものかということを、気づかせてくれたような気がします。
 参りました。


3月18日(月)
宮城県仙台市青葉区・勝山企業
「手造り本醸造 しぼりたて原酒 勝山(かつやま)」
 白ワインのような芳香があり、しぼりたての荒々しさというよりも、むしろ柔らかさを感じる。アルコール度数が高い割には、不思議とキツさを感じない。旨味だけが凝縮されており、雑な部分がなく、しぼりたてとは思えない端正さがある。飲み慣れた味だが、いつ飲んでも素直に美味しいと思える酒。


3月17日(日)
徳島県鳴門市・本家松浦酒造場
「純米酒 鳴門鯛(なるとだい) おおげつ姫」
 米の芳ばしい香りがあり、口当たりはとても柔らか。味の粒立ちが良いというか、甘口辛口という範ちゅうにとらわれない味の広がりがある。しっかりとした力強さがありながら、水の清らかさのような爽快感もあって、独特な味わいがある酒。


3月13日(水)
茨城県石岡市・府中酒造
「新酒しぼりたて本醸造 府中誉(ふちゅうほまれ) にごり酒」
 栓を開けたとたんに、勢いよく発泡する様子を見ていると、まさに酒が生きているということが実感できる。沈んだオリを混ぜるのに、けっこう難儀するが、本当の「にごり酒」である証拠だと思う。ピリピリとした発泡のためか、口の中で酒が踊っている感じがして、とても楽しく飲める。とにかく、発泡のインパクトが強く残る酒。


3月9日(土)
山形県東置賜郡川西町・樽平酒造
「特別本醸造 住吉(すみよし)」
 飯米が酒になるのは、めずらしいことではなく、普段食べている米の持ち味やすばらしさを、違った角度から楽しめて、とてもおもしろいと思うが、この酒の使用米は「コシヒカリ」。旨味と力強さが存分に感じられ、たたずまいはまさしく日本酒然としている。一年もしくはそれ以上(?)の熟成のためか、色沢や味わいは、どかしら古酒めいており、独特である。後味の酸味とキレの良さが、印象に残る。


3月7日(木)
宮城県石巻市・石川酒造店
「本醸造 北上川(きたかみがわ)」
 艶やかな色沢があり、ほどよく熟成された香りが良い。辛さを感じたかと思うと、ほどなく旨味がじわ〜っと広がってくる。後味として残るかすかな苦みが印象的。余計なものは、なにもいらないといった感じの、奇をてらわない潔いまっすぐな味があり、とても日本酒らしい酒だと思う。


3月2日(土)
宮城県黒川郡富谷町・内ケ崎酒造店
「本醸造 独眼竜政宗(どくがんりゅうまさむね)」
 きれいに澄んだ色沢と透明感のある上品な味わい。辛口の味の中に、ほどよい熟成が感じられる。鳳陽さんの酒は、どれをとっても清澄なイメージがあるのだが、その中でもこの酒は、一段とスッキリ感が冴えているように思う。でも、味の柱である米の旨味は、いかにも鳳陽さんが醸した酒といった感じがする。
 美味しいです。



2月28日(木)
山形県西置賜郡白鷹町・加茂川酒造
「本醸造しぼりたて 加茂川(かもがわ)」
 口に含んだとたん、しぼりたての若々しさがはじける。ほどよい苦みが心地よい。原酒のどっしりした感じと新酒の軽やかさがアンバランスのようでありながら、飲み進むにつれて、不思議に調和してくる。なんと言っても、アルコール度数が高いので、酔いが回るのが早い。しぼりたて、生、原酒、と日本酒の醍醐味が存分に伝わってくる酒。


2月23日(土)
宮城県志田郡三本木町・新澤醸造店
「本醸造 愛宕の松(あたごのまつ)」
 ほどよい酸味。嫌味がなくスーッとしたのど越しが良い。印象としては辛口の酒。軽い味わいの中に、枯れた風味があるのは、適度な熟成によるものだろう。純米酒のような香ばしさと力強さもあり、おもしろい。いかにも日本酒といった昔ながらのラベルも良い。
 たまたま白身魚の刺身をつまみながら、飲んだらベストマッチングという感じでした。


2月21日(木)
山形県東置賜郡高畠町・米鶴酒造
「しぼりたて生吟醸 米鶴(よねつる)」
 アルコール度数が、やや高いものの、重く感じないのは、清らかに澄んだ味わいがあるからか?飲み口はスッキリしていながらも、十分な力強さがあり、米の旨さも申し分ない。もちろん生酒としての風味も存分に生きている。美山錦の55%磨きといってしまえば、それまでだが、卓越した杜氏の技があってこそ、この味になるのだろう。天の恵みに感謝したくなるような味です。


2月18日(月)
福島県二本松市・大七酒造
「純米生もと(「酉元」と書く字です)」
 なめらかな飲み口と豊かで深いコクがあり、調和のとれた優しくおだやかな味がある。うるさいところがなく、長所がたくさんあるのに、それをひけらかさないつつましさというか、落ち着いて悠然とした雰囲気が感じられる。飲み進むうちに、なんとなく気持ちが静まっていくのが不思議である。
 ブームにとらわれることなく、これからも飲み続けていきたい酒のひとつです。


2月15日(金)
秋田県仙北郡神岡町・福乃友酒造
「60純米酒 福乃友(ふくのとも)」
 きれいに澄んだ色沢があり、強い香りや強烈な味ではなく、とても奥ゆかしい味がする。甘さ・辛さ・酸味・苦み・渋みのそれぞれが、お互いを邪魔していない穏やかな味がある。ほどよく枯れた佇まいは、熟成によるものと思う。美山錦の60%磨きにこだわったのは、杜氏の酒造りに対する自信と経験によるものだろう。おおげさに言えば、杜氏の生き方、考え方が反映されて、飲み手に伝わってくるような酒だと思う。


2月12日(火)
岡山県真庭郡勝山町・辻本店
「純米造り 炭屋 彌兵衛(すみや やへい) しぼりたて生酒」
 きれいすぎない微妙な味わいがあるのは、精米歩合が65%ということにもよるのだろうか?といっても、雑味を感じるのではなく、味の中心が、しっかりとした米の旨味なので、とても飲みごたえがある。生酒のフレッシュな香りの心地良さに加え、豊かなコクによって、原酒のような重々しさも引き出されている。美味しい酒は数多いが、なかなか出会えない酒といった感じがする。使用米が雄町米ということで、納得。


2月8日(金)
福島県岩瀬郡天栄村・松崎酒造店
「純米酒 廣戸川(ひろとがわ) しぼりたて生原酒」
 原酒なので、重いかなと思ったが、生酒の新鮮さと華やかで芳しい香りによって、全体から受ける印象は、軽やかである。後味として残るのは米の旨味。ほのかな渋さが味のアクセントになっている。力強さの中にも、繊細さが感じられ、どちらかといえば、端正にまとまったきれいな酒だと思う。


2月5日(火)
岩手県盛岡市・桜顔酒造
「本醸造 桜顔(さくらがお) 蔵出し一番」
 酒の一滴一滴が、ピョンピョンととびはねているような勢いがある。色づいた自然な色沢と全体から受ける荒々しさは、野趣に富んでおり、飲むごとに、「こんな日本酒もあるのか!」と思ってしまうほどのパワーがある。独特の存在感は、唯一無二ではないだろうか?アルコール度数の高さにも圧倒されました。


2月2日(土)
福島県郡山市・笹の川酒造
「本醸造 笹の川原酒 蔵出し」
 にごりの原酒。口に含むと、かすかに発泡のビリビリとした感じがあり、とても良い雰囲気。糖類などは無添加だが、米の自然な甘さによってまろやかな味になっている。清酒はもとより、にごり酒の独特な味わいにも、かなりそそられるものがあるが、この酒も例外ではない。素朴な味わいと白い色沢の中に、日本酒の原点をみる思いがする。



1月31日(木)
宮城県黒川郡富谷町・内ケ崎酒造店
「本醸造原酒 鳳陽(ほうよう)しぼりたて」
 毎年、この時期になると、しぼりたての酒が出回るようになり、酒飲みにはうれしい季節なのだが、特に思い入れのある蔵元の酒であれば、なおさらである。鳳陽さんの酒としては、めずらしく、わずかに色づいた色沢があり、味とともにしぼりたてであることが、実感できる。まさに、蔵元で飲む酒の味がして、蔵開きの日が待ち遠しく思われる。
 いつ飲んでも安心できるおいしさがある酒。


1月28日(月)
福島県田村郡三春町・佐藤酒造
「三春駒 傳(でん)」
 とてもしみじみとして、ほっとする味わいがある。いわゆる特定名称酒の部類には入らないものの、糖類は無添加、アル添の度合いもきつくない。多少の雑味もけっして嫌味ではなく、逆に言えば、この酒でなければ味わえない程度のもの。
 この蔵がある地元の居酒屋なんかで飲んだら、また違った風情があって、おいしく感じるのだろうな〜。
 気軽に飲めてうれしい酒です。


1月27日(日)
岐阜県羽島市・千代菊
「純米吟醸酒 千代菊」
 日本酒だから当然なのだが、米のしっかりとした味がする。なめらかなコクがあり、米の美味しいところだけを、ぎゅっとしぼって造られた酒といった感じがする。雑味がなく、わずかながら米焼酎のような味わいもある。
 山田錦のすばらしさが十分に引き出されており、貫禄を感じさせる逸品。


1月24日(木)
北海道札幌市中央区・日本清酒
「特別純米酒 千歳鶴 北の煌めき(きたのきらめき)」
 軽やかな辛口の酒。くせがなく、透きとおった感じがする。とはいえ、米の旨味がしっかりしているせいか、物足りなさはない。なにか特別な味わいがあるな〜と思ったら、北海道産の米(初雫)を使っているとのこと。今までに味わったことがない風味がとても新鮮に感じました。香りも穏やかで良いです。


1月19日(土)
石川県石川郡鶴来町・小堀酒造店
「特別純米生原酒 萬歳楽(まんざいらく)」
 とある酒店で偶然見つけた酒。ラベルに手書きに近い字で「特別純米生原酒 萬歳楽」と、書かれている以外は、なにも記されておらず、あやしい雰囲気にそそられて、つい買ってしまいました。昨年の厳寒期にしぼられてから秋まで寝かせてあったとのことで、生のフレッシュさと熟成のちょうど中間位の、なんともいえない味わいがある。適度に角がとれて、まろやかになっており、その複雑さに思わずうなってしまう。
 まさに、酒が季節とともに移ろいながら生きているということを実感させられる。すばらしい酒です。


1月15日(火)
岩手県二戸市・南部美人
「純米吟醸酒 吟(ぎん)ぎんが なんぶびじん」
 きれいな上立香があり、なめらかで、にごりのない味がする。すっきりしているが、飲み干すと米のふっくらした余韻が残る。他に類しないさりげない自己主張があり、流行に左右されず、悠然と構えているといった印象を受ける。力強さも感じられて、申し分なしの旨さがある酒。
 また一つ気になる酒蔵が増えました。


1月8日(火)
福島県西白河郡矢吹町・大木代吉本店
「純米吟醸本生原酒 自然郷(しぜんごう)」
 自然な淡い色沢に、飲み心をそそられる。生酒ならではの香りと、しぼりたての若々しさはもとより、甘さ辛さの味の具合がちょうど良く、旨口の酒となっている。飲み進むうちに、米の旨味がアルコール度数の高さと比例するように、どんどん強くなっていくのもおもしろい。
 契約農家が栽培した米で仕込んでいることからも、蔵の酒造りに対する真摯な姿勢がうかがえる。
 まさに「生きている酒」といった感じがする。


1月3日(木)
宮城県栗原郡一迫町・金の井酒造
「純米酒 小僧山水(こぞうさんすい)」
 ほのかな香りで、飲み口は、すっきりしているものの、米の奥深い味わいがある。なによりも日本酒らしい味があり、後味として感じるほどよい甘さが、全体の印象をまろやかなものにしている。とはいえ、純米酒の力強さがあり、しっかりした酒といった感じがする。
 美味しいです。


1月1日(火)
宮城県栗原郡築館町・さゝ錦酒造協同組合
「一番しぼり ふな口」
 うすにごりの色沢が、なんとも良い雰囲気。口に含むと甘い香りとしぼりたての味わいが、じんわり伝わってくる。アルコール度数がやや高いが、飲み口が良いのでグイグイ飲んでしまう。瓶の底に、オリがたまっているのを、あえて振らないでいると、盃にそそぐたびに、どんどんにごりの度合いが多くなって、違った美味しさが楽しめる。
 飲み進むうちに心が豊かになっていく酒。



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