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建築教育なんて固い言葉と思われがちですが、ここでは三条市高等職業訓練校・新潟デザイン専門学校で非常勤講師を歴任の経験から建築を学ぶに当たってのきっかけになりそうなはなしや、建築に興味のある一般の人たちに向けての講義のようなものを掲載しようと考えています。団塊世代の住まい空間についてなんてのも面白そうですね。
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第4回 図と地について
同じ図形の見え方がふたつ認識される、心理学者ルビンの盃と顔という有名な図があります。
図の中央が盃に見えたり、両側の黒地が向き合う人の横顔のシルエットに見えたりするものです。
これらのふたつが交互に認識される、この現象を図と地の反転と呼んでいます。建築をただのかたちとしてだけとらえるのではなく、これら図と地の関係に見られるようにかたちから生み出される空間でとらえようとした歴史はまだ新しく、50年程度しかたっていないそうです。
建築家、芦原義信氏の著書『外部空間の設計』にもイタリアの街の地図を建物と広場を塗り分けたものを反転させた挿絵があります。図をpositive、地をnegativeとそれぞれPスペース、Nスペースと名づけて外部空間のとらえ方を興味深く開設した名著です。東洋の水墨画に至っても墨の部分と塗られていない部分がどちらが図か地かゆっくりと眺めてもおもしろいですよ。空間をとらえる、認識するということは様々な角度から検証されてこそ、奥の深い建築が生まれ、その中にも浸れるのです。
次回は多次元の建築について述べてみたいと思います。 |
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