佐野自然塾

皇統問題

20110121日付

 

 今発行されている「別冊正論」14号は日本の皇室特集をしている。読んではいないが、民主党政権が続いている状況なので、少なからぬ危機感があって出されたのだろう。今この党の中枢にいる政治家たち、それは文革ならぬ改造内閣四人組、菅、岡田、仙谷、枝野であるが、彼らは押し並べて熱心な戦後平和憲法護持派である。皇室はお飾りとしてしか考えない進歩史観に立っている。そして一方で宮内庁の羽毛田長官はそんな彼らに、小泉内閣の時から懸案だった皇室典範の改定を求めている。誠に憂うる事態だ。
 菅総理は改造内閣を作って小沢切りを鮮明にした。それは満更ではないのかもしれない。なぜならば小沢もまた尊皇心が希薄であることを、習近平訪日の際に暴露されたいる。ところがその代わりに打った手があろうことか社会党系の重用だ。岡崎、直嶋らの副代表入り。これはもうダメだ。そう私を含めた伝統主義者は考えざるを得ない。
 こうした布陣が為されている政権が皇室典範改定に取り組まばどうなるか。「女性・女系天皇容認」でスンナリとまとまっていくことだろう。現状の皇室を取り巻く環境を考え、天皇制維持にはそれが面倒なく、手っ取り早い策だからだ 実際に秋篠宮に悠仁さまがお生まれにならなかったら、現皇室典範は男系の男子が継承するとなっているので、皇太子が継いだ後が続かなくなる。とにかく一息はついた。しかしあくまで一時凌ぎであり、さてその次はどうなるか。同じように世嗣ぎ不足が起きる可能性は消えず、万世一系で来た栄えある皇統は危うい。
 武士道精神がすたれ、経済大国も影が薄くなり、何が日本ブランドかと言ったときに、富士山と同じく変わらない秀麗な御皇室の姿がある。これを絶やすなどという馬鹿げた話しはなかろう。かといって残せばいいだろうとばかりに、男女共同参画を勧めんと女系をとったら、肝心の伝統を繋いだ重みは消失する。恙無く男系男子に継承させんとすれば、一定の宮家を確保し、側室を置くのが古来よりの習わしだ。現状それを復活させるのが順当である。ただ後者は納得を得られないから、皇族方、宮家の復活を早急にすべきだ。
 一説によると、こうした状況に至らしめた現皇室典範は、GHQが天皇制消滅を企図して出来ているらしいが、さらにそれを我が手で進めてはならない。