家庭の庭での病害防除を行う一番シンプルな方法は、発病してから対処するのでなく、予防剤としての薬剤使用です。薬剤成分名では、チウラム剤・キヤプタン剤・TPN剤、のローテーションで6月上旬から、9月中旬まで10日に1回の散布で、高温時に年2回ベノミル剤を混合散布。
 100uの場合、各薬剤1kg ベノミル剤100gもあれば十分です。
 散布のときは、展着剤を使用してください。
この種の薬剤は、園芸量販店で販売しています。
 希釈倍率、散布水量を守って、安全に薬剤を使用しましょう。

 殺菌剤だけでの病害防除は、限界があります。土壌環境の改善し病害の発生要因を1つずつ外すことが、病害防除の第1歩です。
 実際に2001年頃から細菌性病害が問題になっています。発生は主としてベントグリーンですが、ブルーグラス・ライグラスでも発生が確認されています。
一般に細菌性病害に有効な殺菌剤が数少ない(あるいはほとんど無い)のが現状です。


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病害防除

希釈早見表

 一般的に、庭で芝草を管理するにあたり、判断の難しいのが病気の特定だと思います。
よくある本やサイトで、芝生の病害との防除法・・・云々と写真と横に病名・対処法が書いてあり、いかにもこれでバッチリのようにありますが、うまく防除できる人は何人いるでしょうか。
 芝草の状態に変化があった時には、総合的に見る目が必要です。葉が黄色く変色してきた場合では、乾燥(水枯れ、根の状態不良)、濃度障害(肥料焼け、薬害、動物の尿によるもの、食塩こぼした)熱焼け(凹レンズ、水の入ったペットボトルでの光の屈折、炎天下に鉄板等置いた)、過水、光合成不良(物の下敷きのなった跡微量要素不足)、油(芝刈り機のオイル漏れ、燃料漏れ)すりきれ(子供が片足でつま先立ちしてスピンして遊んだ)、虫害、病害、と、パッと思いつくだけでもこれだけあります。
 写真でみた病班と同じように見えても、実際は違うケースも多々あり、多くの場合では、1種類の菌でなく複合した病害が発生します。
 私が管理する場合では、総合的に観察し病害が疑われる場合、変色箇所外輪付近の芝草を根ごと採取し顕微鏡で検体し病気を特定します。病気が特定できたら、薬剤のローテーション、魚毒性・投下薬量を考慮し使用薬剤を決定。降雨の状況判断。散布ノズルの選択。散布。発生の要因の検討・対応。病害防除結果の確認。こんなところですが・・・・

 ゴルフ場の場合は、使用農薬の規制があり日本国が使用を認めた農薬でも、農家の人は使用OK、でもゴルフ場は、使ってはダメ〜っていう薬剤があります。防除効果も高く、安価で経済的。食料を作ってる農家は使用OKでも、ゴルフ場は規制がかかります。
 この規制によりゴルフ場は、魚毒性が低い薬剤を使用してます。防除適用範囲の狭い高価な薬剤を使用するため、病気の種類の判定には慎重になります。
 一般の家庭では、使用規制もありませんので、高価な薬剤を使用しなくても防除できます。まして高価な薬剤=防除効果が高い訳ではないので使う必要がありません。
 芝に対して使用適用があり野菜の栽培にも使用されている薬剤を、家庭の芝に使わない手はありません。薬剤は出来るだけ使わないで過ごせることができれば良いのですが、使用法を遵守し正しく使用すれば危険なものではありません。

 

病害防除