モルディブ・ビヤドゥ




いつだったか。
テレビに映し出された南の楽園は私の心を捉えて離さなかった。
その、珊瑚だけでできた島々は、「インド洋の真珠」と呼ばれる。
確かに、蒼い海にポッカリと浮かぶ白亜の島々はまるで、真珠の首飾りのようにも見える。
白い砂、碧い海、緑の椰子、青い魚、黄色い魚、、赤い魚、蒼い空。
夢にまで見た典型的な南の島が、そこにはあった。

十数年たった。
モルディブ訪問は実現した。
1997年12月6日〜13日、モルディブ・ビヤドゥへ。

ビヤドゥまでの長い道程

今回使ったのはマレーシア航空。
クアラルンプール経由で行くこの方法は、一番時間がかかるし、日本時間の真夜中に乗り換えをしなくてはいけない分、当然、安い。
クアラルンプールのクチン空港では5時間くらい次の飛行機を待たなくてはいけないが、その間はショッピングしたり、食事したりと、結構楽しかった。
街へ繰り出すにはちょっと時間が足りないけど、空港の外に出ると東南アジア独特の雰囲気が楽しめる。


クチン空港で偶然、知り合い
に逢った。相変わらずだなぁ、
お前。


会社向けなど、どうでもいい土産品は、行きの間にメボシをつけて、帰りの10分でまとめて買ってしまう、という荒業も可能。
ちょうど、アジア通貨暴落の時だったので、ずいぶん安く買えるのでは?と期待していた。
が、現地通貨であるリンギットマレーシア(RM)は、USドルに対しては確かに暴落していたが、同時に円もドルに対して弱含みで130円近辺まで円安が進んでいたので、お買得感はそんなになかったように思う。
むしろ、モルディブのリゾートではUSドルのみの利用だったので、得したというよりも、やられたという感じだった。
さらに突き詰めると、リゾートではカードで決済したのだが、換算レートは使用時ではなく、使用明細がカード会社に届いた時ということで、140円くらいの円安水準にて換算されていた。
トホホ・・

マレーシア航空を使うと、モルディブ入りは日本時間の午前3時くらいになる。
スピードボートに乗り、ビヤドゥへと向かう。
窓が海抜30センチくらいのところにあり、開けると、相当な量の水しぶきが入ってくるが、閉めると蒸す。
みんなよく眠れるなーと思いつつデッキに出る。
真っ暗で何も見えないが、今、確かにインド洋にいる。

ボートに乗ってからは1時間くらいでビヤドゥ・アイランド・リゾートに着く。
桟橋の電灯に照らし出された、水深40cmくらいの浅瀬にはブラックチップのこどもが水面に背ビレを立ててジョーズ状態で泳いでいる。
誰かがツノダシを見てハタタテ!と叫んでいる。
エイも、いる。
真っ白な砂に、透明な海。
信じられないくらい近いところにいる、いろとりどりの魚たち。
ついにきた、念願のモルディブ。




ビヤドゥは1周歩いて15分くらいの小さな島。
周囲はリーフに囲まれ、ドロップオフになっているが、どこからでも潜れるというわけではない。
珊瑚の切れ目がドロップオフまでつながっている通称「パッセージ」が6つあり、エントリー、エグジットはそこからのみ行える。
海況によって、お勧めのコースや潜ってはいけないコースがDSの黒板に掲示される。
チェックダイブでOKが出ればバディ単位で潜ることができ、すべてが自己管理の下でダイビングをすることになる。
こんなに素晴らしいところで、こんなに自由なダイビングができるなんて!
某伊豆諸島→別項参照で管理体制を敷くガイドなどには、ついて潜れなくなってしまう!
このままではリゾートダイバーになっちゃう・・・あ、もうなってるか。



「餌付け禁止」となっていたが、
このミスジの集まり方を見ると、
どうもみんなやっているようだ。
キスも可能。




つづく