第二章 南極会議


3 羊は何処に



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時二二分 南極 和平会議会議場 アプリコット基地 空港管制室

 南極で行われている和平会議の参加者を受け入れるために、会議場であるアムンゼン=スコット基地(長ったらしい固有名詞の常として、AS基地と略されるのが普通だった)にほど近いアプリコット基地の空港が、公国側に提供されていた。
 連邦側はそのままAS基地の空港を利用している。公国がそれを受け入れたのは、空港の管制システム一式を公国の自由にすることが認められたからである。わざわざ管制員を送り込んだり、かなり多くの機材を持ち込まなければならないなど、面倒なことも多かったが、機密保持の観点からもその方が好ましいと公国側の担当者は考えていた。実際のところ、コムサイを使って一気に可動型の野戦指揮所と管制機材を持ち込んで以来、問題らしい問題も発生していなかった。AS基地とのデータリンクを生かし、基本的な管制を連邦側が行ったことがその原因だろう。
 しかしそのデータリンクのおかげで、現在連邦側の管制室で起きている混乱は、アプリコット基地の管制室にも伝染していた。
 一方で軌道上に配置している艦隊から、ほんの数分前に南太平洋南部の上空で核爆発が発生し、その際に発生した電磁波パルスのために各種センサーの機能に異常が発生したという連絡があった。
 オーストラリア東部に落着したコロニーが巻き上げたエネルギーは、地球全域の気象条件を完全に狂わせ、三週間を経た現在でも大規模な異常気象が頻繁に発生する。このためにただでさえ良いとは言えなかった無線通信の環境がさらに悪化し、艦隊との連絡状況は絶望的に悪くなった。
 そのためにレビルを乗せたコムサイは、電子的な観測網から完全に離脱している。もっとも今この瞬間について述べるならば、シャトルは無線の届かない電離層を降下中なので、どのみち連絡は付けられない。
 公国の将校たちは、この核爆発が連邦の工作だろうと見当をつけていた。公国側にはそのような計画は存在していない。あるいは自分たちが知らされていないだけなのかもしれないが、まず考えられない。そのような工作を行う理由がないからだ。
 では連邦ということになるが、こちらの方も理由が見つけられない。
 レビルの暗殺を謀ったのではないか、という声も挙がったが、それも疑わしかった。確かにレビルをさらし者にされるのは連邦のもっとも避けたいシチュエーションではあろうが、それだけで公国の船舶に対して核攻撃を仕掛ける理由になるのかといえば弱すぎるだろう。軌道を公国艦隊が固めている現状では、成算の面からも疑わしい。現にシャトルは、核爆発による直接的な打撃を被っていない。
 いずれにせよ核爆弾というものが単なるテロリストが玩ぶには難しい代物である以上、この爆発が連邦軍の起こしたものということは確実と思われた。
 であるのなら、注意深く状況の把握につとめることが一番だった。また、現在の情報量ではそれ以上のことは出来そうになかった。
 公国の管制員たちは、そこまで分析を行うと、後はシャトルがさっさと電離層を抜けてきてくれることを願って待つしかなかった。少なくともそうなればレーザー通信が可能になる。



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時二二分 南半球上空 高度2万メートル 連邦軍E−14Fスカーヴィズ空中早期警戒管制機 『メイジャイ2』

 ジャブローの統合司令部に詰めている参謀たちが探しあぐねている『神の目』は、今この瞬間に限れば、もっとも神の座に近かったといえるかもしれない。
 高度のステルス機能を付与されたスカーヴィズの機体に、大型のレドームと無数の探知装置を備えたF型は、「三機揃えば空母機動部隊一式が買える」と評されたほどの高価な機体であるということさえ除けば、同種の機能を持ったものの中ではレーダー時代最高の性能を誇っていた。
 維持に途方もない手間がかかるために、連邦軍をしても常時三機程度しか運用できないという、ある意味ではMSなどよりもよっぽど「超」兵器であるこの機体を預かっているラジャブ准将は、表情にこそ出さなかったものの、困惑の念が募ってくるのを押し殺せきれずにいた。
 規定上問題はないものの、正規の命令系統をいくつもスキップして命令が飛び込んできており、それが述べていることは、ほとんどクーデターを実行せよとでも言うべきものだったからだ。
 一〇〇五時、アルファ1・2およびベータ1離陸。同時にステルスモードに移行。対ステルス索敵モードの実施不許可。
 一一一二時、ベータ1によるEMPジャミング実施。アルファ1・2、加速開始。
 一一一六時、アルファ1・2、ロメオ1を捕捉。
 一一二三時、ミノフスキー粒子散布。
 今のところわかっているタイムテーブルはこれだけだ。
 彼のスカーヴィズは、これらのことを『黙って』見ていろ、と命じられていた。確かにスカーヴィズの性能なら、多少のステルス能力など裸同然に剥いてしまえるし、EMP/ミノフスキー粒子によるジャミング環境下にあっても、かなりの能力を維持し続けることが出来る。なにせ、スカーヴィズF型にのみ装備されているニュートリノセンサーは、程度にもよるが、地球の裏側のものをも探知することすら不可能ではないのだ。
 それゆえに、おそらくはほかの二機のスカーヴィズにも同様の命令が下っているのだろう。現在、ヨーロッパと中央アジア方面に配備されている残りのスカーヴィズにも、ここで起きていることを探知できないはずがないからだ。衛星軌道を使えない以上、そしてほかの警戒機がEMPとこれから散布されるミノフスキー粒子によって盲目にされる以上、連邦軍は完全に『目』をつぶされることになる。
 そしてジオンの使節団を乗せたシャトルがどこぞの特殊部隊にハイジャックされる。
 誰が画策しているのかは知らないが、ここまでいろいろと動かせるだけの力を持つ者ならば、核ミサイル程度は使えるだろう。あるいは戦略ミサイル原潜でも可能かもしれない。もし、後者を動かすことが可能なら、なにを望もうが、たとえ神でも止められないだろう。



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時二三分 南半球上空 高度三〇〇キロメートル 連邦軍AC−11D ヴェイグ強襲機D装備型 『アルファ1』 突入モジュール内

「ミノフスキー粒子濃度上昇中」
「『メイジャイ2』は無事のようだな」
 ノーマルスーツのようにも見える装甲与圧服に身を固めたファンは、ヘルメットのイヤホンから流れてくる声にそう答えた。
 誰にでもわかっていることではあるが、指揮官が言葉に出すと、それだけ安心できるというものだ。
 まあ、安心ばかりしてもらっても困るがな。ファンは同時にそんなことも考えていた。
 脱出速度すれすれの秒速十キロを越える速度を得るために行った猛烈な加速を終え、現在は自由落下に近い状態である。肉体的な緊張が弱まるのにつられて精神的な緊張が弛緩していたのでは困る。本当の出番はこれからになるからだ。
「『アルファ2』、アプローチ開始。当機のアプローチは二三五四の予定。現在の誤差プラス三。カウントダウンはマイナス二〇より開始。」
「よし、いこうか」
 ファンはバイザーで表情の見えない部下たちの顔を見回した。ふむ、問題ない。そう自分に言い聞かせる。
「……二〇、一九、一八、」
「『アルファ2』、コンタクト。作業かかりました」
「一五、一四、……」
 さて、この戦争の名シーンを演出できるか、すでに無数に収録されたNGシーンの一幕を飾るか。
「……一二、一一、」
「『アルファ2』、機首部レーザー通信回路のジャック成功。続いて突入口部警報管制にハッキング」
 レーザー通信の管制を奪うと同時に、シャトルとアプリコット基地との間でこれまでに交わされた通信記録を傍受して創り上げた『シャトル機長』が、基地との交信を求めることになる。
 もっとも、それは電離層を抜け、大気圏突入時のレーザー通信交信不能圏よりも高度が下がってからのこと。まだ高度にして一〇〇キロメートル。時間にして四〇秒強ほどある。そのときまではこれまで通り、従順に主に仕えていてもらう。
「六、五、四……」
「では、グッドラック」
「二、一、接舷」
 ある程度のショックを覚悟していたが、予想に反して何の振動も感じなかった。『アルファ1』機長の操縦の腕と機載コンピュータの予測、そしてそれらを裏付けた『メイジャイ2』の観測精度の三つが重なって起きた、ちょっとした奇跡だ。
 幸先がいい。これならまだ感づかれていない可能性が高い。シャトルの機首部分が起こす衝撃波の陰に隠れた『アルファ1』は、小判鮫のように張り付くことが出来たらしい。『アルファ2』とてそれは同様だろうが、より機首部に近いだけに、こちらほどうまくいっていないはずだ。
 ただし、それが危険を意味するのかと言えばそうでもない。シャトルの機首部分は、衝撃波に耐えるために分厚い耐熱装甲が施されており、そのために『アルファ2』の接舷に気付いた可能性はきわめて低いはずだ。衝撃波故にセンサー類の設置も難しくなっているからだ。
 むしろ比較的衝撃波の弱い位置に接舷するために、監視の行いやすい『アルファ1』の方が見つかりやすいはずだった。それが見つからなかったとするならば、奇襲が成功するはずだ。そのことは敵の反撃うんぬんよりも、なにかしらの手段で他所に連絡を付けられる可能性が下がるということの方に意味がある。
 ファンはにやりと笑うと、突入ゲートが開く瞬間を見守った。



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時二四分 南半球上空 高度二三〇キロメートル 公国軍シャトル コムサイ 機体上部外壁

 ファンたちは、シャトルへの突入に際して、エアロックを経由するつもりはなかった。
 外壁を爆破して突入するのは、航空機突入時のセオリーであるし、当然の選択であるともいえるが、予定を立てる段階ではエアロック突入も考慮に入れられていた。その理由は、大気圏突入時の機体突入という例を見ない「壮挙」が、「暴挙」と隣り合わせであった理由と同じである。つまり、大気圏突入の際に生じる熱と衝撃のため、機体に穴をあけて突入すると、機体自体が分解しかねないということだ。
 その問題は、ファンが空軍の強襲機ヴェイグと、大出力ブースター及び耐熱・衝撃考慮のなされた再突入装備であるD装備を獲得することに成功したことで解決された。
 軌道上からの降下作戦に用いることの可能なヴェイグと、元来は緊急救助活動用に開発されたD装備は、双方を組み合わせることによって、特殊部隊の作戦に使用することも不可能ではない。『アルファ2』の指揮官を務めるバーク大尉は、情報局に引き抜かれる前に配属されていた空軍特殊部隊時代に、そうした趣旨のレポートを書いたことがある。あまりに作戦の環境が予想しにくい故に、そのレポートは現在、同様の評価を下されて文書室に眠っている膨大な数のレポートの一つになっている。
 たまたまそうなる前にファンがそのレポートに目を通していたことと、バークが自分の部下として配属されていたという二つの偶然がファンの味方に付いたことが、このような冒険的な計画が立案、実行された理由だった。
 しかし、それでも問題がある。突入用の特殊装甲を持つ機体が赤熱し、流星が燃え尽きるほどの摩擦熱が生じる中では、突入用のモジュールが耐えられないのだ。いくら衝撃波の陰に隠れ、機首部分ほどの熱を受けないにしても、空力的には余計な出っ張りにすぎない突入モジュールは、それ自体が許容量以上の衝撃波と熱を発生させ、双方の機体を破壊しかねなかった。
 この問題を解決したのもバーク大尉である。
 彼が突入に際して使用を提案したのは、やはり空軍時代に研究が進められていた特殊降下用のバリュートシステムだった。
 高分子樹脂、つまりプラスチックのような物質を機体前方に放出し、それが蒸発する時の気化熱で機体に及ぼす熱量を緩和するという発想は、旧世紀中に高速度実験機や当時のシャトルで実用化されていた耐熱塗料で使用されていたものと同じものである。空軍ではそれをさらに発展させ、突入能力を持たない物体を突入させる際に使用することは出来ないかと考えていた。可能であれば、軌道上からの空挺作戦が飛躍的に実施しやすくなる。
 旧来の技術の延長上にあるため、開発自体は簡単に終了した。なおこれは余談だが、公国軍もその技術に興味を示し、同様なシステムを開発して一年戦争初期の地球降下作戦の際に用いている。
 バークはヴェイグの機首部下方部分にバリュートシステムを設置し、機体の下部分をバリュートで保護することで、突入モジュールの発生する摩擦や衝撃を回避しようとしたのである。
 無論、『アルファ1』の突入モジュールだけでなく、『アルファ2』がシャトルの管制を乗っ取るために接続している端末も、同様の手段で保護されている。
 心配なのはバリュートの蒸発による空力条件の変動がもたらす振動だったが、コンピュータによるシミュレートでは解決が可能であるとされた。ファンたちにとって幸運だったのは、そのシミュレートが珍しく正解を出したことであろう。
 バリュートによって保護されている突入モジュールが、シャトルの背中に張り付き、シャトルの装甲データから慎重に出力が調節されたレーザーで外壁に切り込みを入れる。さすがにこの段階にくると、何らかの警報が機能するはずだが、それすらも沈黙を守っている。『アルファ2』が黙らせることに成功したらしい。
 コンピュータ相手の電子戦に限定するならば、連邦軍の側に一日の長がある。どうもそういうことらしかった。



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時二四分 南半球上空 高度二〇〇キロメートル 公国軍シャトル コムサイ 機体内部

 この瞬間、シャトルは毎秒四キロメートル強の速度で降下を続けていた。二機のヴェイグが接舷したことで、かなりの空気抵抗が発生する事になったわけだが、その分は事前のシミュレーションに従って、スラスターを少しずつ吹かすことで対応している。勘のいいパイロットなら何らかの異変に気付くかもしれないが、ごくわずかな対応時間の間にすべてを理解して、適切な対応処置を執れるとも考えられない。ちなみにファンたちの立てた計画が、シャトルの機載コンピュータとパイロットに与えた時間は約六秒である。
 四層にも渡って焼き切られたシャトルの上面装甲は、重力の法則に従って機体内部に転落したわけではなかった。もっとも、自由落下に近い現在の降下状況では、大音響とともに落下ということもなかっただろうが。突入モジュールは、アームの先に取り付けた吸盤で四層の装甲鈑すべてを保持し、静かに内部の床面に向かって降ろしていった。それと同時にカメラが内部の八方に突き出され、素早く状況を把握する。
 ヴェイグの接舷位置がシャトルのカーゴベイ中央部に来るように設定されていたので、現在位置がどうなっているかは判っていたが、最優先の目的であるレビル中将の所在がはっきりしていなかった。事前の予想では操縦席付近の搭乗員控え室か、カーゴ内部に要人用の特殊居住モジュールを搬入して、その中に軟禁しているだろうということになっていた。このモジュールは、宇宙空間を移動している最中のテロ攻撃や事故などで機体が破壊された後にも脱出ポッドとして機能するもので、要人の移動の際には割と普通に用いられるものだった。
 普通に考えればモジュールの方にいるはずである。つまり機体後部のカーゴベイだ。もっとも、操縦室を制圧することはシャトル突入のもう一つの目的であるので、いずれにせよ機体前部の搭乗員控え室も制圧されることになってはいたが。
 本来ならば非殺傷型の神経ガスなどを注入して内部の抵抗を弱体化させるところだが、今回は見送ることにした。奇襲が成功したようだし、わざわざ機体側のセンサーにガスを見つけてもらう必要もないだろうとの咄嗟の判断である。
 カーゴの中はやはりモジュールが存在した。ごく小さな可能性ではあるが、トラップということもある。解錠用の端末を持った要員が、用心しながら入り口のロックを解除にかかる。セオリーでは壁面を低振動状態で爆破するところだが、相手が相手だけに並の爆破術では通用しない。無理をすれば中のレビルまで吹き飛ばしてしまう。  ファンは突入した自分の部下を二つの班に分け、モジュールを担当する方を自分の班とし、操縦席までを制圧する班をイン大尉に任せていた。本音を言えば自分で制圧を行いたかったが、指揮官がむやみに身を危険にさらすのはよろしくない。
 実のところ、部下たちには『アルファ1』内か、出来れば『メイジャイ2』から指揮を執ってほしいと言われていたのだが、それだけは断固拒否した。陣頭指揮をしない特殊部隊の指揮官なぞいるものか、というのがその際に用いた理由だが、それだけではないということは本人にもよく判っていた。
 こんなわがままを言ってられるのも中佐のうちだけだな。頭の片隅を、一瞬そんな考えがかすめた。大佐に昇進してしまえば、権限が増える代わりにこんなスリルとはお別れ……。ファンは勝手に浮かんできた思考を無理矢理追い払って、現実だけに集中した。あるいは、こんな思考が浮かんでくること自体、俺が老いぼれたってことか?
「解錠完了」
 この作戦で彼の副官を務めているガラント大尉の冷静な声が、彼を現実に引き戻した。
 反射的に声が命ずる。
「突入」



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時二四分 南半球上空 高度一七〇キロメートル 公国軍シャトル コムサイ 機体内部操縦室

 彼らの計画は、三十六秒以内に完了させることを求められていた。この三十六秒という数字は、彼らがシャトルに突入してから、シャトルが電離層を抜けて交信が可能になる高度に到達するまでの時間から割り出された。そのうち六秒は、『アルファ1』がシャトルの装甲を排除するのに用いられている。
 イン大尉を含めて四人からなるもう一つの班は、ファンの班に続いてシャトル内部に降りると、カーゴベイの壁面に設けられた階段を上り、操縦室との間を結ぶ廊下を求めて扉にとりついた。ここまでで十九秒。
 フル装備になると二十キロを超える装甲与圧服だが、降下中の機体内では逆Gがかかるため、体感としては大したものではない。いずれにせよ、彼らはその倍の加重下であっても全く同じ作業を行えるだけの能力を持っていた。手早く扉のロックをチェックし、ごく普通のロック以外の邪魔者がないことを確認した。
 彼らが手を下すまでもなくロックが開く。『アルファ2』が解錠コードを送ってきたのだ。この時点で『アルファ2』は、シャトルの操縦系統などの心臓部を除き、ほとんどの回線を管制下においていた。
 扉が開くと廊下をチェック。問題がないことを確認して廊下に突入。二十三秒経過。あと十三秒。
 廊下には誰もいない。常識的に考えるならば、操縦員は操縦室にいるし、ほかの者がいたとしても、その場合は操縦員控え室にいるはずだ。
 ここでトラップや待ち伏せの可能性が考えられたが、これまでの状況と『アルファ2』の情報操作を信じて一切無視。時間を最優先させて二人ずつ突入。正面突き当たりの操縦室までの短い廊下を、無音で走る。
 操縦室の前にたどり着くまで、何のリアクションもなかった。あと十一秒。
 この段階に至るまで、『アルファ2』も操縦室の扉には手を着けていなかった。セキュリティの関係上、操縦室と動力関係の部分はもっとも強力な防護がなされており、簡単には開かない上に、下手に手を付けるとこちらの介入がばれ、計画を崩壊させかねないと判断されたからだ。
 しかし、この段階になれば関知されたところでかまわない。もっとも、簡単に扉が開くかどうかは判らない。『アルファ2』は、力任せにシャトルの全管制を乗っ取ろうとした。同時に扉を強制的にスライドさせるべく、一人が作業にかかった。イン以外の二人は、すぐ近くの操縦員控え室の扉を開いた。すでに『アルファ2』から、この部屋には特殊なロックがなされていないことと、室内を監視するカメラなどは装備されていないことが報告されてきている。つまり、レビルがここにいる可能性はほとんどないということだ。
 インのヘルメットに、『アルファ2』からサドン・デスの失敗を告げる連絡が届いた。あと九秒。
 控え室の扉を開く。内には誰もいない。二人はそれぞれ操縦室への突入と後方を援護する体制をとった。あと八秒。
 扉に開閉装置を仕掛けていた部下がインの顔を見てうなずいた。インもうなずき返す。七秒。
 さっと下がってスイッチを押す。ボズッという低い音とともに扉のロックが破壊され、強力な電磁石と接着剤で扉に接続されたアームが、扉をわずかにスライドさせる。開閉装置は自動的にその隙間にジャッキを差し込んだ。再び爆発音がして、ジャッキが扉を無理矢理に開いた。ここまでの一連の動作は、コンマ四秒ほどを要しただけである。
 無論、操縦室の中の全員は爆発音に反応する。ちなみに、爆発音が脳に届いてから何らかの動作を行うまでに要する時間はほぼ一秒である。爆発が終わってから操縦席の二人が反応するまでのコンマ六秒ほどの間に、インは操縦室に突入。バックアップに入っていた部下の一人は即効性の筋弛緩ガスを放出する。インは両手をつきだして、副操縦席に座っていた一人の後頭部と、主操縦席に座っているパイロットの側頭部にスタンガンの銃口を突きつけ、そのままゴムスタンガンを撃ち込んだ。
 もし外すとパイロットたちに対応の時間を与えることになる。一応、もう一人の部下にバックアップを命じていたが、ドアの隙間を通って突入することの出来るのがイン一人であるという位置関係の都合上、その場合にはパイロット二人の後頭部に、低初速の炸裂弾か電気ショック式のスタンガンを撃ち込まざるを得ず、いずれの場合にもシャトルの機能に重大なダメージを及ぼしかねないところだった。
 インは自分の仕事に満足する間もなく管制システムのコントロールを手に入れ、『アルファ2』に引き継ぐ作業に取りかかった。あと五秒。
 なすべきことは簡単だった。レーザー回線を緊急モードで起動。これだけで機体のコンピュータが無防備なままで、『アルファ2』の待ちかまえる回線にアクセス。人間の体感としてはまさに一瞬のうちに全システムをジャック。
 任務完了。
 インはバイザーの隅に表示されている残り時間を確認した。
「まだ三秒余っているな」
 それが彼の言葉だった。



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時二四分 南半球上空 高度七〇キロメートル 公国軍シャトル コムサイ カーゴベイ 居住モジュール内

「S2、二四二七、任務完了」
「ベイト、疑似人格プログラム起動」
 インとバークの二人の大尉が、同様に簡潔な報告を送ってよこしてきた。
「……というわけです。閣下」
 彼らがここにこうして立っている理由が目の前に存在していた。
 レビルは、年齢相応に疲れた表情を見せていた。
 無理もないところだ。ファンはそう思った。彼の立場は、絞首台の階段を昇りだしたところで無罪放免を告げられた死刑囚のようなものだったからだ。
 付け加えるなら、この場合、彼の死刑執行は連邦軍、そして連邦全体の死刑執行でもある。今現在までの間にどの程度の情報を与えられていたのかは想像に任せる他ないが、もちろん充分なものではなかったはずだ。ある程度の想像力を持つ人物にとって、この状況は拷問にも等しい。
「それで、これから我々はどうするのかね?」
「今頃、連邦とジオンの関係各所に、ケープタウン基地で発生していたクーデターは無血の内に鎮圧に成功したとかいう内容の報告が届いているはずです。航空隊の一部がミノフスキー粒子を散布して、まさに一触即発の段階でかろうじて鎮圧したとか。そしてあと何分かすれば、連邦政府がジオン政府と代表団あてに報告と謝罪のメッセージでも送りつけることになるでしょう。ところでこのシャトルはエンジントラブルを起こし、ミノフスキーの雲の未ださめやらぬ中でジオン側空港に連絡を送り、より規模の大きく管制能力の高いAS基地の空港に着陸することになります。ま、盛大な抗議を受けるかもしれませんが、あとはそのままなし崩しに議場に直行していただくことになります。それからは、まあ、閣下がジオンに強要されていた配役を、裏返して演じていただくということになります」
「無茶な話だな」
 レビルの常識的な意見に、ファンはすまして答えた。
「勝てば官軍です」



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時二五分 南極 和平会議会議場 アプリコット基地 空港管制室

「『カエサル1』、確認する。回復は無理なんだな?」
 管制官の冷静な声に、わずかに焦りらしきものがにじみ出していた。彼がこの状況に動転しているというわけではない。どちらかというと、管制室を包み込む空気に影響されだしたと表現した方が適切だろう。
 無理もないところだ。自席の真後ろに何人もの上司を立たせて、戦場さながらの着陸環境で、とびきりのVIPを乗せた故障機を誘導するなどという作業を歓迎する者などいるはずがない。
 ヘッドホンごしに聞こえてくる声は、管制官の声と同質の要素があった。絵に描いたような絶体絶命の危機に、内心を押し殺して冷静に対処するプロフェッショナルの声……。彼の声は管制室のスピーカーからも流れ出していた。スクリーンには映像も出ているが、ノイズがかなりひどい。
「『アプリコットGC』、まず無理だ。制動用スラスターの回復時間は不明。検査ルーチンはランクDを宣言している、送レ」
 管制官は、コンソールに映し出されているシャトルの情報に加え、それを分析し終えたコンピュータの判断を確認した。
「『カエサル』、こちらでも確認している。……『カエサル1』、『アプリコットGC』は、非常事態の宣言を承認する。コースG−2の使用を許可する。現在の推力でコースG−2を経由可能か? 送レ」
 しばらくの沈黙。ややあって沈痛ともとれそうな声が聞こえてきた。
「『アプリコット』、不可能だ。現在の荷重ではオーバーランすると判断する。『カエサル1』は、「積み荷」の廃棄か、コースG−4の使用許可を要求する。送レ」
「なんてことだ」
 管制官の背中から基地司令の呻き声が聞こえてきた。
 次の瞬間、『カエサル1』機長の判断を分析したコンピュータが回答を表示する。
 表示を読みとった管制官は、思わず振り返った。これは彼のみで判断できる事態ではなかった。
 基地司令は一瞬言葉に詰まった。しかし、躊躇している場合ではなかった。少なくともそう思われた。管制官のヘッドホンに通じるチャンネルを開く。
「G−4への着陸を許可する、と連絡したまえ」
 苦渋にあふれた声を聞いた管制官は、しかし、どこか奇妙な感覚をも感じ取っていた。なにかこう、違和感のような……。が、一瞬の間もなくそれを振り払い、シャトルの機長に呼びかけた。
「『カエサル1』、『アプリコットGC』は、コースG−4の使用、及びアムンセン=スコット基地空港の着陸を許可する。以後、同空港管制『ASGC』の誘導に従え。通信コードは『アントン3』、終ワリ」
 シャトルに指示し終えた管制官は、シャトルに呼びかけるAS基地管制官の声を聞きながら思った。確か、あの違和感を感じたのはずいぶん昔、訓練校のシミュレーターで、さっきのように次から次へとトラブルの飛び込んでくる事故機を管制する危機管制課程のスペシャルコースを受講したときだった。シミュレーターがヘッドホンに吹き込む報告は、何か現実離れしたものを感じさせたものだ。
 管制官は自分の思考に疑問を感じた。何でまたそんな昔のことを?



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時三七分 南極 和平会議会議場 アムンゼン=スコット空港 空港管制室

 管制室は、原因不明の故障を起こして非常着陸を申請してきた公国政府の専用シャトルを誘導するために、かなりの混乱を起こしていた。
 誰が乗っているのかは知らされていないが、公国側管制官の様子から察するに、相当の大物であることは想像できた。もっとも、そうでなければ、この段階になってから政府専用のシャトルなどを使って降りてくるわけがない。
 しかも、つい先ほどにケープタウン基地でクーデターが発生していたことが判明した。どうもそれが、ミノフスキー粒子の散布や核爆発を起こして混乱を引き起こした原因らしかった。
 もっとも、すぐさま鎮圧に成功したらしいのだが、ひとたび発生した混乱がすぐに収まるはずもない。連邦と公国、双方の管制官が悪態をつきながら空港の管制に汗を流していたのはそのためだった。別に政府専用シャトルなどが降りてこなくとも、傍若無人に飛び回る報道関係者の航空機を管制するなど、仕事は山のようにあったからだ。
 だから、一瞬前まではステルス状態で管制情報から姿をくらませていた連邦軍の特殊作戦機がアクセスを求めてきたことに対し、特に注意を払った者は少なかった。  ただし、特別に強力な暗号に守られ、レーザー回線を用いて送り込まれた通信が担当の管制官に届いたとき、彼は表情を変えた。同時に通信を受け取った他の管制官や、主任管制官も同様の表情をしている。
 通信は最優先の優先度を与えられており、その内容は、連邦軍の特殊作戦機が、会議場に直接着陸する許可を求めるというものだった。



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時四四分 南極 和平会議会議場

 かなり無理な急角度で、轟音とともに滑走路に着陸してきたその機体は、すぐさま地下ハンガーに収容された。
 通常の航空機が行うタキシングの手順などを一切無視して、滑走路からそのままハンガーに入ったのだ。
 もっとも、衆目の監視は、つい一分ほど前に着陸し、着陸脚のタイヤをバーストさせながらも火を噴くこともなく停止することに成功し、現在は消防車の放つ消化剤に包まれている公国政府のシャトルに集まっている。
 会議場では、出席者のほぼ全員が、大モニターに映し出されている消火作業の様子に見入っている。
 ごく少数の例外の一人であるヤング事務次官は、彼の個人用コンソールに設けられたディスプレイに、『アルファ1』の着陸と収容作業が完了したという表示を見た。
 連邦が打った大博打が当たったらしい。ヤングは心の中で大きな安堵のため息をもらすと、キーの一つをたたいた。それだけで次の手はずに進むようにメッセージが送られる。
 ヤングは、代表団の団長であるオーウェルの端末にメッセージを送った。
 ディスプレイに表示される文面を見たオーウェルは、怪訝そうな表情をヤングに送ってみせる。
 それとほぼ同時に、大モニターの映し出す光景が変わった。
 会議場のあるAS基地の一部だ。シャトルのいる空港ではなく、空港地下にあるハンガーである。空港のシャトルよりはかなり小振りの航空機が映し出されていた。ヤングはオーウェルに小さくうなずいて見せた。同時に小声で言う。
「事情はあとです。メッセージの通り発言してください」
 有無を言わさない調子にとまどったものの、彼の雰囲気に飲まれたようにマイクに向かって発言する。
「皆さん、ここで突然ですが、連邦政府の特使を紹介いたします」
 ヤングは、コンソールに手を伸ばし、もう一つのキーをたたく。
 シャトルの扉が開いた。同時にカメラはズーム。
 会議場に息をのむ音が響きわたった。



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一一時五二分 南極 和平会議会議場 公国政府控室

「断固抗議するべきです。連邦のテロがあったのは事実です」
「それでどうするね。こんな会議はやっていられないとでも言って、席を蹴るかね?」
 勢い込んで話していた団員の一人が、法務を担当するミハイロフ補佐官に切り返えされた。彼はそのまま続ける。
「我々は連邦を会議のテーブルに引きずり出すことを目的にしていた。その目的は達成されたわけだが、あくまでこれは連邦を屈服させるための一段階にすぎない」
 彼は、公国政府の派遣した人員の中でもっとも論理的な思考能力を持っていると評されていた。同時に、もっともたちの悪い悪癖を持っているとも言われている。思考の階梯をいちいち口に出すのだ。本人にとっては無意識のなせる技かもしれないが、どうでもいいことまで聞かされる周囲の者にとってはたまらない。
「じゃあ、我々はどうすればいいのです?」
 先ほど切り返された団員が、内心のいらだちを表に出さないように注意しながら反問した。彼は口を開かず、肩をすくめて見せた。まだ解を見いだす段階ではないらしい。
 その有様を黙って見ていた団長のケビム公国政府外相が、苦々しげに言った。
「すぐさま抗議に出たところで、連邦は逃げるだけだ。我々はテーブルを蹴ることを許されてはいないし、連邦との交渉は我々の仕事だ」
「それではどのような方針をもって交渉に臨みますか?」
 ミハイロフは、全員が内心に抱きはしたが、口に出せなかった言葉を口に出した。ケビムはしかめた顔をさらに歪めてみせる。
 周囲の者が、どうやって場を取り繕うか考え始めたところで、ノックもなく扉が開き、慌ただしげに男が部屋に飛び込んできた。非軍事情報担当の補佐官と報道官を兼任するガリバルディである。彼はつい先ほどまで、本国との連絡を行っていたところだった。挨拶もそこそこに尋ねる。
「もう記者会見のセッティングは終わりましたか?」
 何のことだか理解できず、戸惑ったような雰囲気が流れる。彼は、一瞬舌打ち寸前の表情を作ると、ケビムに向かってまくし立てるように言った。
「今すぐマスコミにレビルに関する情報を流すべきです。真相なんぞどうでもいいですから、とにかく連邦より先に。先刻、あなたの秘書にそう伝言したはずなんですが」
「サリーか? いま彼女には連邦側の情報を集めさせているところだが」
「それに一体、なにを発表させるつもりだね? 連邦の行動はテロリズムそのものだが、軍事行動の一環では確かにある。これはまあ、シャトルを軍籍のままにして、政府専用機として登録しておかなかった我々のミスだが」
 ミハイロフがそう言うと、ガリバルディは顔をしかめて答えた。
「ですから、真相や法的正当性など、どうでもいいのです。連邦より一分でも早くマスコミに情報を流せば、イニシアティブは我々が握れます。その後で適当に修正を加えた発表を行えばいい。後発の発表では説得力に全く違いが出ます。この場合、しばらくの間は連邦のテロや合法性などは誰も問いませんよ」
 彼がそこまで言ったとき、ディスプレイにコールが入った。ケビムが受話器を取る。すぐに受話器を置き、黙ったまま壁面に埋め込まれたスクリーンに映像を流した。
 後日、ケビムの対応に非難が集中したのは、情報の重要性を熟知し、マスコミを操作することで世論を動かす力を持っていたガリバルディを、必要な瞬間に補佐官として手元に置かなかった点についてである。彼はその点について死ぬまで語ることがなかったが、戦後、ガリバルディは、一年戦争を扱った彼の著作の中で、次のように弁護している。
「ジオン公国においては、人材難が恒常的に問題となっていた。建国から開戦に至る情勢から、必然的に優秀な人材は軍の方に回り、我々のような非軍事部門に官僚として配属される人材は、質の点でも量の点でも見劣りがしていた。私が二つの役職を兼任し、補佐官としての務めを全うできなかったのは、誰かがそう望んだからではなく、他に選択肢がなかったからである……」
 また、ガリバルディ自身にも非難の声があがった。マスコミとのセッティングなら、わざわざ走り回る必要などなかったというわけである。それに対して彼は、次のように反論している。
「我々はこの会議の全期間を通して、病的なまでに連邦の情報工作を警戒していた。連邦の側でも盗聴について警戒していたらしいが、その点では連邦の基地施設を利用せざるを得なかった我々の方が深刻であった。我々の防諜能力について、それがすでに能力の限界にまで酷使されていたことを知らない者など、我々の中には誰一人としてはいなかった。我々は、数少ない『安全地帯』を結ぶために、自分の五体以上に信用できるデバイスを見いだせなかった。結局のところ、我々の諜報・防諜能力は連邦側のそれに比べて著しく劣っていたと言わざるを得ない。また、このことについては、公国軍においても同様のことが言える。莫大な予算と人員を必要とする割に成果の見えにくい諜報や防諜より、比較的低い予算と規模で大きい効果が期待できそうな破壊工作などに重点が置かれていたのだ。……その結果、公国軍は、開戦初頭を除く戦争の全期間を通して、連邦軍に対して情報の面で劣っていたのである」



宇宙世紀〇〇七九年一月三一日 一二時〇〇分 南極 和平会議会議場

 まさにその瞬間のレビルは、地球圏の中心にいた。
 連邦が動員可能な全ネットを使って、この瞬間をメディアの届く全てのエリアに中継していたのである。
「……連邦の将兵諸君、確かに緒戦において、我々は義務を果たすことは出来なかった。我々は大きな損害を受けたのだ」
「だが、しかし、将兵諸君、それはジオンとっても同じなのだ」
「私はこの目でジオンの実状を見てきた。彼らの受けた損害は決して少なくない。いや、むしろ巨大な連邦の潜在力に比べ、回復力の小さな彼らは、実質において非常な痛手を被っているのだ」
「将兵諸君、現在、我々は確かに苦境の中にいる。あるいはこの先、さらなる苦境に見舞われるかもしれない」
「だが、我々の力はこの先、回復を続けるだろう。しかし、ジオンの力が、今以上に強くなることはあり得ない」

「そう、もはやジオンに兵はいないのだ!」

 この瞬間をもって、連邦を短期決戦で屈服させるという公国の目論見は、完全に崩壊したとされている。



次回予告

 はい、全国のお天気です。
 えー、一日一日暖かくなっていく今日この頃ですが、天気が崩れやすい時期でもあるんです。晴れなのにザクとかがぱらぱらと降ってきたなんて思ってたら、一気にHLVが大振りしてきたー、なんてことも珍しくないんですね。
 そういうことにならないよう、お出かけ前にはABMのチェックは忘れずにね、って言ってるそばからわらわら降ってきて、もう大変。TINコッドって、ASAT積めたっけ〜なんて言ってる場合じゃないって!

次回『一年戦争記』「晴れ、時々ザク」!「晴れ、時々ザク」!!
やぁっぱ矢玉アナじゃないと調子でないっすぅ。



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つづく

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