・人物編
ギレン・ザビ
公国総帥。大将。行政府のトップである最高行政長官と、軍部のトップである統帥総監を
兼任している。一年戦争の主役といってもいい。この小説では「機械のような」論理の化
け物。この人物を書き込めるかどうか、この時点ではあまり自信がない。のちに父親に
「ヒトラーのしっぽ」と評されるが、あんなヒゲと一緒にすんな! ヒゲどころか眉毛も
ないぜ! アニメ史上最高クラスの演説の達人。「立てよ国民!!」
キシリア・ザビ
少将。戦略防衛軍司令官。ザビ家の長女。顔はともかく頭の中は長兄にそっくり。肉親に
対する情愛は彼女の方がやや上か。戦略防衛軍とはいっても月とア・バオア・クーの防衛
を担当するというだけで、それほど権限がある役職とも思えないのだが、長兄・次兄に次
ぐ公国軍におけるナンバー3である。なにやら後ろの方で画策するのが好きなのは長兄似
で、彼女の影響力も多分にそのあたりから出ているのだろう。要するに派閥形成がうまい
ということである。どちらかというと大艦巨砲主義のドズルに対し、MSの重要性を早く
から認め、公国軍の編成をMS主体にした功労者でもある。おそらく、この点が彼女の最
大の実績だろう。花の二四歳。
マ・クベ
中佐。おそらく、アニメ史上最高の芸術愛好家。メックリンガーなんぞ目じゃないっス。
全てはその死に様のため。劇場版で彼がテキサスコロニーに出陣しなかったことは無念中
の無念である。この小説では、地球降下作戦の頃まではキシリアの副官を務めたとしてい
る。地球降下作戦において、大佐に昇進した彼がアジア方面に対する第一次降下作戦司令
官を務めることになる(ちなみに北米方面に対する第二次降下作戦の司令官はガルマであ
る)。陶磁器類、特に北宋の青磁がお気に入り。彼のセンスはのちに専用機となる、あの
ゴージャスなグフからも分かるだろう。
ダルシア
ジオン公国政府内閣総理大臣(首相)。こう書くと彼が行政府のトップみたいだが、実際
には彼の上に最高行政長官という役職があり、これが最高権限を持つ。首相の仕事は内閣
の調整役であり、その権限は日本の総理大臣よりもかなり低い。大統領に強い権限を持た
せた政治システムを持った国における首相みたいなものか。人事権を握られていることか
ら、フランスよりさらに弱く、ロシア並かも(議会も存在するが、もちろんギレンの言い
なりである)。
ケビム
ジオン公国公国政府外務院長官(外相)。外相なんていっても、外交の対象になる相手は
月面都市群・サイド6を除けば連邦政府だけである。外交交渉である南極会議で大恥かい
たので、彼の立場は今まで以上に弱くなっただろう。
ミハイロフ
南極会議で、ケビムについた補佐官の一人。法務を担当した。なんかいいにくいことをず
けずけと言う、端から見ると煙たい謹言居士みたいな人物。言いたい放題を言うワリに、
あまり現状を打破する役には立たないというのが、この手の人物のお約束みたいなものな
んだな。
ガリバルディ
ゲルググの次に制式化が予定されていたMS……ではなく、南極会議でケビムについた補
佐官の一人。非軍事情報を担当し、報道官も兼任していた。えらく忙しいポストを兼任し
ていて大丈夫なのかというところだが、案の定レビル登場という決定的瞬間にケビムに助
言できず、報道のイニシアティブを握ることに失敗した。その理由は人材不足だというこ
とだそうである。……寒い話だとは思わんかね。
サリー
ケビムの秘書。ガリバルディの伝言を頼まれたのだが、別の仕事に走り回っていたので彼
の助言を伝えられなかった。やれやれだぜ。
続く
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