2000年11月24日
横藤先生

こんばんは、Mです。
浜松は今日24日は学期途中の休業日ということで、23日から4連休です。
来週、月,火と学期末テストで、生徒たちは気の休まらない連休を過ごしていることでしょう。

さて、2回目の事前学習では盲導犬の実際について学習しました。
中部盲導犬協会のホームページで進めたのですが、現在の盲導犬の数や必要としている方の人数、一頭の育成にかかる費用など、驚くことばかりでした。
今回は前日の学年会で、職員も意見を出したり質問したりと学習をしました。
いろいろ調べたり、先生とのお話の中で得たことが多く、みんなに説明なんかしちゃいました。
私が良く行くスーパーには、入り口に、盲導犬もどうぞ、というステッカーが貼ってあります。
今まで気に留めていなかったので気づかなかったのですが、食料品店こそ盲導犬と共にゆっくり買い物をしたいですよね。
このお店は学区にあるので、早速生徒に紹介しました。
学区には、グルメ街道、と呼ばれる飲食店街があるのですが、どのくらいの店が盲導犬と共に入れるのか、という疑問も出てきました。
いま、総合的な学習、の準備をしているのですが、本校のテーマは、勤労・福祉ということになりそうです。
3学期には、施設訪問に加えて盲導犬の入れる店を探しながらの福祉マップ作り、盲導犬への理解のチラシ作り、育成費のためのアルミ缶回収と奉仕作業、と今回の体験から活動が広がりそうです。

先生からの手紙、ですが、ぜひ、お願いします。
もし間に合えば、盲導犬との活動の前日に、お忙しいようであれば、活動の後に盲導犬とのふれあいを思い起こすような形で、生徒に紹介したいと思います。
先生のご都合に合わせて、メールをお送りいただけるとうれしいです・

荒れている生徒こそ、本物を求めている、納得です。
見せ掛けだけでなく、本物に触れ、体験し、じっくり考える、そんな姿を一人でも多く見たいものです。その為には、まず、私たち教師が本物に向き合うことが大切ですね。
私も生徒たちに負けないように、いろいろなことに関心を持って福祉の事、考えてみたいです。

また、盲導犬以外にも、福祉の事、小学校の事、など、いろいろ教えてください。

それでは、おやすみなさい。


2000年11月25日
横藤です。

S中学校の実践,先生のお力で大きく動いていますね。

> いま、総合的な学習、の準備をしているのですが、本校のテーマは、勤労・福祉ということになりそうです。
> 3学期には、施設訪問に加えて盲導犬の入れる店を探しながらの福祉マップ作り、盲導犬への理解のチラシ作り、育成
> 費のためのアルミ缶回収と奉仕作業、と今回の体験から活動が広がりそうです。

大変よいテーマだと思います。生徒さんと一緒に,じっくりと進めてくださいね。「その気」にさせると,どんどん進むことと思います。

拙いものですが,中学生のみなさんに手紙を書いてみました。使えるところがあれば,使ってください。

 S中学校のみなさん,こんにちは。
 私は,札幌でパピーウォーカーをしていたヨコさんと申します。もう見たのかもしれませんが,私は自分のホームページで盲導犬についてあれこれ公開しています。つい先日まで我が家でフレンドという名前のパピーを預かっており,その1年ちょっとの飼育の記録もホームページに載せていました。そこへ,M先生が,みなさんと盲導犬について学習したいということで,問い合わせてきたことから,このお手紙を書くことになりました。
 
今,フレンドは盲導犬の適性試験に落ちてしまい,我が家に戻ってきています。これからずっとフレンドは我が家で暮らすことになっています。この手紙を書いている(パソコンで打っている)私のそばに来ては,鼻先で私の手をキーボードから払って「遊ぼう。遊ぼう。」としつこく誘って…。よしよし。

 はい。今,戻りました。ちょっと遊んでやったら満足してお腹を上に向けて寝ています。 さて,話を続けましょう。

S中学校のみなさんが,盲導犬について学習するというのを聞いて,とてもうれしく思いました。盲導犬は,すべてがボランティアの手によってその一生を過ごします。
 生まれるときは,繁殖犬ウォーカー。仔犬時代は,パピーウォーカー。そして,盲導犬協会での訓練を経て,ユーザーとの10年前後を過ごした後は,老犬ウォーカーと一緒に過ごします。ボランティアですから,それぞれのウォーカーにはお金は一切支給されません。逆に食費をはじめとするいくらかの費用を使って,それぞれの役割を果たすわけです。

 今後,みなさんが学習を進める上で,パピーウォーカーについて知りたいことがあったら,どうぞ遠慮なく私に質問をしてください。訓練については,訓練士の先生に問い合わせることも可能です。また繁殖犬ウォーカーや老犬ウォーカーも知り合いがいますので,パピーウォーカーに限らず,どんなことでもいいですよ。我が家にも中1の娘がいますので,子供の目から見たパピーウォーカーの生活を知りたいときは娘宛にでもどうぞ。

 29日には盲導犬とユーザーさんとの対面だと聞きました。みなさんの学習が,楽しく感動的なものになることを祈っています。
 さて,そこで私からみなさんへ2つ問いを…。

(1)以前この盲導犬の一生について小学校の授業で扱ったとき,ある子が「盲導犬ってかわいそうだ。」と言いました。すると,別の子は「いや,盲導犬はとても幸せだ。」と言いました。みなさんは,どう思いますか?
(2)目の不自由な方にとって,周りの人が「目が見えないということ」を理解してくれているかどうかはとても大きなことです。さて,盲導犬を持つ人がそばに立ったら,あるいは白杖歩行をしている人がそばに立ったら,みなさんはどんな声をかけてあげられるでしょうか?

 実は,この2つの問いには正解はないと思います。私もいつも考え続けている問いなのです。ぜひ,M先生と一緒に考えてみて欲しいと思います。今度訪れるユーザーさんに聞いてみるのもよいかもしれませんね。

 最後に,M先生と私とのやりとりのエピソードをご紹介します。
 これまで,M先生から4通のeメールをいただきました。eメールは,発信した日時が分かる仕組みになっていますが,M先生の発信した時刻は,いずれも真夜中です。
1回目12時14分。2回目11時42分。3回目9時59分。4回目11時55分です。 夜遅くまで,みなさんとの学習に備えてメールを打ってくださっている姿が浮かび,私もできるだけのことをして差し上げたいと思いました。熱心ないい先生ですね。今回の学習を通じて,M先生とみなさんの心もいっそう通い合ったとしたら,うれしいなと思います。 

長くなりました。おっと,またフレンドがしっぽを振りながら近づいてきましたので,今日はこの辺で。さようなら。

 平成12年11月25日(土)

S中学校のみなさんへ

ヨコさんより

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