「反論」に感謝   野口芳宏
 オープン・エンド方式に対する私の批判に対して,横藤先生から的確な反論を戴いた。とても良い勉強になった。感謝いっぱいである。
 私は自分の考えを端的に主張しているが,それへの批判や反論を不快に思ったことは一度もない。まともに私の考えを相手にしてくれる人だけが反論や批判をしてくれるからだ。横藤先生は,私の論に対して正対してくれている。そして,その批判は当を得ていると思う。有益な学びになった。
 片上先生の「考えることを閉ざさない」「授業の終末段階で,子供にとって切実な課題を成立させること」「授業の終了時点で,子供の学習意欲が持続発展しうるように」「また彼らの知識が成長しうるように」するのだという指摘は重要である。私はそういう原理的な学びを怠って多く目にする形態からの類推に留まっていた。これは私の落ち度である。横藤先生の指摘の通りである。
 私の見てきたオープン・エンドは,そのような原理を踏まえたものではなく,いわば亜流,あるいは似て非なるものだったと言えるようだ。横藤先生のような納得できるオープン・エンドの授業には,残念ながら私は出合ってこなかった。

 上記のように私は考え,私なりに成長できたことを喜んでいる。しかし,私が述べた批判はやはりそのままでいいと考えている。「時期尚早」という考えも,やはり変わらない。ということは「全面否定」ということではない。
 クローズ・エンド方式もまた,子ども達をして「学習意欲の継続発展」「子どもにとって切実な課題を成立させる」ことを必ずしも否定,壊滅させるものではない。すばらしいしめくくりが,子どもを新たな感動に誘うことも十分に考えられるからである。
 いずれにせよ,このような形で反論を戴いたことによって,オープン・エンドについてより深い学びが得られたことに対して重ねて感謝の意を表したい。  

本当に拙い私の反論に,心を込めて対していただいたばかりか,感謝の言葉までいただきました。もう感動の一語です。ますます野口先生ファンになってしまいました。本物中の本物と,こうしてやりとりができる幸せをかみしめております。

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