連載 子供が育つ総合的な学習 第12回・3月
「総合実践いろは歌」
■連載も,これで最終回です。まとめとして総合実践の勘どころを,いろは歌にまとめてみました。
このいろは歌は,91年に「生活科実践いろは歌」として発表したのを初めとして,これまでに何回か改訂してきました。(これまでのものは,http://www3.plala.or.jp/yokosan/irohauta.htmにあります。)
今回,これをさらに改訂してお届けします。一部( )付きで解説を付けました。ご笑読下さい。
■総合実践いろは歌〜48の勘どころ
い〜勢いのある活動を
ろ〜論より活動(活動に入るまで3分で!)
は〜話し合いを重視しよう(連載1〜3をご参照ください)
に〜日常生活とリンクさせよう
(これがないと生きる力は育たない)
ほ〜没頭していたら口を出さない
へ〜変節点を見つけよう
(活動の切りかわりは,心情や認識の切りかわり)
と〜時計,デジカメ,レコーダー…,グッズの準備も企画のうち
ち〜地域を知れ(総合マップできていますか?)
り〜臨機応変,柔軟に(到達目標がないのですから)
ぬ〜ぬくもりがなければ,真の学習は成立しない
る〜ルール,マナーはしっかり指導
(地域の方やゲストティーチャーは,教材ではありません)
を〜教えるべきことはきちんと教えよう
(気付くのを待つだけでは子供は伸びません)
わ〜わくわくさせる演出=しかけを
(総合でも教師のかかわりは大切。引きつける時はしっかり)
か〜感情から動き,目と手で学び,体で覚えて言葉にする
(3つのH=Hand,Heart,Headが連携して学習が進む)
よ〜「よくやった!」という自己評価を
た〜立つ位置を決めておく
(教師が動きすぎると,学習が浅くなります)
れ〜レールを敷くな,フレームを示せ
(フレームワークこそ,子供主体の学習のポイントです)
そ〜掃除や片付けも計画に入れよう
つ〜つながりが見えて納得できる
ね〜願いが方法や活動を引き出す
(方法や活動を与えるのは早いが,子供は育たない)
な〜納得がいくまで繰り返しを
(1回では,反応の浅い子だけが反応するようになる)
ら〜ライフワークのはじめの一歩
(国際理解,福祉,環境…。一生かけて追究するもの)
む〜無理は禁物
う〜動き出したら,子供ウォッチング
い〜生き生きしていたら80点
の〜伸ばすことを急ぐな
お〜オープンエンドが単元構成の基本
く〜苦労話に花が咲く(これぞ,自然でもっとも有効な振り返り)
や〜「役に立つ自分」(貢献意識)を見つける
ま〜まかせたら,口と手を出さない
け〜結果として内容知を
(内容知を目標として先に立ててはいけません)
ふ〜深く見取ろうとし続ける
(何をしている→どうしてそれを?→どんな気持ちで?)
こ〜言葉と活動・心情を乖離させない
(連載7,8をご参照下さい)
え〜笑顔は,最高の支援
(あれこれアドバイスするのがよい支援なのではありません)
て〜テーマは後から見えてくる
(入りは,具体的・断片的なことに絞って)
あ〜安全への配慮,冒険への踏み込み
さ〜さっと活動に入る
き〜企画力を育てる
ゆ〜ゆとりある時間配分を
め〜目線は低く,視野は広く
み〜見取りなくして,支援なし
し〜時間にゆとりを
(具体的な活動を入れて45分は,はじめから無理です)
え〜絵,文章,小刻みに数多く書かせよう
ひ〜表現のない総合はあり得ない
も〜もう少し,そこが活動の打ち切り時
せ〜選択,判断を委ねよ
す〜すべての活動は自立と共生に向かう
■1年間のご愛読,ありがとうございました。
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