9/4 Mon. ツーリスト・ファーム / お母さんのつくる夕ごはん
午後7時前、階下に降りたときには既にいい香りが漂っていました。キッチンのほうに目をやると、お母さんたちが忙しそうに立ち働く姿が垣間見えます。
その後、牛に餌をやるお父さんに目を奪われていたころでしょうか。お母さんが出てきて、身振り手振りで私に尋ねました。
「ここで食べます?それとも中で?」
「ここで」
そう言って外のテーブルを指すと、テーブルクロスを持ってきてセッティングをしてくださいます。
玄関前のテラス席
スープ
まずはパン、そしてスープです。

スープはポテト、にんじん、玉ねぎ、トマト、ペペローニ(3色ピーマン)、ホウレン草のような葉(何かは不明)、ショート・パスタ、と具だくさんのミネストローネでした。
お母さんはパスタを "フジッリ" と言っていましたが、ひねった形ではないので、細切れスパゲティといったほうが良いかも。
ここで彼女から質問されたのは、おそらく 「飲み物はコレにする?」 だったのでしょう。
まだ片付いていない、到着時に飲んだジュースのグラスを指さされ、私は 「片づけていい?」 という問いと勘違い。「はい」 と答えてしまいました。そう、お母さんは英語を話さないのです。だから、次にテーブルに並んだのは・・・、オレンジ・ジュースでした (笑)

そしてレタス・サラダに続いてメインのお皿が運ばれてきます。お肉料理! こうなるとやっぱり赤ワインが欲しいですよね~。
お母さんを呼び止め、とりあえず英語で話しかけてみます。
・・・が、チンプンカンプンらしい。
「英語、だめなの。ドイツ語かイタリア語ならいいんだけど、どちらか話せない?」
そんな風なことを言っている様子です。

「じゃあ・・・、Posso ・・・」
「それそれ! 良かった~♪」 
ポッソ (= Can I ?) のたった一言で、彼女は世の中の不安という不安が一切消滅したかのように、顔中をほころばせて喜んでくれました。
サラダとメイン料理
「赤ワインを一杯いただけますか?」
「小さいカラッファでもいいかしら?」
「はい、小さいのを」

その後、お料理名を私のノートに書いていただきました。
   " Ragu -- ***** "
ラグーといえばイタリアではミートソース。でも煮込みということでしょうね。後半は達筆で読めません。スロヴェニア語で書いたと言っていましたから、読めたところで理解できないでしょう。ただ口頭での説明からして、豚肉とズッキーニと書かれているはずです。
ワインも並んで完璧♪
ほかに赤いペペローニと玉ねぎも入って、ちょっとだけ辛味を効かせた味付けが食欲をそそります。添えられたポテトは一見フライドポテト風ですが、あらかじめ茹でておいてから軽く炒めたのか、油っぽさもあまり感じず、ホクホクでした。

実はミネストローネに入っていた具材の名も、このとき聞いたのです。食べ物の名前って、英語よりイタリア語のほうがピンとくるな~、とつくづく感じずにいられません。
★★★ Kmetija Želinc
住所  Straža 8, 5282 Cerkno
TEL  +386 5 372 40 20
E-mail  info@zelinc.com
Home Page  http://www.zelinc.com/
食事が出来るのは宿泊客のみと思われます。
また、BBは朝食のみ、HBで夕食がつきます。
メインを平らげ、ワインも飲み干したころには、もうすっかり日が落ちきっていました。さすがに肌寒くなって、後からテラス席に着いた2組のお客さんは、食事の途中で次々屋内のダイニングへお引っ越し。また最初と同じく、私ひとりが表にいるという状態になりました。ジャケットを羽織ってはいますが、夜風がいっそう冷たく感じられてきます。
デザート
コーヒーは頼まないと出ないかな・・・
もうお腹ははち切れんばかりだし、コーヒーなしでもいいや・・・
一刻も早く暖かいところへ避難したくて、席を立とうとした時でした。
お母さんがやってきました。
「あら、まだドルチェがあるのよ。
    リコッタチーズのドルチェ、食べるでしょ?」
にっこり頷いて、待つことにします。

リコッタチーズをクレープ風の皮に包んで焼き上げたデザートでした。ほんのり温かく、甘みといえば上にふるった粉砂糖だけじゃないかと思うほど、素材の味を活かしたあっさり系。
          寒さを忘れて完食しました (^^ゞ。
ドルチェに限らず、どれも家庭的で、美味しかった~♪
やはりツーリスト・ファームの命は、料理上手のお母さん。その点でもココは大満足です!
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Croatia
魅力いっぱいイストラ半島(内陸部、ロヴィニ、ポレチュほか)
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Italia
イタリアの端っこトリエステ(市街、ミラマーレ城ほか)
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リベンジと再会(ヴェネツィア~帰国)
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