9/4 Tue. コトルを歩き倒す [5] |
一瞬、異次元空間に迷い込んだのかと思った。
9月初頭のコトルというと、まだ欧州各地から多くの観光客が訪れ、広場や中心部はかなりの賑わいを見せている。特に日中は裏道さえ多少の人通りがある。なのにこの広場だけは誰もいなかった。取り囲む建物からすら人の気配が感じられない。メジャーな広場と広場の間にぽっかりできた空洞、といったところ。
とはいえ、なんとこれがシネマやギャラリー旧市街(Galerija Stari Grad)のある聖ミカエル広場だったのだ。
正面のドアがギャラリー入口 |
聖ミカエル教会 |
左に目を転じると、小さな古い教会がある。この、広場の名にもなっている聖ミカエル教会 (Crkva Sv Mihaila, 9〜14th C.)は現役の教会でなく、石碑博物館(Lapidarium)だった。ガイドブック(英語)には教会名がマップに記されているだけだが、そういう所こそ覗いてみたくなる性分w。もちろん入ってみる。
外の展示スペース (内部から行ける) |
点数こそ少ないものの、内部には古代ギリシャ・ローマ時代の石碑や彫像、道具類やアクセサリーなどから、中世コトル貴族の紋章レリーフなどまで展示されていた。教会のフレスコ画も部分的に残っているし、床の一部がガラス板になっていて基礎部分の構造も見ることが出来る。
※入場料は1ユーロ、内部は撮影禁止です。
一巡して、入口にあった売店でこの博物館の小冊子を見た。よほどの博物館マニアに見えたのかな。受付のお兄さんがモンテネグロ全土のミュージアム案内本も薦めてくれる。ここも掲載されているよ、と該当ページを開いて。あ〜ん、お兄さんったら商売上手〜。図録を見つけるとついつい買い込んでしまう私、知ってしまった以上は購入しないわけがないのよ (笑)。明日行くツェティニエの参考資料にもなりますしね、これは。
"モンテネグロのミュー ジアム" 英語版 5€ |
メジャーどころも見よう!と続いて海洋博物館に行ってみたら、受付不在。10分近く待っても戻ってこない。この時期、昼は閉館というわけでもなかった。交代要員が来ないのに昼休みw? 私もお腹が空いてきたので、先に食事を済ませることにした。
レストラン"City"入口 |
ドラゴ家の館脇にある "City"という名のピッツェリアレストラン。奥の階段を上がると、そこは気持ちの良い木陰のテラスになっていた。
もしかして昔はドラゴ家のテラスだったのかな〜と勝手に想像してほくそ笑む^^。
レストランのテラス席 |
マルゲリータと並んで一番安いナポリターナ (フンギ)のピザを選んだ。
フンギはマッシュルーム9:エリンギ1、というところ。
ピザ・ナポリターナ(フンギ) |
お味はまあまあだ。観光客相手でも、アドリア海沿岸のピザならまず外れることはないのかもね。木漏れ日の中で食べるのも気分が良い。
それにしても、一緒にトマト・ケチャップが運ばれてきたのは初めて!?!? もちろんオリーブオイルやビネガーはテーブルに置かれている。
メニュー(一部) |
海洋博物館の向こうに鳥の群れ |
店の前の通りを戻った。道はすぐ広場に出て終わり、正面が博物館だ。旧市街の道は狭い。従って空も狭い。広場に出た瞬間、パッと空が広がり、建物の向こうに鳥の大群が乱れ飛んでいることに気づいた。
海洋博物館の建物は、グルグリナ家の館 (Palata Grgurina, 18th C.)。他と違って内部まで踏み込める貴族の邸宅というわけだ。
海洋博物館 |
海洋博物館入口 |
海洋国家だったコトルは、自前の 「ボカ海軍」(Bokeska mornarica / Boka Marine) を有していた。この博物館は、その海軍のコレクションを中心に収蔵。船の絵画や模型、海図、羅針盤や望遠鏡といった航海の器具類、海軍大将の衣装・・・等々、なかなか見応えがある。船員が手紙を入れて海に流したガラス瓶、なんてものもあった。
刀剣や拳銃といった武器もずらーっと並んでいる。近隣の町にあった邸宅のリビングルームもいくつか再現されていて興味深い。しかしこちらも内部は撮影禁止だ。
ちなみにボカ海軍の母体は船員の共済組合だそうで、平時の活動は今なお行っているらしい。
時刻は午後2時をまわった。
そうだ!
次はもう一度昨夜のレストランに行ってみよう!
城壁歩きでは通れない部分をちょっと歩いてみたいじゃない。さすがに素通りはマズいだろうし、休憩も兼ねることにしてアイスクリームと7upを注文。そして、運ばれてくるまでのあいだは席を立って正門側のヘリ(Kampana Tower and Citadel, 13〜19th C.)まで遠征だ。考えることは誰しも同じ、そんなお客さんが何人か下をのぞきこんでいた。
アイスはバナナ2ボール |
正面は港湾局の建物 |
城壁より正門方向の眺め |
右手の眺め。山腹にある聖母教会も遠くに写っている。 |
川に沿ってまっすぐ進む |
外には堀の役割を果たすシュクルダ川が流れている。右手には旧市街の屋根や聖ニコラ教会のドームが見えた。
中央の門を勝手に開けて外へ |
左に張り出した野外劇場へ通じるらしい階段がある。その脇の緩やかな坂を下ると、ちゃんと出口があった。城壁マップでは"E"にあたる場所だ。こちら側から施錠されているが、前を行く人が開けて出ていったので私もそれにならう。
※城壁マップはコトルを歩き倒す [3] をご参照下さい。
まだまだ歩きます(笑)。
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