9/4 Tue. いいことばかりじゃないのが旅

南門の写真は コトルの宿・2 でご紹介済み。今日は少々手前から撮影してみた。山が最も海に接近している部分で、正門や北門一帯より構造が複雑かつ強固な印象を受ける。崖を這い上っていくような城壁もかなりの急勾配に見えた。

前にもお話したとおり宿はここから近い。でも直行せずに、もう少しだけ歩いてみよう。というわけで、「歩き倒す」の続きを少々。

南門付近外観

まずは城壁出口"B"係員が教えてくれた、「表側でただ一ヶ所、入ることが出来る場所」 に上ってみる。

南門の内側、
最初のアーチの上から
二つ目のアーチ入口を見下ろす

外観写真↑では左前方に写っている部分である。"B"の係員が言ったとおり距離は短く、宿泊しているSobeのほうまでは繋がっていなかった。二つ目のアーチ上は外から見たとき国旗がひるがえっていた稜堡 (Gurdić Bastion, 1470) になる。

南門の内側

←左は下の通路から最初のアーチ方向を振り返ったところ。私を見て上がってきた来た観光客が、そのアーチ上に立っている。

二つ目のアーチ出口

二つ目のアーチは稜堡の下をくぐるトンネルだ。それを抜けたところにある最初の建物はベネチア軍兵舎 (1765)。右の写真では左側に、左下の写真では右側手前に写っている。

兵舎の左隣にある階段
三つ目のアーチ
左の階段が幻の城壁出口"C"!

さらに三つ目のアーチを過ぎて小さな広場に出る。そこからほんの数メートル入ればSobeだ。

というわけで、午後4時近くなってようやく一旦、帰宅!


さて、ここからがこの頁の本題。

実はこの日の朝、シャワーを浴びようとしたらお湯が出なかった。
古い建物に泊まることを好むので、そんなに珍しいことではない。湯沸かしが作動するまで時間がかかる場合もある。しばらく出してもお湯が出なければ (あるいは逆に温度が下がってきたら)、他の部屋で使い切ってしまった可能性が大。時間をずらすしかない。
このときもちょっと様子をみていたら、最初よりさらに水温は下がったような気がした。外気が暖かかったので、しかたなく水より若干マシかなぁというシャワーを浴びる。さすがに長居は出来ず、髪は洗わなかった。

だから夕方、断水規制が解けるころまで部屋で休憩し、それから再チャレンジ。‥‥が、考えが甘かったようだ。状況はまったく朝と変わらない。さらに運の悪いことに少々前から雨が降り出し、ずいぶん涼しくなってきていた。こんなことなら日中ママに会ったとき、クレームをつけるべきだったな。今から英語の通じる娘さんに電話する手もあるが、すぐに直るとは限らない。どーしても今すぐ髪を洗いたいぃ~!

★さて、ここで私がやったことは何でしょう (突然クイズw?)。

答えは 「鍋に水を入れ、電磁調理器にかけた」。お湯を沸かしてキッチンとバスルームを何往復か。
やはりキッチンと小さなバスタブがあったことには感謝するべきなんだろうか (笑)。朝よりは少し温かい、夏の日向に一日置いた程度の水温で、かろうじてシャンプーを済ませたのだった。

8時をまわったころ部屋を出た。本日の夕食は、北門手前のレストラン、バスティオンと決めていた。「地球の歩き方」に唯一紹介されている、ガイドブック Bradtでは "お薦め" とまで書かれていた店だ。

写真(左)はその途上。雨はほとんど止んでいたが人通りはめっきり少なくなっている。

夜の旧市街
レストラン "Bastion"

入口付近の席に案内された。メニューを見ると大半の魚が100g 4ユーロと記載されている。セカンドクラスとされるツナなどで100g 3ユーロ。いずれにせよ大きさ次第ってわけだ。
イカは昨日食べたし・・・
魚の盛り合わせは量が多いかなぁ・・・
結局、おすすめの魚を聞いてみることにする。

                          メニュー
冷蔵ケースに並ぶ魚たち

すると、トレーごと持ってきて見せてくれた。本日オススメの魚はシーバス (スズキ) とのこと。もっともスズキと言っても地中海沿岸のものはスズキ亜種らしい。
一番小さいのを指し、
「これなんかサイズも宜しいんじゃないですか?」 と言われたので、それをグリルでお願いする。

スズキのグリル

焼いた魚はテーブル横で解体、ザッと骨取りをしてから、うやうやしく目の前に置かれた。付け合わせはこの辺りの定番なのか、昨夜と同じゆでたポテトとホウレン草だ。ガーリック・オイルとレモンの皿も並ぶ。お好みでテーブルのオリーブ・オイルもどうぞ、と高級レストラン並みに丁重なウエイターさん。
お味は・・・ま、普通と言っておきましょうか。焼き魚だからハズレってほどのことはないんだが、調理時のオリーブ・オイルがイマイチだったのかも。リコメンドされていただけに期待が大きすぎたってこともあるかな。
お代は白ワイン・ミニボトルとエスプレッソも含め、20ユーロだった。きりが良すぎという気がしなくもない (笑)

メニュー表紙
魚のキャラが可愛い
先にいたお客さんが帰ったあとの店内

まあでも実は、お湯が出ないことだって、期待したほどじゃない食事だって、みんな旅の醍醐味なんだよね。

最悪の事態にさえ陥らなければ、困った事態も、イマイチと感じることも、全てが平穏無事に流れてしまうよりずーっと面白いのだ。日本の物差しが通用しないこと、通用しないと思ったら 「同じじゃん」 なんてこと、ひとつひとつが観察対象たり得るし、他人と自分の評価が違うというのも妙に嬉しかったりするもの。

いいこと悪いことひっくるめ、自分のアンテナでいろいろ感じとることこそ、 "The 旅"なのだ!(・・・大袈裟(^^ゞ)

その後は土産屋さんをハシゴ。そして一日の〆に、時計塔下のカフェでカプチーノを飲んだ。

土産物屋の灯りが私を呼んでいるw
カプチーノ

9時半を過ぎてまたぽつりぽつり。アパートメント帰着直後から雨音が激しくなって、雷も鳴り響きはじめた。夜中も断続的に降っていたようだ。

あしたは天気になあれ!

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