9/5 Wed. 古都ツェティニェ [1]
パーキングの隣は瀟洒な広場。ドライブ中はときおり小雨がぱらつく程度だったのに、こちらは山以上にしっかり降ったらしく、木々や地面が濡れている。そのせいもあってか、広場にはしっとり落ち着いた雰囲気が漂っていた。この辺り、まさに町の中心と言ってもいい場所だったのだが、この時の私はそんなことを知る由もない。勘だけを頼りに歩き出した。
パーキング脇の広場
違うルートで戻ったため、手前に旧王宮 (ニコラ王の博物館)があった。
間もなく、博物館と思しき立派な建物が視界に入る。訪問するつもりだった場所の一つだ。でももし違うとすると、大通りを往復しなきゃならない。そこで通りすがりのオジサンを呼び止めた。たぶん言葉は通じない。建物の形がわかるイラストマップを見せ、コレはあの建物?と、声より身振り手振りを強調して尋ねてみた。
          ↑イラストマップ
 コトルを歩き倒す[5] でお話しした
  "モンテネグロのミュージアム"という本の
    マップをベースに加工しています。
   より広域なマップはこちら
       ↓ (ツェティニェ公式サイト内)

www.cetinje.me/slike_ct/Cetinje_plan_grada.jpg
←イラストを真剣な面持ちで見つめていたオジサン、
「いいや、こりゃあっちのほうだ」
これまた身振りメインで答えてくれたが、それは全くの逆方向だった。うーん、半信半疑というところだけど・・・行ってみるか。
メインストリート
到着したとき大渋滞だったメイン・ストリートを渡った。すでに昼休みなのか、さっきまでの喧噪は見る影もない。あらためて徒歩で通ると、いかにも文化都市らしい上品な町並みだ。

さらに先へ。下の写真は消防署だよね? ガレージ内にあるのは消防車でしょ? その前に堂々と駐車! しかも無人! 署員の車としても呑気すぎやしない?
消防署
バスターミナル付近と思われる
少々行き過ぎちゃった?
国立劇場&議事堂
そしてそれらしき建物を正面玄関前から見上げたところで、
・・・教えてもらったのが、議会だったことを知った (^^ゞ。その左に並ぶ建物はゼツキ・ドム、国立劇場だ。
ああ、たしかに周囲の様子も建物の外観も、博物館と似ているような気がしなくもない。観光関連のことは、得てして住民より観光客に聞くほうが正解だったりするものなのよね~。せめてmuzej (ムゼイ=ミュージアム)という単語ぐらい添えて聞くべきだったんだな。そう思っても後の祭り。ここは先ほどの路上同様、観光客がうろついていそうにない。

というわけで、この建物に向かって颯爽と歩いてくるスーツ姿の女性二人組に聞き直す。今度はマップを見せずに英語で。すらすらと答えが返ってきた。やはりさっきの建物だ!
まあ、小さな町なのでどこも徒歩圏内だし、車を停めた場所がドンピシャど真ん中だったから、このくらい歩かないと町の様子がほとんど分からなかったのよ、と思うことにしようw。
メインストリートと並行する繁華街
(パーキングが突き当たった通り)
12:05ごろ 旧・王宮
王宮の狭いエントランスは、グループの人でいっぱい。入口の係員によれば、ガイドツアーで回る形だが、今はグループだけで手一杯、個人客は受け入れられないとのこと。
「何時なら入れるかって?それも分からないなぁ」 などとのたまう。さらに食い下がり、なんとか
「じゃあ1時に来たら入れてあげるよ」 という返事を引き出すことに成功!
ではその前に、最初に目指したモンテネグロ国立博物館に行こう。
国立博物館前の大通り
ここを渡るのを躊躇したため遠回りになったわけ
国立博物館
博物館、入口ロビー
(写真は出るときのもの)
入口ロビーの階段手前で団体がガイドから説明を受けている。その円陣の横を通って誰もいないチケット売り場に向かおうとすると、係員に制止された。団体さんが先に来たってこと? でも彼らはまだチケットを買う準備が出来てないじゃん。この町は個人客に冷たいなぁ。受け入れようという気がないのか、まだ対応に慣れないだけなのか。
かくして団体さんが <なぜか一括じゃなく各自が次々と!> 入場券を買い終えるのを待つこととなった。しかも各博物館のセット券があるのに、この流れのせいで皆と同様ここの分だけ購入。さらに、うっかり彼らと一緒に美術部門だけで出てきてしまい、歴史部門を見逃した! もっとも、別途入場できるので後で気づいて訪問したけどさ~。
でもそれさえもある意味、幸運だった。この時点の「地球の歩き方」では歴史部門にあるとされていた目玉の品が、実はこの美術部門にあったのだから。※08~09年版・地球の歩き方では修正されています。
その目玉とは、奇蹟のイコン 「フィレルモの聖母」(Our Lady of Philermos Icon)。装飾部分は16世紀のものらしいが、本体である聖母の絵のほうはかなり古い。作者不詳ながら、福音書を著したルカの手によると伝えられ、キリスト教屈指のお宝なのだ。
オスマン・トルコは1522年ロードス島を征服したとき、騎士団がこのイコンを持ち出すことを許したため、その後は長らくマルタ騎士団所有となっていた。それがロシア皇帝に譲渡され、亡命者によってセルビア王の手に渡り、明日訪問予定のオストログ修道院に置かれることとなったという。
現在は、照明を落とした小部屋、"ブルーチャペル" に、うやうやしく展示されている。ここはイコンの専用部屋として2002年に新設されたそうだ。
  「フィレルモの聖母」を鑑賞する人々
「フィレルモの聖母」
暗くてお顔は
ハッキリ写らず
中央は「フェンシング」という作品
後日談→UfakEvのブログ、2011/3/5の記事
みんな写真を撮っていたので私も撮っちゃったけど、どうやら撮影禁止だったらしい。ごめんなさい・・・。
他にも中世の絵画からモダンアートまで、お国を代表するであろう美術品が並んでいたが、19世紀以降のものが多い。

 1時まではまだ30分近くあるので、修道院にも行ってみるか。
ツェティニェまでの長~い道のり [2] モンテネグロ
2007 Top
古都ツェティニェ [2]


| Home | 旅行記・旅行メモ | ブログ | 掲示板 | 生け花ギャラリー | リンク | サイトについて |

モンテネグロ
2007
  >> Top
日程・ルートマップ
出発~ドブロヴニク

コトル
ツェティニェ
ドゥルミトル
国立公園ほか
ブドヴァ
ヘルツェグ・ノヴィ
ドブロヴニク
~帰国