多焦点眼内レンズ
白内障手術では眼内レンズによって焦点(ピント)を決めますが、現在単焦点眼内レンズが一般的です。しかし、単焦点眼内レンズでは、手術後は眼の調節機能がなくなるため、いわゆる「老眼」の状態となり通常術後少なくとも1種類以上の眼鏡が必要になります。
その欠点を補うために登場したのが多焦点眼内レンズです。
多焦点眼内レンズはレンズに入射する光を遠方と近方に振り分けることで、焦点が2か所となります。
ただし、これらの効果は手術を受けた方全員が実感出来るものではなく、以前の見え方と同じように全てがくっきり見えるようにはなりません。
眼の条件(瞳孔の大きさや乱視など)によって、夜間に車のヘッドライトやネオンなどがにじんで見えにくくなる(これらの症状をグレア、ハロといいます)ことがあります。
そのほか、単焦点眼内レンズと比較すると、コントラスト感度の低下(見え方の質の微妙な低下)がおきることが報告されています。
細かいことが気になる方(神経質になってしまう方)、夜間の運転が多い方、細かい文字や精密な作業を必要とする方は適応とならない場合があります。
見る対象物との距離によっては見えにくいこともあり、「日常生活のほとんどのシーンで眼鏡は要らないが、細かいものを見る時には眼鏡が必要になるかも」といった程度で考えられる方には良いレンズと言えます。
選定療養とは、患者さんご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その分の費用は全額自己負担となります。令和2年4月より、術後の眼鏡装用率の軽減を目的とした多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は、厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。
当院は多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。多焦点眼内レンズの対象となる患者様には診察時に詳細をご説明致します。
その他にもLentis Mplusという先進医療の使えない自費診療による多焦点眼内レンズもあります。
このレンズは従来の多焦点眼内レンズに比べて眼内に入射する光の損失が少なく、グレア・ハロが少ない(ゼロではありません)という特徴があります。
手術費用(眼内レンズ費用を含む)は片眼につき500,000円(術後一か月の診察・薬代を含む)です。
検査費用(自己負担額)
健康保険3割負担の方 3,400円〜
2割負担の方 2,300円〜
1割負担の方 1,200円〜
※合併症がある方など必要な検査の有無により費用が高くなる場合があります。
【一般的な単焦点眼内レンズを挿入する手術 健康保険適応】 |
手術費用(自己負担額)
健康保険3割負担の方 片眼45,000円程度 両眼90,000円程度
2割負担の方 片眼30,000円程度 両眼60,000円程度
1割負担の方 片眼15,000円程度 両眼30,000円程度
老人医療費助成(マル老) 同一月内の合計 8,000円迄
※上記金額は手術当日の検査、投薬等を含めたおおよその目安です。
【多焦点眼内レンズ(Tecnis・Restor・Rezoom)を挿入する場合】 選定医療 |
上記の手術費用にレンズ費用(税込)270,000円〜470,000円がかかります。
【多焦点眼内レンズ(Lentis Mplus toric)を挿入する場合】 自費診療 |
手術費用(税込)
片眼500,000円〜600,000円
両眼1,000,000円〜1,200,000円
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