(2002年9月〜12月)
Sorry,Japanese Only.



12月26日(木)
青森県弘前市・六花酒造
「純米酒 じょっぱり」
 すっきりとしているものの淡麗というわけではない。米の旨味が強く、いかにも純米酒という感じがする。やや辛口だが、独特の辛さというか、単調な辛さではなく、どの酒にも似ていない味わいがある。
 日本酒としての潔さが感じられて、とてもよい。
 時々、飲みたくなる酒。


12月17日(火)
岩手県紫波郡紫波町・月の輪酒造店
「純米吟醸酒 月の輪 吟ぎんが」
 おだやかな香りがあり、飲み口は軽快。やわらかな味の中に、米の旨味があり、わずかに感じる苦味が心地よい。仕込み水が清らかなためか、とてもクリアな印象があり、やさしい雰囲気が全体から漂っている。
 使用米である「吟ぎんが」のネーミングや、ちょっとおしゃれなラベルなど、ユニークなところもあり、おもしろい。


12月10日(火)
宮城県黒川郡富谷町・内ケ崎酒造店
「本醸造 鳳陽(ほうよう)」
 すっきりとした飲み口と清らかな味わいは、鳳陽さんが醸した酒、といったイメージ通り。適度な酸味が、味をキリリと引き締めている。飲むたびに感じる清澄さには、他の蔵の酒と比べると、独特なものがあると思う。でも、しっかりとした味があるから、物足りなさはない。
 いつ飲んでも安心できる、うれしい酒。


12月3日(火)
福島県喜多方市・清川商店
「槽前(ふなまえ) 会津清川 しぼりたて生原酒」
 米の香りがとても心地よい。やや甘口だが、さらりとした感じで飲みやすく、でも、濃醇な味は、いかにも原酒らしい。少しこなれた風味から察するに、厳寒期にしぼったものを熟成させたものだと思う。もうすぐ新酒のしぼりたてが飲める時期になるが、このような酒を飲むと、その日が来るのがいっそう待ち遠しく思える。



11月28日(木)
秋田県秋田市・新政酒造
「純米酒 新政(あらまさ) 生詰」
 ちょっと枯れたコクのある味わい。味の中心は、あくまでも米の強い旨味で、これぞ米の酒、といった佇まいがある。飲み口はすっきりなめらかだが、味わいは濃醇といっても良い。
 なんのてらいや、ごまかしがなく、純米酒とは、このような酒なのだなぁと納得させられてしまいました。


11月25日(月)
長野県諏訪市・舞姫酒造
「純米吟醸酒 翠露 中取り袋しずく 生酒」
 以前、当蔵の同じ造りで「雄町」を飲んだが、今回は「美山錦」。吟醸酒らしい香りが、とても心地よく、酒造好適米を贅沢に磨いて醸された酒といった雰囲気が、全体から感じられる。
 米の旨味が強く、重すぎず軽くならず、繊細さも兼ねそなえており、飲みごたえは申し分ない。
 酒飲みならば、思わずうなってしまうような味わいがある酒。
 おいしいです。


11月20日(水)
愛媛県伊予三島市・篠永酒造
「純米大吟醸 森の翠(もりのみどり)」
 とてもすっきりとして、なめらかな飲み口。後味がよく、すうーっと入ってくる。とはいえ、米の旨味は、しっかりしており、適度な重さが感じられる。
 全体に漂う雰囲気が、とても落ち着いており、気分をゆったりさせてくれる。
 朝もやに包まれた森の木々が、静かに呼吸しているような情景がイメージされる。
 多くは語らないが、独特の存在感がある酒だと思う。


11月14日(木)
栃木県佐野市・第一酒造
「本醸造 開華 中取りひやおろし」
 変な表現だが、酒の一番おいしいところの、さらに上澄みをすくって飲んでいるような感じがする。どちらにも偏らない甘辛の具合がちょうどよい。ちょっと高めのアルコール度数のためか、とても飲みごたえがある。
 米の風味も申し分なし。米の味をじっくりと味わいたい時には、こんな酒が良いのかもしれない。


11月7日(木)
山形県飽海郡八幡町・麓井酒造
「生もと純米酒 麓井の圓(ふもといのまどか)」
 すっきりとした辛口の酒。とてもドライな感じがする。本辛と銘打っているだけに、辛さが味の中心だが、軽やかな味わいのためか、嫌味がなく、果実酒のような不思議なまろやかさもある。
 和風の料理はもちろんだが、比較的あっさりした味のパスタやチーズなんかといっしょに飲んでも、けっこう合うかもしれない。


11月3日(日)
静岡県島田市・大村屋酒造場
「若竹鬼ころし 秋の生一本」
 どちらかといえば、辛口の酒の部類に入るのだろうが、ほのかに感じる邪魔にならない程度の甘さの加減が良い。米のふっくらとした味が印象的で、程よい熟成により丸みのある味わいになっている。
 味にしっかりとした柱があるから、色々な料理と合わせて飲んでみたくなる。
 この酒も、出会うとうれしいオールマイティな酒の範疇に入るのではないだろうか。



10月31日(木)
宮城県黒川郡富谷町・内ケ崎酒造店
「本醸造原酒 鳳陽 秋あがり」
 厳寒期にしぼられた新酒が、季節を経ることによって、若々しさ、荒々しさが、丸くこなれていて、とても良い感じがする。原酒としての重々しさを残しつつも、味わいは、より艶やかになっている感じがする。味の移ろいは、木々の葉の紅葉に例えてもよいだろう。
 秋は、なんとなく寂しいが、こんな美味しい酒が飲める季節と思えば、なんとなく楽しくすごせそうだ。


10月28日(月)
岩手県下閉伊郡岩泉町・泉金酒造
「本醸造 生貯蔵酒 龍泉 八重桜」
 生貯の軽やかさを想像しながら口にしたのだが、意外にも、味にしっかりとした柱がある。澄んだ水に米の旨味がうまくとけこんでいる、といった印象があり、味わいは、繊細でありながら、とてもまろやか。後味も爽やかで、飲み飽きない。
 季節がら、新蕎麦をすすりながら飲んだら、さぞかし美味しさが際立つだろうな、と思いました。


10月23日(水)
宮城県柴田郡村田町・大沼酒造店
「本醸造 乾坤一(けんこんいち)」
 すっきりした飲み口だが、あっさりとしているのではなく、しっかりとした米の味がする。旨味が強く、とても日本酒らしい。どんな料理と合わせても相性が良いような気がする。気取らずに、気軽に飲める雰囲気もあり、お茶がわりの一杯として飲みたくなる。


10月19日(土)
山形県南陽市・山栄遠藤酒造店
「特別本醸造 東の麓(あずまのふもと) しぼりたて 荒ばしり」
 冷やおろしの酒が出盛りのこの時期に、なぜか荒ばしりの酒(平成14年8月出荷とある)。舌に感じるかすかなピリピリ感と生酒特有の新鮮な感じ、そして、加水していないクラクラするほどのアルコール度数は、やっぱりしぼりたての酒。とはいえ、角が取れて、適度に丸くなっている味わいがあり、とてもうれしく飲める。
 季節を錯覚してしまいそうになる、というよりも、新酒の季節が待ち遠しくなりました。


10月14日(月)
福島県三春町・佐藤酒造
「純米吟醸酒 三春駒(みはるこま)」
 米の味が強く、コクがあり、いかにも日本酒といった佇まいがる。素朴だが味わい深く、ほどよく枯れた印象がある。たとえば、きどらない家庭料理、でもそれがごちそう、という雰囲気もあって、なんとなく懐かしい気分にさせられる。
 秋の夜長に飲むと、しみじみと染みわたってくるような酒。


10月8日(火)
長野県諏訪市・舞姫酒造
「純米吟醸酒 翠露 中取り 袋しずく 生酒」
 中取り、袋しずく、生酒、使用米(雄町100%)、精米歩合、吟醸の造り、どれをとっても、とても贅沢な感じがする。華やかな上立香があり、洗練されていながらも、すっきりしすぎず、適度な重さを感じる味わいがある。
 艶っぽいというか、いやらしくない色気があるというか、この色香に惑わされる酒飲みも多いのではないだろうか?


10月3日(木)
福島県会津若松市・宮泉銘醸
「大吟醸 会津宮泉(あいづみやいずみ) 鬼ごろし」
 飲み口は、すっきりしているが、米の旨味が凝縮された辛口の味が、ストレートに伝わってくる。鬼ごろしのネーミングらしく、飲むたびに感じる辛口の酒以上の辛さが印象的。
 比較的、味の濃い料理にも負けない力強さがあり、こんな大吟醸もあったのか、と感心させられました。



9月30日(月)
愛媛県伊予三島市・篠永酒造
「特別純米酒 森の翠(もりのみどり)」
 なぜか、甘く感じる独特の香りがある。肝心の味はというと、香りに引きずられてか、ほのかに甘いような気がするが、よく味わうと、全ての味のバランスが良く、旨口の酒と言って良いと思う。落ち着いているというか、ギラギラしていない主張が感じられる。
 静かに、ゆっくり飲みたい時に、しっくりとくるような雰囲気がある酒。


9月27日(金)
宮城県栗駒郡高清水町・はさまや酒造店
「特別純米酒 桂泉 こんこん」
 水の良さが、はっきりわかる程の、すっきりと爽やかな味。心地よい余韻が残り、邪魔にならないほのかな米の香りが、次の一杯を注ぐのが、つい早くなってしまう。
 つつましいというか、控えめだが奥ゆかしい味が、全体を優しい印象にしている。
 時々飲みたくなる味。


9月25日(水)
福島県二本松市・大七酒造
「大七 醇良酒(だいしち じゅんりょうしゅ)」
 とても丁寧にしっかりと造られている感じがする。味にわだかまりがないというか、素直な味わいがある。特定名称酒ではないが、米の旨味とコクは、十分に感じられ、生もと(酉元←「酉」に「元」と書く字です)造りで数々の優れた酒を生み出している蔵だけあるなぁ〜、と思わせる。
 この味わいで、この値段?と、驚いてしまう手頃さも、大変うれしいです。
 このような酒で、毎日晩酌できたら、幸せだろうなぁと思います。


9月22日(日)
福島県喜多方市・大和川酒造店
「大吟醸 鑑評会出品酒」
 美味しい、そして、素晴らしい。ラベルには記されていないが、無濾過の原酒だと思う。酒は、あくまでも「嗜好品」と考えたいのだが、一般的に上質と言われる酒には、飲み手に対して、一滴たりとも無駄にはできないと思わせる魔力のようなものが備わっていて、この酒もまさにその類に入ると思う。
 そして、酒造りに携わる人々にとっては、醸された酒は、その労苦の結晶ともいうべき「芸術品」なのであろう。
 大切に醸されてきた酒に対しては、こちらも居住まいを正して飲まなければならない。
 参りました。


9月19日(木)
宮城県栗原郡高清水町・迫屋酒造店
「上撰 桂泉(けいせん)」
 酒を味わう時に、ききわけようとすればするほど、眉間にしわが寄ってしまうような厳しい表情になりがち(?)なのだが、この酒は、一口飲んだとたんに、思わず微笑んでしまいました。ストレートに伝わってくる味と肩の力が抜けるような気軽さは、普通酒ならでは。なんのてらいもない。よく味わうと、単純ではない味の妙が感じられて、十分楽しめる。下駄履きで行けるような、立ち飲み屋のような雰囲気もあり、とてもうれしいです。


9月9日(月)
長野県諏訪市・舞姫酒造
「吟醸酒 舞姫 亀仙(きせん)」
 ほどよく華やかな上立香。穏やかだが、なめらかなコクがあり、深い味わいが感じられる。そのわりには、くどくなく、口に含んでから味がきれいにさばけていくというか、何杯飲んでも、次の盃を飲む時には、常に一杯めの新鮮さがある。多くは語らないが、独特の個性があり、全体から受ける印象は「磨かれた酒」という感じがする。


9月5日(木)
宮城県遠田郡南郷町・川敬商店
「山廃純米酒 黄金澤」
 まぎれもなくしっかりとした米の味がある。酒らしい酒というか、他の形容が空々しくなるほど素直な味わいがある。今まで抱いていた山廃の酒のイメージよりも、スッキリしている感じがするが、芳ばしくふくよかな香りが昔ながらの造りということを証明している。一口飲むたびに、迷うことなく「うまい」と言ってしまう。料理との相性もよし。


9月2日(月)
鳥取県気高郡青谷町・山根酒造場
「純米吟醸酒 日置桜 強力(ごうりき)」
 濃醇な味のなかに、ほどよい甘さがある。生原酒の持ち味であるフレッシュな感じと重々しさの妙が、すばらしく、くどさを感じさせない。ほのかな酸味とかすかに残る渋みがアクセントになっている。他のどの酒にも似ていない味わいがあるのは、使用米の「強力」の持ち味によるものなのだろう。まさしく、米の名のとおり、力強く大きな存在感を感じさせる酒。



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