一般の部





1北陸富山県富山ミナミ吹奏楽団/牧野 誠
 金賞 

3/海の男達の歌 (R.スミス)

初出場、プログラム1番で金賞。見事な演奏でした。マーチもはまってましたね。サウンドが良い上にリズム感も素晴らしい。とにかくバンドの音がまとまっており、ゴキゲンでした。
海の男達の歌でも、実に明るいサウンドで好演でした。中間部のオーボエソロはもっと歌ってほしいところ。後半に入るところのホルンセクション素晴らしいです。明るいサウンドに終始魅了されました。北陸代表としてはひさびさの金賞です。





2東北秋田県大曲吹奏楽団/小塚 類
銀賞

1/交響曲第1番より 第4楽章 (S.ラフマニノフ/築地 隆)

木管セクションのブレンドが悪く、音が分散していました。
自由曲では大人の演奏でしたが、聞かせどころが明確でなく、全体的な印象も薄くなってしまったという感じです。3金のときのようなパワーが感じられなかったというのが正直なところでしょうか。ホルンセクションは素晴らしかった。





3関西滋賀県大津シンフォニックバンド/森島洋一
金賞

4/吹奏楽のための交響的印象「海響」 (和田 薫)

課題曲は余裕たっぷりの演奏でした。これぐらい余裕をもった演奏は聞いているほうも疲れないですね。
自由曲は唯一の邦人作品。昨年のタプカーラで見せた統一感は今年も衰えを知らずといったところ。後半のパーカッションはパフォーマンスも十分で、会場全体をひきこんでいきましたね。洗練された技術で「海響」を熱演しました。





4東海愛知県創価学会中部吹奏楽団/多戸幾久三
銀賞

4/交響詩「ローマの祭り」より I. チルチェンセス IV. 主顕祭 (O.レスピーギ/角掘普救)

関西、東京支部に続いての創価学会。激戦の東海地区を抜けてきただけに期待は大きかったのですが、サウンド的にはちょっと古いという印象。各パートともかなりのレベルにあると思うのですが、あまりにも整理されていない感じがしました。マーチは力任せの演奏で、金管のバランスが良くないようです。自由曲も雑然とした印象で、いくつかあるTpソロもすべてコケちゃって残念でした。どちらかといえば一昔前の「ガンガン鳴らす」タイプで、サウンドが固く耳に痛く感じました。





5東京東京都葛飾吹奏楽団/林 紀人
金賞

4/喜歌劇「天国と地獄」序曲 (J.オッフェンバック/林 紀人)

昨日の中大に続いて林先生が登場。コンクールでのラストステージですね。
サウンドは柔らかく素晴らしいのですが、緻密さに欠け、何か緊張感も無く、特徴のない演奏に終わってしまったと思います。クラ、Saxのソロもちょっと危なっかしく、曲をひっぱることが出来ていませんでした。しかし、アピールする部分が少ないこの曲での金賞は見事なのかもしれません。





6西関東埼玉県川越奏和奏友会吹奏楽団/佐藤正人
銀賞

2/ディオニソスの祭り (F.シュミット)

上手いです。技術的には全然問題無いです。これだけの演奏が銀賞というのはかわいそうですね。少々鳴らしすぎの感はありますが、惜しい銀賞の一つでしょう。ディオニソスは本当に名演でした。今年で3出、3年連続金賞は逃しましたが、見事な演奏だったと思います。





7四国愛媛県愛媛交響吹奏楽団ウェーブ/藤澤一仁
銅賞

1/「プスタ」〜4つのジプシー舞曲〜 より I. II. IV (J.ヴァン=デル=ロースト)

派手さはないけれど、堅実な音作りをしているなという印象です。
そのサウンドにプスタは合っていましたね。これからのバンドという感じで将来が楽しみです。





8東関東神奈川県グラールウィンドオーケストラ/瀬尾宗利
銀賞

4/管弦楽のための"ジョージ・バーナード・ショー"的素描より 「メジャー・バーバラ」 (W.ウォルトン/瀬尾宗利)

課題曲はのびのび演奏していて好感が持てましたが、緻密さに欠け、ちょっと大袈裟かも。自由曲では、指揮者自らアレンジした「メジャー・バーバラ」を熱演しましたが、中間部のコーラスは女声・男声の違いをうまく使い良かったと思います。
瀬尾氏が指揮者として全国デビューでしたね。指揮者はちょっと動きが大きすぎました。終わってみると、指揮者のことしか頭に残っていない。(笑)





9九州熊本県熊本ウィンドオーケストラ/川瀬 誠
銅賞

4/「スター・ウォーズ」3部作より (J.ウィリアムズ/D.ハンスバーガー)

二年ぶりの出場。ミューズでも思いましたが、ここのTpは上手いですね。他の団体のようにTpが大所帯ではないのですが、よく吹いています。そしてピッコロTpが非常に上手いと思います。あれだけよく響くと気持ちいいです。中間の弱奏部分は、もっともっとしなやかさが欲しかった。





10中国岡山県倉敷市民吹奏楽団グリーンハーモニー/佐藤道郎
銀賞

1/バレエ音楽「クエスト」より (W.ウォルトン/木村吉宏)

美しいセッティングでした。昨年に続いてのウォルトンでしたが、どこかしら無個性な演奏に聞こえます。技術的は高いところにあると思うのですが、聞き終わったあと印象に残らないというのが正直なところ。
金賞バンドに比べて、倉敷GHの個性をもっともっとアピールしてもいいかなぁと感じました。





11西関東埼玉県川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団/近藤久敦
金賞

2/歌劇「トスカ」第3幕より (G.プッチーニ/飯島俊成)

レディアントは実に安定した演奏で、完成度が高いです。トスカは大人の演奏でした。決して派手さはないのに、聴衆の心をつかんでしまいました。どのパートも非常に安定した演奏でクリアなサウンドでした。木管もすごくしなやかで、金管は力強く豊かだったと思います。特にホルンセクションのレベルの高さが印象に残りました。





12北海道北海道上磯吹奏楽団/高橋 徹
銅賞

4/交響詩「ベトナムの回顧」 (D.ギリングハム)

課題曲は平凡な演奏に聞こえてしまい、残念でした。自由曲は緊張感のある演奏で好演でしたが、もっともっとひそやかさを醸し出してほしかったです。一般バンドがこのような難曲に挑戦する意欲は十分に評価できると思います。





13東北秋田県秋田吹奏楽団/佐藤正人
金賞

2/交響詩「ローマの祭り」より III. 十月祭  IV. 主顕祭 (O.レスピーギ/佐藤正人)

川越奏和の指揮に続いての一日ダブルヘッダーで佐藤氏が登場です。去年は川越が金で、秋田は銀でしたが、今年は逆転しましたね。97年に川越が金賞受賞した同じ曲。佐藤先生はこの曲、十八番にしていらっしゃいますね。たしか野田中でも取り上げて金賞を取ったことがありました。見事な指揮に操られ、ゴージャスな響きがホールいっぱいに広がり、聞いているほうも身を乗り出してしまうほどひきこまれました。嬉しい初金賞おめでとうございます。しかし・・・・ラストのTpソロ、、惜しいっ!





14東関東神奈川県横浜ブラスオルケスター/中村睦郎
金賞

1/交響詩「ローマの祭り」より III. 十月祭  IV. 主顕祭 (O.レスピーギ/佐藤正人)

支部大会からいろいろ話題になっていた横浜ブラオケ。見事な演奏で、脱帽です。課題曲は非のうちどころがありません。当日の課題曲1の中では最高の演奏だったと思います。ブラボー!
自由曲は前の秋田吹と同じく、「十月祭、主顕祭」を演奏しました。前の団体にあれだけの演奏されるとやりにくいだろうなぁと心配しましたが、余計なお世話でした。こんなに素晴らしい祭りは初めてです。恐ろしいくらいにまとまっており、サウンドもゴージャス。文句無しの金賞です。それだけに、ラストのTpソロ、惜しかった!





15九州鹿児島県宮之城吹奏楽団/幸喜 隆
銀賞

4/序曲「ピーター・ルー」 (M.アーノルド/近藤久敦)

初出場ですね。サウンドが柔らかく、耳に心地よいんです。秋田、横浜のローマの祭りの後で耳が疲れたせいもあり、ほっとさせられました。決して鳴らしすぎず、伸びやかな演奏だったと思います。しかし、フルートでのメインテーマは低音が響かず残念でした。終曲はもう少し盛り上がってほしかったです。しかし、去年の松陽高校OB「緑」と同じく、弱奏が上手なバンドだと思いました。同じく九州の熊本WOとは正反対のサウンドを持ったバンドでした。





16関西兵庫県尼崎市吹奏楽団/辻井清幸
金賞

4/組曲「戦場にかける橋」より  (M.アーノルド/木村吉宏)

ダイナミックレンジが広く、マーチではむしろトリオの弱奏部分で勝負にきた感じ。見事な統一感を見せ、決して乱れず大人の演奏でした。本日最後、トリを見事な演奏でしめてくれました。






【総 評】

終わってみれば金賞7つ。昨年よりも1つ増えました。内訳は、東北1、東京1、西関東1、東関東1、北陸1、関西2。非常にレベルの高い部門でした。この内、秋田吹(東北)、横浜BO(東関東)、富山ミナミ(北陸)は初の金賞受賞です。(横浜、富山は初出場) 昨年は東西関東の4団体がそろって金賞でしたが、今年は1団体ずつに終わりました。関西の大津SB、尼崎市吹がアベック金賞受賞で超激戦区の面目を保ちましたね。そして、富山ミナミが北陸代表としては10年ぶりに金賞受賞しました。初出場でプログラム1番にもかかわらず、実に明確でハッタリの無い素晴らしいサウンドを聞かせてくれたと思います。この10年間、中国・四国・九州支部代表からは金賞が出ていません。来年に期待ですね。
西関東の川越アンサンブルリベルテが3出となり来年はそろってお休みです。層の厚い西関東からいったいどんなバンドが代表になってくるのか楽しみです。


高校(前)  高校(後)  大学  職場  一般