韓国戸籍翻訳

      
翻訳作業の概要
韓国戸籍の翻訳はハングル表記された法定の記載内容を、韓国戸籍の様式に沿って日本語にする作業です。
ハングルとは表音文字であり、日本語でいえばひらがな ・ カタカナに相当する表記です。その性質ゆえに翻訳作業では
        
  • 同音異義語が無数にある
  • 固有語と漢字語の区別が困難である
と言う韓国語翻訳に共通の問題点に加え、法律用語の(公文書特有の)表現にはハングルに慣れた者でも少なからず困惑してしまいます。さらに、固有名詞の取扱いにも注意が必要です。

例えば、地名については韓国行政区域の統廃合(日本と同様の市町村合併)の経過を把握していなければ正確な翻訳を行なうことはできません。また人名についても戸籍例規第539号で氏名表記への漢字表記の追完がなされるまでの一時期はハングルのみで氏名が表記されており、表記にあてはまる漢字は無数に存在します。
翻訳の正確性を期するためには、専門家がこれらの点を複数の資料から総合的に判断する必要があります。
            
機械翻訳の信頼性
昨今、機械翻訳(翻訳エンジン)の存在が注目されていますが、単語の用例が限定されているため誤訳が非常に多く文法上も誤謬が多数見られます。サイトなどの概要を知る分には適していますが、法律文書の翻訳への利用では(韓国語に造詣の深い方でない限り)正確な翻訳に訂正することは容易ではありません。
法的判断の根拠として韓国戸籍の翻訳文の添付が必要なケースでは誤訳による多大な影響(不利益)を機械翻訳を利用した本人が背負うことになります。
特に、帰化申請などでは翻訳の正確性が結果を左右するほどの影響力を持ちますので、その意味からも機械翻訳の利用を控えられることをおすすめします。
          
電算化による新たな問題点
            
上記の問題点に加え、情報化先進国である韓国が2002年より進めている戸籍の電算化作業が新たな問題を生じています。
これは、従前の「滅失憂慮」を原因とする戸籍簿の移記に代わり、電算処理システムへの移行(コンピュータ化)を進めるものですが、短期間に膨大な量のデータを手入力する必要があったこと及び戸籍官署を直接監督する上級庁(日本で言えば市区町村の戸籍部門を監督する法務局に相当)の校正にもかかわらず、戸籍官署職員の誤入力による誤記 ・ 誤植が放置されたまま謄 ・ 抄本が発行されるケースが非常に多くなっています。
また、氏名以外の事項の漢字表記を一切認めていないために、在日の方の身分事項欄における固有名詞のハングル表記からだけでは正確な翻訳を導きにくい状況になっています。
            

翻訳のプロセス

      
韓国戸籍の正確な翻訳を実現するために、私達は既存の語学力に加え下記の手法によって上記の課題の解決を図っています。
        
  • 身分関係説明図(族譜)の作成
  • 保有されている古い資料の精査
  •                 
  • 申請人親族における年長者からの聴取依頼
  •                 
  • 最新の情報技術の活用
1.は戸籍内に記載されている全員の身分関係を系図として一覧にしたものです。帰化申請等で担当者へ説明するときに便利なことは勿論、誤訳を避けるためにも有益です。

2.は漢字表記の参考とするために、過去に本人 ・ ご家族が取得され保有されている古い戸籍(手書きを含む戸籍簿の謄本)、国民登録証、旅券等の関連資料の呈示を求め、翻訳の用に供するものです。

3.は戸籍が個人情報の集積したものであることに鑑み、申請人の親族の内で親族間の事情にお詳しい方がご健在の場合、翻訳作業中に生じた疑問点を(申請人を通して)聴取し結果を翻訳内容に反映させるものです。

4.は韓国国内法の改訂等を迅速に反映させ、様式の変更等にも柔軟に対応するほか、語学能力を生かして韓国語サイト内で行政区画の変遷を追跡して正確に翻訳に反映させます。
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last modified: 30th/Dec./2010;