†パープルタイズ†


【解答編】予告


――その一点において、少女の想いは産業時代と情報時代の境界を越える!

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「芙毬ちゃん、香源司さんにも、伝えたいことがあるんじゃないの?」

 そう言って、モダと同じように、芙毬の方に片方の手を差し出した。

――伝えたいことが、あるって?

 その言葉を聞いた瞬間、視界が、今、目の前にある情景からトリップする。その時、かいま見た一瞬の映像は、過去の膝を抱えて蹲(うずくま)っている芙毬自身だった。
 リディに来る前の、いまよりもさらに小さな芙毬自身。
 伝えたいこと。
 それは、あった。いや、もう、ずっと前からあったのだ。
 だけど、修学旅行の打ち明け話の時、そのことは伝えることができなかった。
 そう、初めての彼氏の公一郎くんから、別れを切り出された時も、そのことは伝えることができなかった。
 そこまで思いをよぎらせるのに、長いような、短いような不思議な時間が流れた。
 だけど、次に気が付いて、元の瞳の前にある情景に芙毬の意識が戻ってきたとき、二本の手が、いつまでも芙毬に向かって差し伸べ続けられていることに気がついた。
 何も意識せずに、体が命ずるまま、実に素の調子で、二人の手に向かってこちらも手を伸ばす。
 片手にモダの手を、もう片手にセッチャンの手を握りしめた瞬間だった。芙毬自身まったく予期していなかった、怒号のような熱い気持ちが押し寄せてきた。
 ようやく、遠のいていた意識に思考が追い付いてくる。
 その時、芙毬には分かった。

――あの時とは違う。

 モダとセッチャンがぐいと力強く両手を引っ張って芙毬を立ち上がらせる。
 瞬間、体が、下から見上げていた蒼い空に躍り出たような錯覚を覚える。
 屋上のアスファルトに立ち上がった芙毬は、ただ、ありたっけの想いを込めてモダとセッチャンの二人の手を握りしめて、こう言った。
「私、由咲ちゃんに伝えたいことがあるの」
 と。

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    【解答編】本文より

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