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スポーツ障害・外傷 内側側副靭帯損傷

【肘・前腕】

野球肘

テニス肘

肘関節脱臼

尺骨神経炎

内側側副靭帯損傷

肘部管症候群

肘関節靭帯損傷には、転倒などの1回の大きな外力による外傷と、スポーツなどによる繰り返し加わるストレスによる障害とがあります。内側側副靭帯の障害は野球などの投球動作を繰り返すことによる過度のストレスなどが原因となることが多く、陸上の槍投げ選手などにもみられます。

肘の内側に痛みが続く場合はRICE処置を行い、その痛みの原因となる動作をしばらく休んで様子をみるようにしましょう。内側側副靭帯を痛めている場合は、

・全力投球をしようとすると初球から痛くて投げられない

・肘内側部に圧痛(あっつう=押されたときに感じる痛み)がある。

・肘関節を外反、または過伸展を強制することで肘内側部に痛みがでる

などがあげられます。痛みの原因となる動作を中止して、肘周辺部のリハビリテーションを行い、その状態が1〜3ヶ月たっても変化がない場合は再建術を行う場合があります。再建術は手の長掌筋(ちょうしょうきん)の腱を使用することが多く、術後半年〜1年かけて競技復帰します。

手術をする場合は術後のリハビリテーション時期が長くなることもあり、競技からもしばらく離れなければならないことから、競技に対する強い復帰の意欲をもつことが手術を行う条件となるでしょう。
 

肘部管症候群

肘部管(ちゅうぶかん)症候群とは肘の内側を通る尺骨(しゃっこつ)神経への圧迫によって起こる障害で、肘の痛みとしびれ感、薬指と小指への感覚鈍麻などがみられます。

小児期の肘骨折による変形やガングリオンなどがその一因としてあげられますが、肘を曲げたときに尺骨神経が圧迫されて痛みなどが生じるため、野球のピッチャーは肘部管症候群になりやすい傾向があるといわれています。特にスライダーを投げるときに腕を過剰にひねることが多いためです。
 

最もよくみられる症状は肘関節内側部の痛みとしびれ感、そして小指と薬指の半分(小指側)のしびれ感やちくちくとした痛みです。

進行すると薬指と小指の筋力が衰え、筋力低下により親指と人差し指でものをつかむ動作がむずかしくなります。これは手の細かな筋肉の大部分が尺骨神経の支配領域であるからです。重度の慢性的な肘部管症候群は、筋肉の萎縮(いしゅく)や、手のかぎ爪状の変形を引き起こすことがあります。

痛みがある場合は痛みの原因となる動作をしばらく中断し、RICE処置を行いながら、痛みの軽減をはかります。また医療機関で診察を受け、神経障害緩和に効果があるとされるビタミンB12などを処方してもらうこともあります。

野球のピッチャーの場合、肘が下がった状態で投球を続けると、肘関節が過度に外旋されて尺骨神経圧迫を繰り返します。投球フォームの見直しもあわせて行う必要があります。

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