「うずのしゅげ通信」

 2018年5月号
【近つ飛鳥博物館、河南町、太子町百景】
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2018.5.1
文学の力、演劇の力

学校での演劇活動はどのような意味を持っているのでしょうか。
2004年1月号に掲載した記事です。

『文学の力、演劇の力』

文学の力、芸術の力について連続して書いてきました。
「演劇の力」を鼓舞する「声」を見つけたので、報告しておきます。
昨年12月5日の朝日新聞の「声」欄につぎのような投書が載っていました。
「俳優 石井六助(京都市 45歳)」さんの投書です。
「言葉の上達に演劇の力知る」と表題があります。
「先日、長男が通う小学校で、学芸会がありました。 学級、学年ごとにお芝居や演奏をする中で、 知的障害がある子どもたち4人のクラスも発表しました。
そのけいこ期間中から、教頭先生も応援出演すると聞き、 仕事柄ボクも何か手伝えないかと参加しました。ハンディはありますが、 皆一生懸命に今年言えるようになった言葉やせりふを練習していました。
ある女の子は、さ行まで言えますが、『たちつてと』が『たちすせそ』になってしまいます。 ボクも一緒になって、何回も何回も声を出し、けいこを重ねました。 詩の朗読をする男の子がうまく言えると、相手役の教頭先生はすぐさま、 『でかしたぞ』というせりふを返していました。
いよいよ本番。男の子はこれまでで一番大きな声で詩を読みました。 教頭先生のせりふの間が、空きました。見ると、目が一瞬光った後、 『でかしたぞ!』と言いました。
女の子は『たちつてと』が言え、発表後に握手をしに来てくれました。 思わずこちらの方が『ありがとう』と言いました。演劇の力を教えてもらいました。」

演劇の力については、前々月号にも書きました。授業に取り込んでいけば、 新鮮な驚きが経験できるだろうと思うのです。ことばを引き出す力、声を相手に届かせる力、 役割を演じる力、演じた役割を立場を変えて観客席から見る力、観客を喜ばせる喜び、 観客の視線に耐える力、視線に耐えて言葉を発する経験…… こんなふうにあげていくときりがないくらい演劇の効能はいっぱいあって、 まるで温泉の効能書きみたいになってしまいます。 そして、できればみんなの前で発表したいものです。 そこでは舞台と客席が一体になるという他では味わえない共感をえることができて、 深い印象を残さずにはおかないだろうということです。こころの障害に対して 治療効果も期待できそうです。障害児教育においてもっと見直されてもいいと思うのですが……。


2018.5.1
フェイスブック

〈4月20日にフェイスブックに投稿したものです。〉

今日の拙句です。

メーデーの流れ飛火野にビラ敷きて

春の雫井戸の水面の揺れやまず

神獣鏡の彫り深くする春の月

初蝶や左右(さう)に列なすめおと墓

写真部の遠足浮遊写真から

春の水にほふスーパー歌舞伎かな

私が勤めはじめた頃はまだまだメーデーに勢いがありました。労働者という言葉が生きていた時代でした。現役の頃を思い出して。
二句目、家に井戸があるのですが、最近何か水脈に変化があったのか、水量が減ったようなのです。
四句目、めおと墓というのは、何々家ではなく、夫婦の名を刻んだ墓。
ということで、今日はメーデーの句。

メーデーを太く詠みたし詠めざりし  大牧 広

私もメーデーを太く詠みたいと思うのですがむずかしいですね。


2018.5.1
俳句

〈4月のフェイスブックに投稿した拙句です。〉


囀りや肩に乗る子も耳立つる

銅鐸の音はこんなか春惜しむ

眩しみてぶあいそな嬰(やや)うららかや

初桜高貴寺までの尾根伝ひ

上り框(がまち)に置き薬箱紙風船

牡丹の花の十日を余命とも

新社員スマホに桜咲かせをり

電動の声帯喉に種物屋

老い萌す身の衰へや竹の秋

野遊びや父にならひし匍匐の字

(心経一つを覚えて)
なけなしの般若心経葱坊主

たんぽぽの家族をわかつ電気柵

メーデーの流れ飛火野にビラ敷きて

春の雫井戸の水面の揺れやまず

神獣鏡の彫り深くする春の月

初蝶や左右(さう)に列なすめおと墓

写真部の遠足浮遊写真から

春の水にほふスーパー歌舞伎かな


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