「うずのしゅげ通信」

 2020年7月号
【近つ飛鳥博物館、河南町、太子町百景】
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2020.7.1
新型コロナ感染症の句

夜濯ぎのマスクに妻の手音込め

列島に祈る五分の揚花火

感染のピークアウトの見えぬ夏至


新型コロナ感染症の第二波のきざしが見られます。なかなかに一筋縄ではゆかないようです。
一句目、マスクが手に入りにくいことから、妻が、夜、使用したマスクを手洗いしています。 その様子を詠んだものです。
二句目、6月1日、列島各地で、五分間だけ花火が打ち上げられました。三密を避けるために、あらかじめ場所や時間をしらせないで。 この夏、花火大会が各地で中止されていることから、花火師たちが、連携して終息を願って呼びかけたものだそうです。
三句目、世界のコロナの流行はまだまだピークアウトがみえません。


2020.7.1
フェイスブック

〈2020年6月16日にフェイスブックに投稿したものです。〉

「今日の拙句です。

蛍這はせ半跏思惟の指となる

半跏思惟の指から蛍飛びにけり

幼ければこぶしのほたる透けにけり

   (養護学校で、握ることのむずかしさを)
ほうたるやいのちにぎるもいのちかな

  (夜店の氷に並べて)
マニ車のごとじゃらじゃらとラムネ売

男梅雨前立腺のあるなしで

  (米国のBlackLivesMatter運動)
コロンブス像地に口づけて芒種かな

翁面に黴にほひけりいのち憂し

先日の句会、兼題に蛍がありました。私が投句したのは、
蛍這ひ半跏思惟の指に飛ぶ
というものでした。この句には、不満がありました。
以前にも、似たような発想の蛍の句(2017年6月)を詠んでいます。それが一句目の、
蛍這はせ半跏思惟の指となる
今回も同じ発想で詠んだのは、この句にも不満があったからです。
しかし、これでもまだ不満が残ります。一句で詠みおおせていない思いがのこります。
どうもすっきりしないので、発想を転じて蛍の句をもう少し続けて詠んでみようと考えました。それが三句、四句です。
蛍を握るという発想から、私が養護学校で学んだ大切なことの一つを思い出したのです。握るということの難しさです。 例えば蛍を握る、鳥の雛をにぎる、これらは簡単なことではないということです。やり方を言葉で説明しようとすると難しさがわかります。 逃さないように、握りつぶさないように、というそのあんばいがわかりにくいのです。
五句目、今はどうなのでしょうか。昔の夜店では、ラムネは氷の上に並べてじゃらじゃらと回しながら冷やしていました。」


2020.7.1
俳句


〈2020年6月のフェイスブックに投稿した拙句です。〉

夜濯ぎのマスクに妻の手音込め

  (教え子に風をこわがる子)
風こわい子に風をこわがる薔薇のこと

  (「青山常運歩」)
運歩スとふ山を遠見のかたつむり

蚊遣香尽きてけふ引く草も限(き)り

バックナンバーなほさかのぼり五月闇

供ふるに向き迷ひけり走り枇杷

列島に祈る五分の揚花火

  (繁昌亭はいつも最前列で)
うすものを脱ぐ風そへてかぶりつき

  (子どもの頃の思い出)
夜燈(やと)さんの辻に氷菓の幟立て

  (阿修羅像)
三面六臂四つ耳で聞く夏鶯

汗ばむや触診しつつむごきこと

蝋燭をよう吹き消さずてまりばな

  (聖徳太子御廟のある叡福寺)
千四百年遠忌の幟かきつばた

  (一遍上人聖絵の叡福寺)
墨染に色を重ねよ杜若

  (『徒然草』)
腹ふくるるとまなびしころのソーダ水

  (『青森挽歌』「銀河系の玲瓏レンズ/巨きな水素のりんごのなかを……」)
青りんご果芯を銀河つらぬけり

先風呂にカルキの匂ひ走り梅雨

  (「二上山を弟背(いろせ)とわが見む」)
二上山(ふたかみ)に届かぬ虹を愛(かな)しめり

夏羽織脱ぐ風も添へかぶりつき

蛇も吾(あ)も滑るや崖の竹落葉

庵主さまも門前の苺大福

蛍這ひ半跏思惟の指に飛ぶ

緑陰のほのかに父の北枕

二上山(ふたかみ)のいづれ隠るや梅雨に入る

十薬や母にも古き肺の痕

夏羽織脱ぐ風も添へかぶりつき

蛇も吾(あ)も滑るや崖の竹落葉

庵主さまも門前の苺大福

蛍這ひ半跏思惟の指に飛ぶ

緑陰のほのかに父の北枕

二上山(ふたかみ)のいづれ隠るや梅雨に入る

十薬や母にも古き肺の痕

蛍這はせ半跏思惟の指となる

半跏思惟の指から蛍飛びにけり

幼ければこぶしのほたる透けにけり

   (養護学校で、握ることのむずかしさを)
ほうたるやいのちにぎるもいのちかな

  (夜店の氷に並べて)
マニ車のごとじゃらじゃらとラムネ売

男梅雨前立腺のあるなしで

  (米国のBlackLivesMatter運動)
コロンブス像地に口づけて芒種かな

翁面に黴にほひけりいのち憂し


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