「うずのしゅげ通信」

 2020年8月号
【近つ飛鳥博物館、河南町、太子町百景】
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2020.8.1
新型コロナ感染症の句

〈2020年7月にフェイスブックに投稿した新型コロナ感染症にかかわる句です。〉

感染のピークアウトの見えぬ夏至

  (コロナによる死者が千人に)
かなかなやナースコールは押せたのか

  (ブラジルにも)
天の川サンパウロには恩義あり

国内のコロナによる国内の死者数が千人を超えました。新しい波が来つつあります。
感染者、いまはまだ比較的若い人に多いようですが、徐々に高齢者にも波及しています。 病院や老齢者、障害者の施設に感染が及んだとき、一気に医療が逼迫して、さらに死者が増える危険性があります。
自分にできることは限られているので、どうしようもありませんが。危険が迫ってくるいやーな感じに耐えているだけです。
お気をつけてください。


2020.8.1
フェイスブック

〈2020年7月5日にフェイスブックに投稿したものです。〉

「今日の拙句です。

感染のピークアウトの見えぬ夏至

  (『星の王子さま』の翻訳数種)
訳ことなれど作者手描きの夏帽子

子飼ひゆゑ修羅場を知らぬ兜虫

  (村はづれの地蔵尊)
三歩小高き腰折れ(こしょれ)地蔵の植田かな

  (養護学校で)
サングラス児に覗かるる教師かな

癌へて美味し冷奴掌に切り分くる

ほうたる来いと少年闇に恥じらへり

  (大阪芸大構内の合歓の花)
シュレッダーあふれ美大の合歓の花

うなかぶすと向日葵詠みしわが厄年

貫通銃創父夏痩せて腿たるる

  (香港)
黄紫陽花踏みしだかれて色あたらし

癌生存率掌に切り分くる冷奴

ひさしぶりの俳句の投稿です。
十一句、釈迢空(折口信夫)につぎの歌があります。

葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり」


2020.8.1
俳句


〈2020年7月のフェイスブックに投稿した拙句です。〉

感染のピークアウトの見えぬ夏至

  (『星の王子さま』の翻訳数種)
訳ことなれど作者手描きの夏帽子

子飼ひゆゑ修羅場を知らぬ兜虫

  (村はづれの地蔵尊)
三歩小高き腰折れ(こしょれ)地蔵の植田かな

  (養護学校で)
サングラス児に覗かるる教師かな

癌へて美味し冷奴掌に切り分くる

ほうたる来いと少年闇に恥じらへり

  (大阪芸大構内の合歓の花)
シュレッダーあふれ美大の合歓の花

うなかぶすと向日葵詠みしわが厄年

貫通銃創父夏痩せて腿たるる

  (香港)
黄紫陽花踏みしだかれて色あたらし

癌生存率掌に切り分くる冷奴

玉音テープ棄てて盛夏の空疎なる

病葉に問ふ秋冬のなき一生(ひとよ)

水族館のガラスに匂ふ青林檎

  (6月1日午後8時)
列島に祈る五分の揚花火

  (村外れの地蔵尊)
三歩小高き腰折れ(こしょおれ)地蔵喜雨しぶく

  (弘川寺の凌霄花)
武士一木に歌人西行凌霄花

香煙の高さ定まり梅雨湿り

  (昨年の入院中の句、二句)
病棟に夕日沈みしのちの映え

夕立晴れ点滴了へて潤へる

空蝉に風の歌口ありにけり

炎天のこの道ゆけばやまかがし

  (道明寺十一面観音)
十一面のほとり濃くする五月闇

親になるための試練か夕焼けて

  (コロナによる死者が千人に)
かなかなやナースコールは押せたのか

蕊取りし百合に目細め不登校

生中継の音声ずるる原爆忌

いっこく堂の声ずらす芸遠花火

  (ブラジルにも)
天の川サンパウロには恩義あり

  (二十二日夕、蜩を聞く)
夕されば波引くばかり遠ひぐらし

いなびかりやさし薄目で寝るややに



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