「うずのしゅげ通信」

 2020年10月号
【近つ飛鳥博物館、河南町、太子町百景】
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2020.10.1
コロナ禍の中の学校演劇

この「賢治先生がやってきた」の中の脚本、例年だと何本かは上演されているのですが、今年はコロナによる自粛のことがあり、 脚本使用の申込みはないだろうと諦めていました。ところが、つい最近「風船爆弾」を上演したいというメールが来たのです。 おどろくと同時に嬉しい限りです。
退職の身としては、学校現場がどのようになっているのか、詳しいことはわかりません。
しかし、このような申込みがあるということは、現在のような状況下においても、演劇部の活動が地道になされているという証にちがいありません。
そんな思いでほっと胸をなでおろしているところに、NHKのEテレで、青春舞台2020「コロナに負けるな!」という番組が放映されました。
毎年開催されている『全国高校演劇大会』の今年版の報告です。コロナの影響で中止になった全国大会に関東代表として出場が決まっていた 千葉県の松戸高校演劇部の活動が取り上げられていました。
NHKの番組案内にはつぎのように要約されています。

「演劇に青春をかけた高校生たちのひと夏を追う。全国2000校の高校演劇部。 その頂点を決める『全国高校演劇大会』はコロナの影響で中止。憧れの舞台で青春のすべてをかけて演じるはずであった“夢”は 無念にも絶たれた。しかし関東代表・松戸高校演劇部はあきらめなかった。 舞台をWEB配信することにした。題名は「ゴリラゴリラゴリラ」“3密”を避けるため演出にも工夫を凝らし、 コロナに立ち向かい演劇に青春をそそぐ。」

すばらしい取り組みだと思います。
他の高校や中学でも、同じような取り組みがなされていると信じます。
そして、「風船爆弾」の上演も、「“3密”を避けるため演出にも工夫を凝らし」心に残るものとなりますようにと祈るばかりです。

追伸
10/1 「教室の壁は回し蹴りで」の使用について申し入れがありました。やはりそれぞれの学校でがんばっておられるんですね。 嬉しい限りです。


2020.10.1
フェイスブック

〈2020年9月9日にフェイスブックに投稿したものです。〉

「今日の拙句です。
管球ラヂオ廃れ玉音はるかなり

はじめての洋書の紙質赤とんぼ

熟れ頃と忌日案じて桃たまふ

  (十四年前ブラジルで)
エレベーターの扉手で開け無月かな

  (夢)
電柱の焼けぼっくいや月の岐路


ひさしぶりの投稿です。
今日は気温が少し低くて、過ごしやすい一日でした。大根の種を蒔くための準備をしました。二、三日後に蒔くつもりです。」


〈2020年9月16日にフェイスブックに投稿したものです。〉

「今日の拙句です。

くきやかに竿屈折ス秋の水

よろしかったですかとの貌きりぎりす

桶に切花寝かせて一夜涼新た

  (1938年、富田林駅前で歓迎の旗を振った話を聞いて)
来るか来るかとヒトラーユーゲント彼岸花

小仏連ね空也上人葛の花

少し過ごしやすくなってきました。家のまわりからは虫の音がひっきりなしに聞こえてきます。
四句目、ヒトラー・ユーゲントの話は、当時女学校に通っていた人から聞きました。
なぜヒトラー・ユーゲントが日本にやってきたのかは、柏原市のホームページに次のように書かれています。
「昭和11年(1936)の日独防共協定締結をきっかけとする両国の関係強化の取組みの一環として、 この年(昭和13年)、両国の青少年が相互訪問している。」
富田林にやってきた日時ははっきりしませんが、おそらく昭和13年(1938)10月か11月ごろだったと思われます。 富田林に立ち寄った目的は、楠木正成を祀る千早神社を訪問するためだったようです。近隣の中学生や女学生が駆り出されて、 駅前通りで旗を振って出迎えたのです。」


2020.10.1
俳句


〈2020年9月のフェイスブックに投稿した拙句です。〉

管球ラヂオ廃れ玉音はるかなり

はじめての洋書の紙質赤とんぼ

熟れ頃と忌日案じて桃たまふ

  (十四年前ブラジルで)
エレベーターの扉手で開け無月かな

  (夢)
電柱の焼けぼっくいや月の岐路

土鳩鳴きマスクに喘ぐ九月朔

無観客に打音のひびき鰯雲

矢数(やかず)俳諧ライブとも西鶴忌

人形の供養三体秋思かな

月に酔ひさかしまに着く最寄駅

切岸の萩一筋の露の数

蛍光時計たちまち消えて虫の闇

くきやかに竿屈折ス秋の水

よろしかったですかとの貌きりぎりす

桶に切花寝かせて一夜涼新た

  (1938年、富田林駅前で歓迎の旗を振った話を聞いて)
来るか来るかとヒトラーユーゲント彼岸花

小仏連ね空也上人葛の花

  (二年前の術後)
露の刻点滴了へて潤へる

  (三年前に伐った二本の柿古木に、三句)
柿老いて先祖返りの渋となる

古渋柿の渋みの残る熟柿かな

鵯大挙して一日(ひとひ)熟柿を食べ尽くす

緘黙(かんもく)の児に試みのトス花梨の実

  (コロナで中止していたのが一部再開)
駅中ピアノもやや開かるる良夜かな

花すすき杞憂の果の曲がり癖

天球儀に直線描けず流れ星

兵たりし父の折り目や野の桔梗

蜘蛛の囲の一の糸切り秋の朝

Black Lives Matterに想ふ夜長かな


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