「うずのしゅげ通信」
2020年11月号
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2020.11.1
入院
10月中旬に手術のために入院しました。
そのときの経過を日記風に俳句で記録したのがつぎの投稿です。
「今日の拙句です。
(手術前日入院)
木犀咲きてリストバンドの人となる
抜けるしかないトンネル昏し月迷路
金木犀かトンネルの風匂ひくる
譫妄(せんもう)のビラ一面の秋夕焼
(手術日)
大和撫子も足蹴に開くる手術室
きのこのぼうし落ちて擬似死と思ひけり
もどかしき麻酔より覚め秋の声
手術痕にフィルム一枚冬隣
(手術後、急に寒くなる)
麻薬吸う息の漏れきて冷まじき
アルコールで拭きし便座の夜寒かな
陰部拭くらし夜長ナースの声厳し
歎息が鼾となりし夜長かな
生老病死排便に尽く秋の霜
雨の木犀花こごえをり退院日
秋湿り妻が守宮の糞洗ふ
ここ数日は手術のために入院していて、フェイスブックを見ることが出来ませんでした。
短期の入院でしたが病院で詠んだ句を日記風にならべてみました。手術前後は、そんなに余裕がありませんが、
術後は比較的早く回復し、俳句を考える余裕がありました。すべて自分のために詠んだ私俳句ですので、
他人が読んでもあまりおもしろくないかもしれません。
五句目、撫子の句は、昨年の手術のときに詠んだ句です。今回も手術室の看護婦さんの振る舞いが
同じようにおもしろく感動したのですが、他に詠みようがなくて、あえて再投稿することにしました。」
2020.11.1
フェイスブック
〈2020年10月1日にフェイスブックに投稿したものです。〉
「今日の拙句。
(東証のシステムダウン)
鳴物をうち鎮めたる良夜かな
今日の名月は、まさに名月。東の空に出始めた頃は赤っぽかったのですが、昇るにつれてくっきりとその輝きを増してきました。」
〈2020年10月5日にフェイスブックに投稿したものです。〉
「今日の拙句です。
風もてあそぶ付箋のページ秋桜
付箋剥がして花占ひの夜長かな
教師の付箋めずらしさうに秋桜
天才なほもて往生をとぐ良夜かな
少しずつ身の周りのものを片付けています。本もほとんど処分しました。本を処分するにあたっては、
付箋があれば剥がしています。付箋がいっぱいの本はそんなに多くはありませんが、剥がすとなるとけっこう面倒なものです。
中身をちらちらと覗いたりしながら、楽しみ半分、面倒半分で剥がしています。」
2020.11.1
俳句
〈2020年10月のフェイスブックに投稿した拙句です。〉
(東証のシステムダウン)
鳴物をうち鎮めたる良夜かな
風もてあそぶ付箋のページ秋桜
付箋剥がして花占ひの夜長かな
教師の付箋めずらしさうに秋桜
天才なほもて往生をとぐ良夜かな
待ち待ちて金木犀に初の花
金木犀に掃き残したる花の暈
もくせいや詩想も詩句もきはつせい
(一須賀古墳群の蝦夷塚)
去年の木の実に今年の木の実蝦夷塚
金木犀の花散るほとり古梅伐る
残生(ざんしょう)は手書きの迷路吾亦紅
つづら折りゆけば鳴き継ぐつづれさせ
青毬を踏み割り白き栗汚す
(手術前日入院)
木犀咲きてリストバンドの人となる
抜けるしかないトンネル昏し月迷路
金木犀かトンネルの風匂ひくる
譫妄(せんもう)のビラ一面の秋夕焼
(手術日)
大和撫子も足蹴に開くる手術室
きのこのぼうし落ちて擬似死と思ひけり
もどかしき麻酔より覚め秋の声
手術痕にフィルム一枚冬隣
(手術後、急に寒くなる)
麻薬吸う息の漏れきて冷まじき
アルコールで拭きし便座の夜寒かな
陰部拭くらし夜長ナースの声厳し
歎息が鼾となりし夜長かな
生老病死排便に尽く秋の霜
雨の木犀花こごえをり退院日
秋湿り妻が守宮の糞洗ふ
母の声を吾(あ)に死なしむか濃竜胆
(嫗一人)
屈みて拾い立ちては流す花芙蓉
裏返しの手袋丸め鶏頭花
孤に滅びるか蜜に滅ぶか曼珠沙華
玉音に虚子は蓑虫泣かせけり
(得生寺)
千年の仏とをりし秋時雨
天の川の果に散骨したと云ふ
災疫や祈りかそけき露時雨
金木犀の花ほつほつと零れけり
蟷螂の死して腹蔵あらはるる
穴惑ひしっぽに何か言ひ遺し
集団自殺する蚯蚓だもの鳴きもする
胃カメラの飲み込み下手やとろろ汁
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