「うずのしゅげ通信」

 2021年2月号
【近つ飛鳥博物館、河南町、太子町百景】
今月の特集

片付け

フェイスブック

俳句

「うずのしゅげ通信」バックナンバー
「うずのしゅげテーマ別拾い読み」
私俳句「ブラジルの月」(pdf)私家版句集「風の蝶」(pdf)
東日本大震災について (宮沢賢治にインタビュー)
「劇」「性教育」「障害児教育」「詩歌」「手話」
ご意見、ご感想は 掲示板に、あるいは メールで。

「賢治先生がやってきた」には、 こちらからどうぞ

2021.2.1
片付け

〈2021年1月17日にフェイスブックに投稿したものです。〉

「今日の拙句です。

117に折れし橋脚人小さき

かすかにしやりりこころの鍵をはづし雪

体重測定雪を見ていて軽くなる

千年樟に千一年の雪降れり

  (宮沢賢治)
懸想文売りのことならおもしろい

木末(こずゑ)葉末(はずゑ)に風の裏声山眠る

  (母の人形、三句)
供養人形箱にくるみて雪催ひ

悴む妻の美(は)しとくるみし母の人形

マリア像は供養しかぬと女正月

コロナが大変なことになってきました。緊急事態宣言もこれでいいのかと考えてしまいます。 こんなときに、このような俳句を詠んでいていいのだろうか、という思いもあります。
一句目、1.17から今日で26年。
阪神淡路大震災のときも、被災した神戸から大阪に出ると、そこには普通の生活があって、 その違和感に戸惑いさえ覚えたという証言があります。現況においても、コロナの治療に携わっておられる医療従事者は、 病院を出て繁華街を歩かれたとき、おなじような違和感をもたれるのではないでしょうか。
そして、その違和感、隔絶感を、われわれは関係ないととりあえずは見ないふりをしてやり過ごしているとしか思えないのです。
六句、小学生の頃、父と山に入ったとき、深い笹生の中に仰向けに寝転んで、梢の風音を聞くのが好きでした。 笹のくぼみに風はなく、なんとも言えないいい心持ちだったことを覚えています。
ぼちぼちと家を片付けています。人に任せるわけにはゆかないものがたくさんあります。母の遺した数体の人形などもそのたぐいです。
七、八、九句、人形を片付けるために、近くの神社に供養をお願いしました。」


2021.2.1
フェイスブック

〈2021年1月12日にフェイスブックに投稿したものです。〉

「今日の拙句です。

  (今年ばかりは)
アスレチックの柱列高く春を待つ

きぶくれて坊主めくりのどんでん返し

縁取られなほも霜葉の紅く甘く

  (店主が「わかりまへん」と)
ふくろうのさもつがひにてふぶんみよう

子みみづくブリキの太鼓買うてやろ

  (岩手県上閉伊郡の風の電話)
風の電話のことなら通ず銀河鉄道

風の電話のとこなら通ず銀河鉄道

今日は朝から雪が降りました。 雪の中、高齢者講習に行ってきました。夜間視力、動体視力ともに芳しくなく、いかに目が老化しているかを思い知らされました。 パソコンも程々にしなくては。
二年ばかり前に近つ飛鳥風土記の丘で開かれたフェスティバル、そこにリサイクル店が出店していて、その紅テントに 、客寄せのためか番の梟が店内の止り木に、子どもの木菟がテントの杭につながれていました。
そのとき詠んだのが次の二句。

昼の梟番ひて雌雄不分明

青葉木菟ブリキの太鼓買うてやろ

梟の句は、気に入らないので再挑戦。また青葉木菟の句、写真をよく見ると木菟であり、そちらの方がかわいいので 、詠み直すことにしました。
「ブリキの太鼓」は、ギュンター・グラスの小説。この小説は映画にもなりました。」




2021.2.1
俳句


〈2021年1月のフェイスブックに投稿した拙句です。〉

大年のどこも裏白売り切るる

漫才の元はしやべくり去年今年

元日の立ち居おのづと父に似る

  (叡福寺の太子廟)
香煙をあふぐなするも初詣

ただの火が浄火となるや三が日

  (寒波の金閣を想い)
金閣を暮れ残してや雪催ひ

  (コロナで入場制限)
パイプオルガン空席寒き市松模様

鼻歌の裏声となる初湯かな

初夢や子の靴の砂ぶつちやける

人日や賽の目をもつてんとむし

薺粥亡き子の妻の恙なく

  (昔、師走に伊勢の獅子舞)
獅子舞に頭噛まれし框(かまち)の子

  (今年ばかりは)
アスレチックの柱列高く春を待つ

きぶくれて坊主めくりのどんでん返し

縁取られなほも霜葉の紅く甘く

  (店主が「わかりまへん」と)
ふくろうのさもつがひにてふぶんみよう

子みみづくブリキの太鼓買うてやろ

  (岩手県上閉伊郡の風の電話)
風の電話のことなら通ず銀河鉄道

風の電話のとこなら通ず銀河鉄道

117に折れし橋脚人小さき

かすかにしやりりこころの鍵をはづし雪

体重測定雪を見ていて軽くなる

千年樟に千一年の雪降れり

  (宮沢賢治)
懸想文売りのことならおもしろい

木末(こずゑ)葉末(はずゑ)に風の裏声山眠る

  (母の人形、三句)
供養人形箱にくるみて雪催ひ

悴む妻の美(は)しとくるみし母の人形

マリア像は供養しかぬと女正月

弄(いら)ふほどひしやぐ手びねり鮟鱇かな

大寒や小走りに来る発起人

朝の香(かう)夕べに澄みて冬座敷

縁取らるるは負けか霜葉のなほ紅く

  (猪撃ちの猟師が語る)
猪のダニ落つる水瓶寒の月

  (得生寺)
左右(さう)の柱に脇侍は名のみ冴ゆるかな

雪婆かたみに避けて同じ向き

  (「永訣の朝」)
「アメユジュ」は天のうるほひ霙降る

鱗粉指に凍蝶の身はほろほろと

声ひびく書は身にしむや夜の霜

凩や少年老いて森の窪

YouTubeの鯨の声も春隣

自粛とや足地につかぬ掘炬燵



「うずのしゅげ通信」バックナンバー

メニュー画面に