「うずのしゅげ通信」
2021年10月号
【近つ飛鳥博物館、河南町、太子町百景】
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2021.10.1
ヒトラーユーゲント
〈2021年9月18日にフェイスブックに投稿したものです。〉
「今日の拙句です。
(富田林市に引越)
仮住まひの余生身軽に赤蜻蛉
(トイレットペーパー)
落し紙の左右(さう)になほ違和穴惑
(昭和13年(1938)、卒寿の婦人に聞く)
鬼灯やヒトラーユーゲントに旗振りしこと
鰯雲かつて昼ドン鳴りし町
老いの身も60%(パー)の秋の水
「メルトダウンしています」表示そのまま虫の闇
曼珠沙華咲き一遍の道となる
梨の重きを言ひて器の青に盛る
遺骨膝にカーナビ迷ふ月の帰路
いよいよ秋の気配。彼岸花も多くはありませんが咲きはじめています。
もう少しすると金木犀も匂い始めるのではないかと楽しみにしています。
散歩途中に出会った人に椎が実をつけているのを教えてもらいました。
小高い丘なので、夕焼けがきれいです。先日は、激しい夕焼けで、東の二上山のあたりまで茜色に映えていました。
周りの自然には慣れてきましたが、トイレットペーパーの位置に違和感があったり、住環境にはなかなかなじめないでいます。
三句、四句。富田林で育った老婦人から以前に聞いた話をもとに、ネットでしらべたものです。
ヒトラーユーゲントが富田林に来たというのです。
なぜ富田林かというと、楠木正成の祀られている千早神社にお参りするためだったようです。
そのときにオープンカーのパレードが駅前で行われ、旧制中学や女学校の生徒(つまり私の先輩たち)が動員されたのです。
前に書いた南京神輿といい、ヒトラーユーゲントといい、
戦前、戦中の銃後のエピソードにはなかなか興味深いものがあります。」
興味のある方はネットで調べてみてください。日本の各地を訪問して回ったようですから、旗を振ったという
お年寄りもおられるかもしれません。
2021.10.1
フェイスブック
〈2021年9月23日にフェイスブックに投稿したものです。〉
「今日の拙句です。
(中秋の名月、夕方雲に覆われていた空)
ぬすびとはぎの道を堰かるる無月かな
(深夜雲薄くなり)
遠峯の金剛山(こごせ)か黒き良夜かな
(赤い果肉を花だと知って)
無花果の花をこぞりて食ぶる妻なり
段ボールに蓑虫姥目樫伐りて
おろしそば喰ひはぐれたる義兄(あに)も亡く
今年の中秋の名月、天気予報では月は見えないだろうと言われていました。
実際、夕方、散歩から帰ったころは雲が厚くてとても月などみられないだろうとほぼ諦めていたのですが、
徐々に雲が薄くなりばらけてきて、寝る頃には、薄い雲の隙間から煌々とした月を眺められるまでに回復していました。
そのおかげで、無月と良夜の二句を得ることができました。
薄い雲に光が反射しているためか、遠く、
か黒い金剛山脈もそれとわかるほどの明るさでした。」
2021.10.1
俳句
〈2021年9月のフェイスブックに投稿した拙句です。〉
次々に立ちて奏づる虫の径
ぬすびとはぎの径や私道と堰かれても
飛んでとんぼう虫籠に紙の音
一葉(ひとは)の異形あざやかに桜紅葉は
(2021,8月アフガニスタン)
開戦より終戦難き野辺の野菊に
(2006年)
地より日矢サンパウロ九月の機窓
銀河果つる国や小銭をポケットに
(引っ越して)
露の夜の骨壷に音確かむる
(寝覚めの法師蝉)
コーヒー付く付く美味しいよーと蝉うつつ
新しき聞きなしを得し白露かな
天球儀の曇りが取れず秋暑し
溝跨げるか見当揺らぐ落し水
吾が寝袋に流星あふぎ逝きしまま
夜燈(やとう)さんの電気貰ひて地蔵提燈
(富田林市に引越)
仮住まひの余生身軽に赤蜻蛉
(トイレットペーパー)
落し紙の左右(さう)になほ違和穴惑
(昭和13年(1938)、卒寿の婦人に聞く)
鬼灯やヒトラーユーゲントに旗振りしこと
鰯雲かつて昼ドン鳴りし町
老いの身も60%(パー)の秋の水
「メルトダウンしています」表示そのまま虫の闇
曼珠沙華咲き一遍の道となる
梨の重きを言ひて器の青に盛る
遺骨膝にカーナビ迷ふ月の帰路
(中秋の名月、夕方雲に覆われていた空)
ぬすびとはぎの道を堰かるる無月かな
(深夜雲薄くなり)
遠峯の金剛山(こごせ)か黒き良夜かな
(赤い果肉を花だと知って)
無花果の花をこぞりて食ぶる妻なり
段ボールに蓑虫姥目樫伐りて
おろしそば喰ひはぐれたる義兄(あに)も亡く
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