「うずのしゅげ通信」

 2022年10月号
【近つ飛鳥博物館にて】
今月の特集

コロナ禍の中の学校演劇

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俳句

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私俳句「ブラジルの月」(pdf)
私家版句集「雛の前」(pdf)
2022.10.1
コロナ禍の中の学校演劇

コロナが流行しだして三年、「賢治先生がやってきた」の脚本の上演申込みもめっきり減っていました。
この三年間、学校の文化祭が開催できなかったわけですから、劇を上演する場そのものがない状況でした。
だから、コロナ以前には毎年、五本くらい申込みがあったのが、ほとんどなくなっていました。
この三年間をみると、
2020年が2本  「風船爆弾」、「教室の壁は回し蹴りで」
2021年が1本  「風船爆弾」
2022年が4本  「風船爆弾」、『どんぐりいじめと山猫』、「賢治先生がやってきた」、「パンプキンが降ってきた」
となっています。
今年は、すでに四本の申込みがあったということは少し明るい兆しのように思われます。
教育の場で演劇の役割は大きいと思います。
また、以前のような状態に戻ることを祈るばかりです。
近所の高校でも今年は文化祭が復活したようです。どんな劇が上演されているのでしょうか。
高校演劇などを観ていると、コロナ禍を取り込んだ脚本が試みられたりしているようです。コロナ禍を悪い方にばかりに考えないで、 それをきっかけに新しいテーマを見つけてゆくといった方向に受け止めることができれば、すばらしいですね。 若者にはそういったこともできるのだと希望を持って見てゆきたいと思います。


2022.10.1
フェイスブック

〈2022年9月14日にフェイスブックに投稿したものです〉

「今日の拙句です。

  (今年は9.10が中秋の名月)
9.11のその前日の良夜かな

生存率や芋名月も減塩醤油

つづれさせ終活何に間に合はす

変更線に忌日も惑ふ眉の月

今年は十五夜の月を見ることができたので、いくつか句を詠みました。
一句、「きゅういちいち」と読んでください。
三句、「つづれさせ」はつづれさせこおろぎのことです。
四句目は以前の回想句です。」


〈2022年9月30日にフェイスブックに投稿したものです〉

「今日の拙句です。

  (賜りしを命日にお供えして)
山葡萄に戻れぬシャインマスカット

  (以前の家、庭に大きな金木犀の樹がありました)
ゐないことにゐたたまれぬ夜の金木犀

あつゆきの句を読むことも夜長かな

今年もまた金木犀の花が咲き始めました。しばらくは暑い日が続くようなので、満開はどうなることか。
三句目、あつゆきは松尾あつゆきのことです。」


2022.10.1
俳句


〈2022年9月にフェイスブックへ投稿した拙句です。〉

本の上に本伏せおきていなつるび

秋の水ジョバンニの指屈折ス

天の川ほとになずらへ句が解ける

十五光年向こうに逝くか赤とんぼ

けふの忌で嘆きおさめや涼新た

  (やむなしとはわかりつつ)
兵卒に名もなき大和曼珠沙華

老農は女で通し障子洗ふ

月の友縦笛の家教へらる

ひと回りして虫の音の桟敷席

夕かなかな星遠ざかりゆくばかり

横書きの癖字を縦に九月のビザ

色鳥や遠国の葬鳴きやまず

反響の壁を鳴かせて秋の声

うなかぶす向日葵の視野キャタピラ痕

  (宇宙エレベーターの記事を読んで)
エレベーターで宙(そら)翔けのぼる良夜かな

尺八を捨てて余生の芋名月

  (今年は9.10が中秋の名月)
9.11のその前日の良夜かな

生存率や芋名月も減塩醤油

つづれさせ終活何に間に合はす

変更線に忌日も惑ふ眉の月

九月のひこばえ桜根つこの洞(うろ)深し

解けぬ句はそらで覚える麦とろろ

忘れ物思ひ出す秋「百分で名著」

  (桂信子に次の句があり、「りんご掌にこの情念を如何せむ」)
情念はとぐろ巻くもの林檎剥く

渋と甘の妥協つたなき熟柿かな

  (空也像)
葛の花小仏(こぼとけ)のごと立ち連ね

手で喰ふ無花果はったりでなければ何?

しなだれて蛇穴隠す崖の萩

錆色の戦車となりし虫の闇

耳で見て目で聞いてゐる虫の闇

虫の闇死にゆく人に耳のこる

  (賜りしを命日にお供えして)
山葡萄に戻れぬシャインマスカット

  (以前の家、庭に大きな金木犀の樹がありました)
ゐないことにゐたたまれぬ夜の金木犀

あつゆきの句を読むことも夜長かな



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