「うずのしゅげ通信」

 2023年1月号
【近つ飛鳥博物館にて】
今月の特集

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私俳句「ブラジルの月」(pdf)
私家版句集「雛の前」(pdf)
2023.1.1
感謝

「今日の拙句です。

  (昨年、引っ越し)
去年今年淑気ばかりは遷り来ず

  (十歳のころに狐火を見て)
かそけくも遠き狐火老いてなほ

きれいな眼差し火の瞳も遠し冬うらら

数え日と似て非なるもの余命かな

  (眼鏡を二つ持って)
左折りに右折り眼鏡煤籠り

この一年、俳句の投稿にお付き合いいただきありがとうございました。
ウクライナの戦争を詠んだ句もいくつか作りましたが、ずっと胸の底に不安がつかえているような一年でした。
戦争の先行きが見通せない中、来年はどうなってゆくのでしょうか。
そんな情勢ではありますが、新しい年がみなさまにとって少しでも明るい兆しの感じられるよい年になりますようにお祈りいたします。」


2023.1.1
フェイスブック


〈2022年12月5日にフェイスブックに投稿したものです〉

「今日の拙句です。

慟哭にもツボと言ふもの龍の玉

父のどん底知りて悲しき聖夜かな

  (ウクライナの俳句に「戦争の顔」と)
銃後の顔も戦争の顔開戦日

  (白紙運動)
なほマスク白紙は折らぬ紙飛行機よ

けんかして白さざんかを毟る子よ

ETV特集「戦禍の中のHAIKU」を見ました。ウクライナとロシアの俳句愛好家が今回の軍事侵攻を詠んだ句がいくつも紹介されていました。
また黛まどかさんが自身のサイトで紹介されている「京都×俳句プロジェクト」でもウクライナの俳句愛好家の句が翻訳掲載されています。
いま現在、現地で詠まれた句を読むこと、そのことによって、渦中におられる市民の心情が、断片ではあっても、 俳句の力によってこちらに伝わってくる意味、その小さな奇跡とも言うべき新鮮な感動をあらためて感じさせられました。
また俳句というものについても考えさせられました。」


〈2022年12月21日にフェイスブックに投稿したものです〉

「今日の拙句です。

  (青と黄の電飾)
発電機にキーウの聖樹は生きてゐる

弟が来て転居落ち着く年の暮れ

冬の川老いの一跳おぼつかな

極月の烏声(あせい)はつねにわれにあり

キーウの広場でクリスマスツリーの点灯がはじまったとニュースで報じられていました。
国旗の色である青と黄の電飾を纏った高さ12メートルのツリーで、古い飾りを再利用したものだそうです。 そばに置かれた発電機で豆電球を灯しています。」


2023.1.1
俳句


〈2022年12月にフェイスブックへ投稿した拙句です。〉

慟哭にもツボと言ふもの龍の玉

父のどん底知りて悲しき聖夜かな

  (ウクライナの俳句に「戦争の顔」と)
銃後の顔も戦争の顔開戦日

  (白紙運動)
なほマスク白紙は折らぬ紙飛行機よ

けんかして白さざんかを毟る子よ

  (レストランの小天使像)
弦なきリュートを奏づる天使レノンの忌

十二月八日兵たる父の丸眼鏡

丸メガネやはり似合はぬレノンの忌

妻と吾の鍵取り違へ冬新た

  (十二月八日、レストランで)
弦無きリュートを弾く小天使レノンの忌

ふるさとはなめくぢのゐる柿古木

  (今年の漢字は「戦」)
爆弾の檸檬のことならおもしろい

賀状刷る音の聞きなしひとり笑ひ

冬薔薇空(くう)巻く蔓の天球儀

ポインセチアあっはぷふいは間投詞

  (『銀河鉄道の夜』)
苹果(りんご)の匂ひ夢のなぞなぞ解けぬまま

  (ソユーズによる帰還)
宇宙船出でてカザフの湯冷めかな

枝つついても幹掘る音のこげらかな

  (青と黄の電飾)
発電機にキーウの聖樹は生きてゐる

弟が来て転居落ち着く年の暮れ

冬の川老いの一跳おぼつかな

極月の烏声(あせい)はつねにわれにあり

  (昨年、引っ越し)
去年今年淑気ばかりは遷り来ず

  (十歳のころに狐火を見て)
かそけくも遠き狐火老いてなほ

きれいな眼差し火の瞳も遠し冬うらら

数え日と似て非なるもの余命かな

  (眼鏡を二つ持って)
左折りに右折り眼鏡煤籠り



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