「うずのしゅげ通信」
2024年8月号
【近つ飛鳥博物館にて】
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フェイスブック
俳句
「うずのしゅげ通信」バックナンバー
2024.8.1
お勧め
この「賢治先生がやってきた」のホームページで公開している脚本群の大きなテーマの一つは戦争です。
8月ということで、戦争や原爆、原発の脚本の紹介をさせてもらいます。
戦争といっても、今の生徒たちにははるか昔のこと、すでに歴史的な出来事と言ってもいいくらいではないでしょうか。
私の父は徴兵されて八年間戦争に駆り出されていました。
私の子どもは、父の話を少しは聞いているはずです。
しかし、孫たちは、曽祖父の顔も知りません。戦争など遥か彼方のことなのです。
原爆のこともなかなか身近なこととして、感じ取ることができないようです。
そんな子どもたちに、演劇によってどうやって原爆の事実をリアルに伝えることができるのでしょうか。
教員生活の中で、そんなことを思い悩んでいて、ある場面が脳裡に浮かびました。
宮沢賢治が銀河鉄道の車掌として宇宙を旅しています。
そして、今日、銀河鉄道のとある駅で望遠鏡を覗いていて、地球が光を発するのを目にします。
今日、ただ今、賢治が目にした原爆の閃光らしきピカ、そこから劇が始まるのです。
原爆のピカが地球から79年かけて、今日、銀河鉄道の駅に届いたのです。
どういう状況であれ、今日、今、効果は抜群だと思うのです。
そういう設定で、原爆投下を今現在に引き寄せてリアルに感じてもらおうというのです。
それが、二人芝居「地球でクムボンが二度ひかったよ」の最初の思いつきです。
2001年以来何度も書き直し書き直しして一度は、完成させたつもりで、同人誌に掲載もしたのですが、
何年か経つうちに、いろんな矛盾、不備を感じるようになりました。
このままでは、ホームページのラインナップからも外さなければならない、と
いうところまで追い込まれました。途中、もう放棄するしかないかと投げ出しそうになったときもあります
しかし、原爆投下から今年で79年、原爆の事実をリアルに浮き上がらせる最初の思いつきは
どうしても捨てるには惜しい気がします。
とは言えなかなか矛盾なくストーリーを展開することができません。
粘りに粘って、最近やっと一応の完成をさせることができました。
何とか矛盾も最小限に抑えることができたように思います。
ということで、最近二人芝居「地球でクラムボンが二度ひかったよ」を、あらためてラインナップに加えることができました。
また、二人芝居はあまりに負担が大きいということを考えて、普通の群衆劇に書きかえた脚本もあります。
「地球でクラムボンが二度ひかったよ」(改作版)がそれです。
また、原爆で被災したのは人間だけではないよということで、
「竈猫にも被曝手帳を」という猫を主人公にした朗読劇の脚本もかなり前に書いたことがあります。
もう一つ、原爆の関連ということで、原発の問題をテーマとした劇も考えました。
落語台本「地獄八景亡者戯もどき」−原発のゴミ処分場を地獄に?−がそれです。
これは内容に即して、落語にしました。「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)
という噺があるからです。そのパロディにしようと
考えたのです。
原発ごみの処分場をつくる場所が、日本のどこにもなく、こうなったら地獄にもっていくしかない、という結論になります。
ということで、地獄八景亡者戯と同じ地獄を舞台にした噺にしたのです。
また、落語台本では高校生には難しいかもしれないと考え、この落語を漫才リレーで演じるふうに改作した脚本もあります。
「地獄八景亡者戯もどき」(漫才リレー版)−原発のゴミ処分場を地獄に?−がそれです。
私の年齢から考えて、すべての脚本を一応納得のいく形で完成させる最後の機会ということで、
大々的に手を入れました。難航しましたが、どうにか納得するものになったと考えています。
書き上げたからには読んでもらいたいということで、こんな形で宣伝をはじめた次第です。
押しつけがましい紹介になったかもしれませんが、どうかご寛恕いただき、今後ともよろしくお付き合いください。
2024.8.1
フェイスブック
〈2024年7月29日ににフェイスブックに投稿したものです〉
「今日の拙句です。
(父の看取りの頃)
やむなくも父抱き寄すや蝉の声
河内野の武骨に咲くや百日紅
かなしみのひとにはみゆるかわせみか
(村の夏祭り、三句)
合祀の道を神灯のゆく夏祭り
夏祭り夜は神灯にほとりして
遥拝碑に神灯暗き端居かな
暑い日々が続いています。暑すぎて句を詠む意欲もわきません。7月は二十数句しか詠めませんでした。
パソコンの調子が悪くて時間を取られて、俳句を考える余裕がなかったのも事実。
まあ、俳句を詠めなくてもどうということはありません。いつやめてもいいようなものです。
少しでも生活の一端を残せればということで、ぼちぼちとやってゆくしかありませんね。」
2024.8.1
俳句
〈2024年7月にフェイスブックへ投稿した拙句です。〉
さくらん坊の棒のもつるる三きやうだい
(近くのスーパー)
ゾロ目の日さくらんぼうも安売りか
(大阪芸大の野外舞台に噴水)
噴水はワキ舞台に立てばすぐわかる
どくだみの臭み十薬香りたつ
羅須地人協会蒸して端居かな
(夏祭りの居残り)
端居して居残組の席の順
ころがしてみたき莟の桔梗愛し
梅雨晴間媼が運ぶ桐箪笥
初蝉や末尾の句点など未修
老いぬれば金釘流が尺取に
水切りの石滑る空梅雨明くる
花のまま枯るるは難し額紫陽花
(LINE)
初蝉や君はやつぱり○つけない派
くまぜみの悦しばらくをじじと納め
蝉声に共鳴するや蝉の殻
(父の看取りの頃)
やむなくも父抱き寄すや蝉の声
河内野の武骨に咲くや百日紅
かなしみのひとにはみゆるかわせみか
(村の夏祭り、三句)
合祀の道を神灯のゆく夏祭り
夏祭り夜は神灯にほとりして
遥拝碑に神灯暗き端居かな
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